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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

~1枚のカードより~《クレイヴン・ザ・ハンター》編(スタンダード)
パックを剥いてカードを手に入れることは、出会いである。全てのカードとの出会いを大事にしたいものだ。せっかく自分の元にやってきたカードにはデッキという住処を用意してやりたい。そのためにはカードをしっかり分析してやる必要がある。カードを知れば愛着も増すというもの。というわけで今回はある1枚のカードについてじっくり考えてみよう。僕も『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のパックを剥いて、実物を手にしてそのカッコよさにグッときた1枚だ。その名も……
《クレイヴン・ザ・ハンター》!スパイダーマンの悪役の一人であり、毛皮をまとったワイルドなルックスが印象に残るキャラクターだ。その名の通り名うての狩人であり、狙った獲物は逃さないクレイヴン。彼をカード化した《クレイヴン・ザ・ハンター》、その色は黒と緑。獣のような身体能力と残忍さを表現しているのだろう。当たり前ではあるがこの2色、あるいはそれを含んだ多色デッキで用いるカードということになる。ではじっくりと分析開始!スタンダード目線で見てみよう。
まずタイプは伝説のクリーチャーであり、人間・戦士・悪人と3つ。人間は頻繁にテーマとなるタイプで、戦士も多くはないがこれを強化したりシナジーを形成するカードが過去に見られた。人間も戦士も、現行スタンダードにこれをメインテーマとしたデッキを作れるようなカードは今のところないが……過去に戦士をテーマとした『モーニングタイド』の舞台であるローウィンを再訪する『ローウィンの昏明』が来年やってくるため、そこでプッシュされる可能性も?悪人は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』にのみ存在するタイプで、このセットにはそれを参照するカードも。ただこれらも今後ユニバース・ビヨンドをはじめセットが増えることで強化されることも大いに考えられる。
クリーチャーとしてのスペックは3マナ4/3にトランプルを持つ。殴り合いどんとこい、相討ちになっても本体にはダメージを通してやるという攻めのクリーチャーとして優秀だ。色マナシンボルは2種類必要ではあるが、黒と緑それぞれ1つで必要であるため唱えるハードルは低い。《ラノワールのエルフ》から最速2ターン目という動きも無理なく狙える。ゴルガリ(黒緑)には《花盛りの湿地》《ウェイストウッドの境界》と優秀な2色土地が揃っているのも追い風だ。
そして狩人であるクレイヴン、対戦相手のクリーチャーが死亡=ハントされることで能力が誘発。そのクリーチャーが対戦相手のコントロールしているクリーチャーの中で一番強い獲物、即ち最大のパワーを持つものであれば、トロフィーとしてカードを1枚引ける。さらに戦いを経たザ・ハンターは+1/+1カウンターでより強くなる……弱肉強食を体現したゴルガリというカラーリングらしい能力。これを活かすためには言うまでもなく、クリーチャー除去が重要になってくる。
幸いなことに現行スタンダードの黒には文句なしなクリーチャー除去がたっぷりと。《保安官を撃て》は無法者に該当するタイプは対象にできないが、それ以外は問答無用でぶった斬り。対価は求められるが何でも破壊できる《苦々しい勝利》、対象は取らないが生け贄に捧げることで破壊不能持ちにも対処できる《勢い挫き》や《戦略的裏切り》という選択肢も。またこの手のピンポイント除去にとっての対抗策である呪禁や護法といった耐性もあるが、その点も《逃げ場なし》があれば抜かりなし。というわけでこれらの黒い除去をしっかり備え、対戦相手のクリーチャーを排除しながらクレイヴンを育てつつドロー。こちらのクリーチャーの攻撃を通していく……いわゆるミッドレンジと呼ばれるスタイルのデッキで用いるのが、このカードを活かす最大の構築となるだろう。
| 4 《花盛りの湿地》 4 《ウェイストウッドの境界》 4 《眠らずの小屋》 2 《魂石の聖域》 6 《沼》 5 《森》 -土地(25)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《苔森の戦慄騎士》 1 《漁る軟泥》 3 《クレイヴン・ザ・ハンター》 3 《分派の説教者》 3 《止められぬ斬鬼》 4 《アクロゾズの放血者》 -クリーチャー(22)- |
4 《保安官を撃て》 2 《勢い挫き》 3 《逃げ場なし》 2 《執念の徳目》 2 《不浄な別室 // 祭儀室》 -呪文(13)- |
2 《サンドマンの流砂》 2 《悪逆な怒り》 3 《大渦の脈動》 2 《中止 // 停止》 3 《強迫》 1 《最深の裏切り、アクロゾズ》 1 《ビビアン・リード》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
そんなわけでうってつけのリストを発見したので紹介させていただこう。スタンダードで《クレイヴン・ザ・ハンター》を主役としたミッドレンジの一例だ。このリストではクレイヴン以外にも3マナ域に強いクリーチャーを並べ、《ラノワールのエルフ》からのブン回りを狙っている。
中でも象徴的なのは《止められぬ斬鬼》!この接死持ちのゾンビは、対戦相手にダメージを与えるとそのライフを半分失わせるという豪快な能力を披露する。そしてこのライフ損失を一撃必殺へと昇華するのが《アクロゾズの放血者》。このデーモンは対戦相手が失うライフを2倍にする。相手のライフが20の時に斬鬼で攻撃が通れば2点ダメージで残ライフ18。斬鬼が誘発して9点失わせる→実際に減るライフは放血者で倍になって18点!残ライフが何点あろうがこのタッグで即ジ・エンド。放血者はデーモンであるため《不浄な別室》で対戦相手がライフを失うようになり、勿論そのルーズも倍になる。このデーモン絡みのシステムをメインの武器に、その他の優秀なクリーチャーで攻めていく……対戦相手を選ばずに戦える、これぞミッドレンジという感じ、クレイヴンを用いたサンプルリストにはこの上なく相応しい逸品だ。
パックを剥けば色んなカードとの出会いがある。狙ったカードが出て嬉しい、知らないカードが出て???、色んな感情が起こるその出会いの先に、デッキを組んでプレイするという流れがあれば最高だね。さあ、デッキを組んでみて!
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