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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

これぞシステムデッキ!《生体工学の専門家》でダメージを叩き込もう(スタンダード)
最近では小学校でプログラミングを習うらしいね。デジタルに疎い筆者からすると、若いうちにそういうのが得意になる下地ができるのは羨ましく思うが……プログラミングの授業をすると言っても、バキバキにPC操作して何かのシステムを組んでというわけではなく、最初は絵本やカードを用いてプログラミング的な思考を学ぶのだという。なるほど、思考であればまだおじさんでもついていけそうだ。それにカードを使う、だって?確かに言われてみれば……我々マジックプレイヤーに最も身近なカード、マジックからプログラムを学ぶことってできるかもしれないな。
カードの組み合わせで何が起こるか、効率の良い戦闘でどれだけのターンで勝利できるか、こういった思考をマジックで磨いていけば、プログラマーとしての下地ができるかも?盤面にシステムを組み上げるタイプのデッキなどはうってつけではないだろうか。たとえばこんな具合の……
| 4 《花盛りの湿地》 2 《踏み鳴らされる地》 2 《商業地区》 1 《地底の遺体安置所》 1 《ウェイストウッドの境界》 8 《森》 1 《山》 1 《沼》 -土地(20)- 4 《錆びついた収穫機》 4 《終端探査機》 4 《遺伝子送粉機》 4 《生体工学の専門家》 4 《影の帯の盲信者》 4 《名もなき都市の歩哨》 4 《金脈のハイドラ》 -クリーチャー(28)- |
4 《塔の点火》 2 《削剥》 4 《陽気な哀歌》 2 《武器製造》 -呪文(12)- |
4 《虚空の力線》 4 《魔女跡追いの激情》 3 《炎魔法》 2 《復讐に燃えた憑依》 2 《武器製造》 -サイドボード(15)- |
ジャンドと呼ばれるカラーリングで、今回中心になっているのは緑と赤、そこに黒の要素が足される形だ。このデッキの最重要パーツは《生体工学の専門家》。戦場に出ると着陸船を生成。このトークンは生け贄に捧げて基本土地をサーチしてこれるマナ加速要素であり、多色デッキの色マナを安定させる役目を担う。そしてこの専門家はアーティファクトを生け贄に捧げることでも能力が誘発。対戦相手に2点のダメージを与えることができる。この能力を何度も誘発させて対戦相手のライフを削り切る、というのがデッキの狙いだ。
各カードが作るアーティファクト・トークン、着陸船をはじめ《名もなき都市の歩哨》の地図、《金脈のハイドラ》の宝物など自力で生け贄に捧げられるものを生成し、それらを生け贄にして《生体工学の専門家》の能力を連打する……それだけでは1ターンに動けるアクション数が少ないので、そのため黒が足されている。《影の帯の盲信者》はマナを必要とせずにアーティファクトを生け贄にできるため、これに延々とアーティファクトを喰わせることで大ダメージを発生させる。《終端探査機》を生け贄にすれば着陸船のオマケをGET、さらに《武器製造》のもたらす弾薬も盲信者に捧げることで瞬間的に飼力を発生させ、対戦相手のライフを削り切る!上手くハイドラを喰わせることができれば、一気に宝物を生け贄に捧げてX×2点分のダメージを叩き込むことも。ライフが二桁ある相手も一瞬で溶かす恐怖のシステムだ。
このデッキ特有のパーツが《陽気な哀歌》。カードを探して墓地に置くモード、そして墓地からマナ総量が合計4になるようにクリーチャーを戦場に戻すリアニメイトのモードを持ち、その両方を同時に行うこともできる面白いソーサリーだ。システムに必要な《生体工学の専門家》《影の帯の盲信者》ら足りていないカードを埋めつつ、それと他のアーティファクト・クリーチャーをまとめて戻してシステムの完成を目指す。何もないも同然の盤面からいきなり致命的なプログラムを起動する、その引き金となる重要なパーツなので、アドリブを利かせながら速やかな勝利を目指そう。
また《錆びついた収穫機》はデッキの別の勝ち手段でもあり除去役も担う固定砲台。墓地のアーティファクトを追放してサイズアップ、自身のパワー分のダメージを飛ばすということで、場合によっては《陽気な哀歌》でアーティファクトを埋めてドカンと飛ばすムーブもあるだろう。こういうアーティファクトをカチャカチャとタップしては何かする、システム系デッキは本当に楽しい……正直人を選ぶジャンルではあるとは思う。なんというか自分との戦い要素も多くなるからね、パーツが揃わなきゃ始まらない、構成しているパーツは基本的に1枚1枚では脆弱なカードたち。そういうのよりは安定感があるデッキが良いやというプレイヤーの気持ちも勿論わかる。しかし我々のような変なデッキオタクには、こういうシステムを組み上げるデッキはたまらないものなのだよ……。
マジックからプログラムを学ぼう!とは強くは言えないが、このゲームから学べることが沢山あることは間違いない。それが人生に活きるかどうかはその人次第。まあ社会で生きる上で役に立たないものであったとしても、楽しいと思えるならそれが一番大事なものなのだよ。日々楽しみながら学んでいきたいもんだね。
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