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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

伝説人間アグロ:衝動的ドロー、無限アラクネ、盛沢山!(パイオニア)

岩SHOW


 『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』は言わずもがなマーベルのスパイダーマン関連作品からキャラクターや名場面をチョイスしてカード化されたセットだ。このセットが最も多くもたらした要素は何か?蜘蛛に関するカードはかつてないほど収録されたが、それよりも増えたのは……伝説の人間だ。動物や恐竜の蜘蛛・英雄もいるが、ほとんどのスパイダーマンはベースが人間で、そしてそれぞれの世界を護る伝説のヒーローだ。人間というタイプは通常のセットにも大量に収録され、マジックの歴史でも時折このタイプをテーマとしたカードが登場し、強力な人間デッキが作られてきたものだ。

 そして伝説、これもたびたびメインテーマとなるエッセンス。伝説のパーマネントは2つ同時にコントロールできないため、複数枚引いてしまうと手札にダブついてしまうというデメリットを持っているが、それ故に強力な能力を与えられているものが多く、伝説にボーナスをもたらすカードも多数作られている。これらをテーマにしたデッキは『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』の恩恵を受けまくるというわけだが……どっちもテーマにしたらどうだ?というデッキがパイオニアで登場!伝説の人間が大集結、マーベルのヒーローらとの夢の共演デッキはどんなリストなのか?

claudioh - 「5色伝説人間」
Magic Online Pioneer Challenge 32 第13位 / パイオニア (2025年10月3日)[MO] [ARENA]
4 《魂の洞窟
4 《閑静な中庭
4 《手付かずの領土
4 《英雄の公有地
4 《始まりの町
1 《マナの合流点
1 《平地
-土地(22)-

3 《ザックス・フェア
3 《暗黒騎士、セシル
4 《侵攻の伝令、ローナ
4 《太陽の執事長、インティ
2 《グウェン・ステイシー
1 《スペクタキュラー・スパイダーマン
4 《サイオニック・ウィーバー、アラクネ
4 《光に導かれし者、ハリーヤ
3 《正直者のラトスタイン
2 《ウェザーライトの艦長、ジョイラ
1 《ウェブ紡ぎ、シルク
-クリーチャー(31)-
3 《モックス・アンバー
4 《伝説の秘宝
-呪文(7)-
2 《敬虔な新米、デニック
3 《不屈の将軍、ジリーナ
1 《配分の領事、カンバール
2 《第三の道のロラン
1 《艦の魔道士、ラフ・キャパシェン
2 《スペクタキュラー・スパイダーマン
3 《スレイベンの守護者、サリア
1 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 まずは土地を見て欲しい。《平地》以外の土地は……軒並み5色土地!《始まりの町》のように条件はあれど、5色全てのマナを供給できるデッキで組まれた豪華絢爛な5色デッキだ。まずは人間タイプで固められているため、タイプを指定する土地が機能する。《魂の洞窟》をはじめ、《閑静な中庭》《手付かずの領土》と12枚体制で人間たちがスムーズに戦場に送り出される。さらに伝説の呪文にのみ支払える5色マナを加えたり伝説のパーマネントと同じ色のマナを加えられる《英雄の公有地》も並び、これだけ揃えば色事故は回避できるというものだ。逆に考えると、人間や伝説以外の呪文を唱えるのには心許ないマナ基盤になってしまっている。そのためこのリストはメインは言うまでもなく、サイドボードも伝説及び人間クリーチャーのみで構成されている。この尖った姿勢がなんとも興味をそそるぜ。

回転

 そんな頼もしいマナ基盤から、伝説の人間たちを繰り出して攻めていく。《ザックス・フェア》《暗黒騎士、セシル》など1マナのレジェンドから始まり、毎ターン戦力を投下して強固な盤面を作っていく。その中でクリーチャーの強化役であり、かつ展開力をバックアップするのが《太陽の執事長、インティ》だ。インティは攻撃時に手札を捨てることでクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せてトランプルを持たせる。また手札を捨てれば誘発する能力もあり、ライブラリーの一番上を追放してそれをターン終了時までプレイできる。衝動的ドローという類の赤特有のアドバンテージの取り方で、複数引いた伝説を捨てて他のカードを求めにいけるのでデッキの弱点もカバーしている。《侵攻の伝令、ローナ》で手札を捨てても誘発するので、インティからダメージと手数を稼いでいきたい。

 そしてこのインティと同じくライブラリートップを追放してプレイ可能にするのが《グウェン・ステイシー》。グウェンが追放したカードは彼女が戦場にいる限りプレイ可能で、そしてこのグウェンの変身後……あるいは第二面としてプレイした《ゴースト・スパイダー》は、追放領域からカードをプレイすることでカウンターを得て強化される。これとインティが組み合わさると手札が他のカードに入れ替わりながらダメージをガンガン叩き込めるというわけ。さらに《ゴースト・スパイダー》からカウンターを取り除くことでこれまた衝動的ドローをもたらす……ただのアグロデッキというだけではない、粘り強い攻めが売りのデッキである。

 

 そしてこのヒーローデッキの見せ場が、《サイオニック・ウィーバー、アラクネ》ムーブ!アラクネはカードタイプを指定してそれに追加コストを課す妨害能力を持ち、人間で殴り切る時間を稼いでくれる。ただこのデッキでの役目はそれだけではなく……《伝説の秘宝》とのコンボが炸裂する。《伝説の秘宝》は伝説クリーチャーをタップしてマナを加えられる。これでタップしたアラクネを手札に戻しつつ、2枚目のアラクネをウェブスリングでプレイ。入れ替わったアラクネをさらにタップしてマナを加えつつ戻して……2枚のアラクネが無限に入れ替わり続けるループを形成できる。これだけだと絵面が面白いだけだが、《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》が並べば好きなだけカードを引ける。また《光に導かれし者、ハリーヤ》がいれば無限ライフだ。

 また伝説を唱えるとアンタップする《侵攻の伝令、ローナ》を並べて、《伝説の秘宝》でタップし続ければ無限マナも。このマナの使い道は《ウェブ紡ぎ、シルク》に注ぎこんで全体強化を無限に起動!というわけで天文学的な戦闘ダメージも与えられるという、コンボ要素に満ちたアグロデッキなのだ。こういうデッキはコンボの気持ちよさもあり、コンボが成立しない時には個々のクリーチャーの性能にものを言わせて殴り勝てるというのが強みだ。人間と伝説、マジックに数多存在するクリーチャーらに『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』の伝説的な存在が加わり……奇跡の化学反応を楽しもう!

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