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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:カーネイジ・コンボで大混乱(パイオニア)

岩SHOW


 マジックのクールさを追求する、今週のCool Deckのコーナー。皆さん、クール足りてますか?ということで、早速だけども現時点での最新セット『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のあるカードについて、見ていこう!

 

 《真紅の混沌、カーネイジ》!カーネイジとは英語で大虐殺という意味で、恐ろしくもクールなネーミングだ。このキャラクターはスパイダーマンシリーズでも特に危険な悪役であり、スパイダーマンを始めとするヒーローらを苦しめる。

 マジックではそのイメージにピッタリな黒赤の2色のクリーチャーとしてデザインされ、また今セットの悪人らの多くが関係する大混乱という能力を持っている。暴れ回って街に大混乱をもたらす様を表現したこの能力は、手札から捨てたターンであれば墓地から唱えられるという、かつてのマッドネスのリメイク的な能力。マッドネスは捨てた時にそれをマッドネスコストで唱えるかどうか選ぶという、捨てた瞬間に判断しなければならないという制限付きではあったが、クリーチャーやソーサリーを本来唱えられないタイミングで捨てて唱えるというクールなプレイができた。大混乱はプレイするタイミングは各カードのタイプに従う形にはなるが、捨てておいて後からマナを用意したり、そのターンの流れ次第では唱えずとも良かったりと融通の利くこれはこれで別のクールさを感じられる仕様だ。

 そんな大混乱コストであれば2マナで唱えられるカーネイジ、彼が戦場に出た時には能力が誘発。墓地にある3マナ以下のクリーチャーを戦場に戻すことができる。4/3に+αでもう1体クリーチャーを獲得できる、そのリアニメイトしたクリーチャーは強制的に攻撃し、プレイヤーに戦闘ダメージを与えると生け贄になる一時的な戦力ではあるが、除去などされたクリーチャーが一発ぶん殴ってくれるのは十分すぎるボーナスだ。これが大混乱であれば2マナで得られるというわけで、いかにしてカーネイジや他のクリーチャーを捨てて大混乱で盤面を作ることができるか?そこを追求するとデッキ構築が求められるわけだが……このカーネイジ、パイオニアで何やらクールなデッキを生み出したらしい。

kacon - 「カーネイジ・コンボ」
パイオニア (2025年10月17日)[MO] [ARENA]
1 《オズコープ社
2 《湿った墓
4 《血の墓所
2 《蒸気孔
3 《闇滑りの岸
4 《黒割れの崖
3 《尖塔断の運河
1 《
1 《
-土地(21)-

4 《税血の収穫者
4 《逸失への恐怖
2 《太陽の執事長、インティ
2 《上げ潮、キオーラ
4 《玻璃池のミミック
1 《鏡像
4 《真紅の混沌、カーネイジ
-クリーチャー(21)-
4 《思考囲い
4 《致命的な一押し
1 《陽気な哀歌
1 《誰も置き去りにしない
4 《チビボネの加入
4 《鏡割りの寓話
-呪文(18)-
Moxfield より引用)

 

回転

 

 《玻璃池のミミック》や《鏡像》といった、3マナ以下でクリーチャーのコピーになれるクリーチャーがコンボパーツとなる。カーネイジを戦場に出し、それの能力で墓地から戻すなどして、ミミックなどのパーツを戦場に。これが戦場に出るに際し、カーネイジのコピーとなることを選択。カーネイジは伝説なので、これが2体並ぶことにより片方を戦場に残しもう片方を墓地に置く処理を行う。これでコピー元のオリジナル・カーネイジを残し、パーツの方を墓地へ。そしてこの状況起因処理を行った後に、コピー・カーネイジのリアニメイト能力が誘発。そしてこれにより、先ほど墓地に置いたパーツを戦場に。この工程、望む数だけループさせることが可能だ。

 これだけだとコピー・カーネイジが狂ったように戦場と墓地を往復するだけなので、この動きを勝利に直結させるパーツがもう1つ必要になる。クリーチャーが死亡すると対戦相手がライフを失う《食肉鉤虐殺事件》もフレイバー的にもクールだが、《チビボネの加入》はこのコンボだからこその最高に面白いチョイス。このエンチャントは伝説のクリーチャーが戦場に出ると、望む数のプレイヤーを対象とし、そのプレイヤーのライフを1点失わせて切削1を行う。つまり、カーネイジの無限に続く輪廻転生が対戦相手のライフ&ライブラリーを溶かすというわけである。

 この《チビボネの加入》のクールなところは、戦場に出た時に望む数のプレイヤーの手札を捨てさせるという点。対戦相手の手札を削って妨害するのは勿論のこと、自分自身も手札を捨てることができるので、カーネイジを捨てて大混乱で唱えるという、変則的なマナ加速ができてしまうのだ。伝説が戦場に出た際の切削も、自分に対して行うことでミミックらを墓地に落とす手段になる。各パーツが絶妙に噛み合った、クールな新コンボがパイオニアに誕生したのだ!

回転

 

 コンボパーツとなるカード以外は、フリースロットということになる。《思考囲い》《致命的な一押し》など自衛になりコンボを通すためのコントロール要素は最低限必要だろう。残りのカードに求められるのは……大混乱を引き起こすこと、そしてコンボパーツをかき集めること。これらを行うのが《逸失への恐怖》《太陽の執事長、インティ》などのカードを捨てて引くor引いて捨てる、あるいはそれに準ずる手札入れ替えを行うルーターと呼ばれるカード達。パイオニアの象徴的な1枚である《鏡割りの寓話》は、このデッキでもその存在感を発揮する。コンボに必要なマナを確保し、大混乱を狙えてパーツも引き込める。さらにこれ単体でもかなりのプレッシャーになるため、除去や手札破壊や打ち消しといった相手の妨害を吸い寄せる弾除けにもなる……八面六臂の大活躍だ。

 またコンボパーツのために青が入っていることを活かして、このリストでは《上げ潮、キオーラ》が採用されている。キオーラも手札をガッツリ入れ替えるルーターであり、また墓地が7枚貯まったスレッショルド状態になると、攻撃時に巨大な伝説のタコを呼び出す。コンボに関係なくゲームに勝つ手段を兼ねており、このキオーラをカーネイジで釣り上げることで勝利というゲームプランも狙っていくことになるだろう。この辺のパーツは各自で自分がしっくりくるものを選んで、完成度の高い手に馴染む逸品を作ってほしいところ。

 この手の無限ループ系コンボをアリーナでプレイする時はクリックするのが難しく誤クリックでコンボが止まったりもするが……実際に触ってみたところ、思っていたよりも複雑ではないため、落ち着いてやれば間違えることはないはず!このクールなムーブは是非一度体験してみて欲しいね。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Let there be Carnage!!

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