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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!《呪われた録画》が今こそ主役に(スタンダード)

岩SHOW


えっ!?そのカードそんなにイケてるの!?

 そんな感想を抱いたこと、皆もあるはず。僕も数えきれないほど経験しているよ……スタンダードを愛する皆にデッキリストを紹介。このフォーマットをとことん遊びつくすためのとことん!スタンダー道!、今回はスタンダードのお約束でもある、埋もれるカードについて。

 スタンダードは期限付きのフォーマットであり、現在は各セットのリミットは最大で3年。この2025年にリリースされたカード達は2028年まで使用することが可能となっている。3年もあればかなりの年月だ、これらのカードを遊びつくすこともできる……と思いがちだが、意外とそうでもない。他のカードが輝きを放ち大活躍する一方、残念なことではあるがそれらのカードの足元に埋もれ、日の目を見ずに眠り続けるカード達も存在する。近年では年間リリースされるセットの数も増え、その傾向は強まっていると思う。

 スタンダードに確かに存在するが、人知れず眠り続けているカード……しかしなにも悲観的になることはない!そういったカードをピックアップし、活躍させてあげることもまたスタンダードの醍醐味。派手なカード、人目を引きやすいカードに埋もれてはいるが、実はかなりのやり手だった、なんてカードもしばしば発掘されるものだ。眠れるお宝を見つけ出せ!そんな視点でスタンダードをプレイすること、それもまたこのフォーマットをとことん追求するための一つの道なのだ……というわけで今回はまさかの1枚が大活躍を見せる、スタンダードのコントロールデッキを紹介しよう!

Chris Botelho - 「ジェスカイ・コントロール」
地域チャンピオンシップ予選 トップ8 / スタンダード (2025年8月16日)[MO] [ARENA]
1 《神秘の僧院
4 《聖なる鋳造所
4 《フラッドファームの境界
4 《リバーパイアーの境界
2 《サンビロウの境界
4 《行き届いた書庫
2 《轟音の滝
1 《コーリ山の僧院
1 《平地
2 《
1 《
-土地(26)-

2 《道の体現者、シィコ
3 《マラング川の執政
-クリーチャー(5)-
4 《稲妻のらせん
2 《削剥
2 《縫い目破り
2 《失せろ
2 《ピナクルの星檻
2 《間の悪い爆発
3 《喝破
3 《三歩先
2 《星間航路の助言
4 《食糧補充
3 《呪われた録画
-呪文(29)-
2 《炎魔法
2 《壊滅的猛威
2 《安らかなる眠り
1 《真昼の決闘
2 《否認
2 《跳ねる春、ベーザ
2 《ミストムーアの大主
2 《時空不調和
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 ジェスカイ(青赤白)カラーのコントロールデッキ……スタンダードのこのカラーリングと言えばドラゴン、《道の体現者、シィコ》!5マナ4/5飛行・警戒に加えて墓地から3マナ以下の呪文を追放し、そのコピーを唱えられる。スタンダードであれば多くの場合《食糧補充》を拾って手札を満たす動きがベストムーブになるだろう。その他の除去なども使いまわし、対戦相手の攻めをくじくコントロール要素を確保しつつ、シィコ本人が壁役と攻め手を兼ねる。

 長期戦デッキと言えどゲームが長引きすぎるのはノーセンキュー。逆転の芽が出てくる前に摘んでおきたいため、コントロールを実行しつつゲームも終わらせにかかるフィニッシャーを兼ねるカードが理想的。というわけで《マラング川の執政》も素晴らしい。巨大な航空戦力であり、対戦相手のパーマネントを2枚も手札に戻せるので、攻守が一瞬で切り替わる。これを唱える余裕のない時には前兆で4マナのドロー呪文としても運用できるのが偉すぎるんだよな。

 

 そんな優秀なドラゴン達だが、このリストでは主役の座を他のカードに譲らざるを得ない。というわけで冒頭に触れた眠りしカード、まさかの1枚、それが《呪われた録画》!リリースされて1年ほどは鳴りを潜めていたが、ここにきて使用率がじわりじわりと上昇しているアーティファクトだ。呪われの名の通り、これはコントローラーに20点のダメージを与えるというとんでもないデメリットを備えている。インスタントorソーサリーを唱えるたびに時間カウンターが乗り、これが7個以上になると呪いが解き放たれる……このデメリットにばかり目がいきがちで、このカードのメリットはあまり注目されていなかったのだが……これをタップすると、次に唱えるインスタントorソーサリーをコピーしてくれる。起動はタップのみ、1ターンに一度とは言え複数ターンに渡ってコピーが可能と、莫大なアドバンテージをもたらすポテンシャルを秘めている。

 《食糧補充》《星間航路の助言》をコピーして手札を満たしても良いし、除去を倍にして盤面を捌いても気分が良い。しかし最高のパートナーとなるのは《三歩先》で間違いない。この放題呪文、モードの1つにアーティファクトをコピーするものがあるので、これで録画をコピー……するのを録画でコピーという、爆速でビデオをダビングすることが可能だ。そうやって録画複数並んだら、《稲妻のらせん》をジャンジャンコピー、対戦相手のライフを焼き尽くすという勝ち方も出来てしまう。これは1回はやってみたい、ゲームの支配者の気分を体験できるフィニッシュだね。もし時間カウンターが貯まってピンチになっても《削剥》で破壊するなり《マラング川の執政》で手札に戻すなりと、脱出ボタンは用意されているのでご心配なく。

 

 録画デッキと当たったら、サイドボードにも要注意!このリストでは《時空不調和》が採られている。このソーサリーはコントローラーのライフ分、対象のプレイヤーのライブラリーを切削。全くライフを攻めてこないデッキであれば20枚削り取ることもできちゃうわけで、しかもこれを《呪われた録画》でコピーされたら……残り僅かなライブラリーでは対抗しきれず、ライブラリーアウト負けを喫することになるだろう。このコントロールデッキ相手に、君のデッキもコントロールなど攻めに長けてはいないものだったとしても、ライフを減らす要素は確保しながら戦っていこう。

 リリースから1年ほど埋もれていた《呪われた録画》がこんなにエキサイティングなカードだったなんて、スタンダードも本当に奥が深いぜ……今はまだスポットライトが当たっていないカードでも、いくらでもチャンスが巡ってくるということが証明されたわけだ。なので今はまだ輝きが弱いカードがあったとしても、それに光を当てて眩い1枚に……君の手で、スタンダードの主役を作りだしていこうぜ!

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