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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

横並べと全体強化、シミック・ジャッカル!(スタンダード)
先の情報がドドドッと押し寄せてきてパンクしそうだ。毎年秋のお約束イベントになっているとはいえ、毎度のことマジックの勢いに圧倒されるよ……来年、2026年は7つのセットがリリースされる予定とのことで、2ヶ月に1回という2025年のペースを越えることが発表された。つまり来年の各フォーマット恐らく7回の新カード参入を迎え、その度に環境が変化するということ……新カードが加わる=それまでのカードやデッキが消滅するというわけでは決してないので、自分の好きなものを使って好きなように遊べば良い。
しかしながらこの環境で遊べるのももう後○○日か……という感情を抱くのもまた自然なことだよね。構築フォーマットのデッキを紹介する当コラムでも、それぞれのフォーマットのデッキを紹介しては次のセットがやってきてリストが変わる……そんな激動の時代の、一種のアーカイブ的な機能を果たせるように、と決意を新たにした次第だ。『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』がリリースされてシーズンが始まったが、この環境もあと2ヶ月経たずして次のシーズンが始まる。スパイダーマン環境のデッキ、特にスタンダードのリストをしっかりと紹介していこう!というわけで今回取り上げるリストはコチラ。
| 4 《繁殖池》 4 《植物の聖域》 4 《ウィローラッシュの境界》 4 《始まりの町》 4 《森》 -土地(20)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《遠眼鏡のセイレーン》 3 《脚当ての補充兵》 3 《遺伝子送粉機》 4 《天才遺伝学者、ジャッカル》 4 《遺伝子変異の成虫》 4 《群青の獣縛り》 3 《神出鬼没の狩人、スーラク》 4 《ウロボロイド》 1 《永劫の好奇心》 -クリーチャー(34)- |
1 《王のもてなし》 2 《蛇皮のヴェール》 3 《亭主の才能》 -呪文(6)- |
3 《無効》 3 《排撃の変異》 2 《ティシャーナの潮縛り》 3 《声も出せない》 2 《洪水の大口へ》 2 《屑鉄撃ち》 -サイドボード(15)- |
緑をベースに青を足した「シミック(緑青)アグロ」!1・2マナ域のクリーチャーを分厚く採用し、最序盤から展開。それらで積極的にガンガン殴って勝つ、シンプルさが魅力のアーキタイプ。《ラノワールのエルフ》からスタートしてマナ加速し、一気に盤面を作って勝つという展開が理想的だ。
そうして並んだクリーチャーは小粒なわけだが、それらを《亭主の才能》や《ウロボロイド》で強化するので問題なし。特に《ウロボロイド》はこの類のデッキを組む理由とも言える超パワーカード。これ自身のパワーに等しい数の+1/+1カウンターを自身含めて全クリーチャーにばら撒く!驚異的な全体強化で、とりあえず戦場に出して戦闘開始時を迎えて能力を誘発させられれば、後のターンに除去されたとしてもそれだけで4マナ払った価値は十分にある。逆に言えば除去されずに2回目の誘発なんてことになれば全員のサイズが+2/+2だぜ?勝負アリだろうよ。
というわけでパワフルすぎる《ウロボロイド》が軸になり、それで青い回避能力持ちを強化するのがこのデッキの常套手段。特に注目すべきカードは《遺伝子変異の成虫》!2マナで飛行持ち、土地を戦場に出せば上陸が誘発してクリーチャー1体がターン終了時まで3/3になる。この成虫自身をサイズアップしても良いし、他の連中を強化するのも強い。土地の枚数が6枚以上であればサイズは6/6に!これの対象を《ウロボロイド》にした暁には……というわけでアグレッシブさ溢れる楽しいデッキに仕上がっている。
このアーキタイプ自体は『久遠の終端』環境から存在するが、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』にて大きく強化されることになった。《天才遺伝学者、ジャッカル》!ジャッカルはクローン技術に長けたマッドサイエンティストで、カードとしてもこれを見事に再現している。ジャッカルのパワーと等しいマナ総量のクリーチャーを唱えると、それをコピーしてジャッカルに+1/+1カウンターを置く。これでクリーチャーの頭数をゴリゴリッと増やせば《ウロボロイド》の火力も大幅上昇するというわけだ。スタート地点は1マナのクリーチャーになるため、このリストには1マナ域が実に14枚も投入されている。
ラノワールに《遠眼鏡のセイレーン》《脚当ての補充兵》などスタンダードでお馴染みの面々の中に《遺伝子送粉機》まで採用されているのがシブい。このアーティファクト・クリーチャーは自身と他のクリーチャーを一緒にタップすることでなんでも1マナ加えられる。これ自身が増えても無茶苦茶嬉しいというわけでもないが、ジャッカルを誘発させて2マナへの橋渡しとなるのであれば十分。1ターン目《遺伝子送粉機》→2ターン目ジャッカル→ジャッカルをタップして1マナクリーチャー……と2ターン目からロケットスタートを切れるので、ラノワールの追加枠としてこの《遺伝子送粉機》、一度は試してみることを勧めよう。
というわけで「シミック・ジャッカル」と呼ぶべきデッキリストを紹介させていただいた。次期環境が始まってもまだまだこのアーキタイプを組んで遊ぶことはできる、なんだったらコピーして嬉しいクリーチャーが増えて大きく強化されるかもしれない。しかしながら今この時にしか体験できないゲームというものは確実に存在している。遊べるなら遊んでおく、そんな姿勢を大事にしながらスタンダードと、ひいてはマジックと付き合っていきたいものだね。
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