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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:モダンコンボデッキ2選、投入された新カードは……(モダン)

岩SHOW


 クールなものを追い求めるとマジックに行きつく。『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』というマジック史を揺るがすクールなセットがリリースされ、クールの供給過多に溺れそうになる日々を送っているよ。

 というわけでクール監視員の岩SHOWがお届けする今週のCool Deck。これを書いているのは「プロツアー『久遠の終端』」の直前。このプロツアーで採用された構築フォーマットは久しぶりのモダンになる。プレイヤー人口の多いモダンが、プロツアーという競技イベントの最高峰の舞台でプレイされる光景……モダンってスゲェなと世界中のマジックプレイヤーが改めて感じることになったことかと思う。

 そんなクール度が高まったモダンで、折角だから最新セットのカードを採用したデッキを紹介しようじゃないか。ということでまずは1つ目のデッキ……

Kobayashi Shigeyuki - 「エスパー御霊」
モダン杯 in 千葉 トップ8 / モダン (2025年9月21日)[MO] [ARENA]
2 《溢れかえる岸辺
4 《汚染された三角州
4 《湿地の干潟
1 《神聖なる泉
1 《湿った墓
1 《神無き祭殿
1 《行き届いた書庫
1 《地底街の下水道
1 《薄暗い裏通り
1 《迷路庭園
1 《平地
1 《
1 《
-土地(20)-

4 《超能力蛙
1 《スーペリア・スパイダーマン
1 《緻密
4 《孤独
4 《量子の謎かけ屋
4 《偉大なる統一者、アトラクサ
1 《グリセルブランド
-クリーチャー(19)-
3 《虹色の終焉
1 《朦朧への没入
3 《否定の力
4 《信仰の繕い
4 《儚い存在
4 《御霊の復讐
2 《時を解す者、テフェリー
-呪文(21)-
4 《記憶への放逐
2 《神秘の論争
2 《思考囲い
2 《空の怒り
2 《鳴り渡る龍哮の征服者
1 《緻密
1 《外科的摘出
1 《夢を引き裂く者、アショク
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 「エスパー(白青黒)御霊」!キーカードは《御霊の復讐》、そして《儚い存在》。伝説のクリーチャーをたった2マナで墓地から戦場に戻すインスタント、《御霊の復讐》。これで強力な伝説クリーチャーを釣り上げて、速攻を与えて攻撃!これでリアニメイトしたクリーチャーはターン終了時に追放されるが、それじゃあ勿体ないということで《儚い存在》を撃ち込む。これで追放して戦場に戻ると、御霊で釣り上げたものとは別のオブジェクトにカウントされ、追放されずに戦場に残る。強い盤面をクールに作ることを狙ったコンボ搭載デッキである。

 《儚い存在》は想起コストで唱えた《孤独》や、ワープで唱えた《量子の謎かけ屋》を追放して戻すための手段にもなる。これらも別のオフジェクト扱いになり、低コストで強いクリーチャーを確保しつつ、それらが戦場に出た時に誘発する能力を使いまわせる。コンボのみではなくコントロール能力も高い、万能で人気の高いアーキタイプである。

 

 御霊でリアニメイトする候補は《偉大なる統一者、アトラクサ》!サイズにキーワード能力で戦闘面でも最強、手札をゴリッと補充する能力で対戦相手に差をつける。あるいは《グリセルブランド》を用いるというところだが、これらのクリーチャーをリアニメイトするため御霊に連なるカードとして採用されたのが新カード《スーペリア・スパイダーマン》!墓地のクリーチャーのコピーになるこのヒーローでアトラクサをコピー!

 《スーペリア・スパイダーマン》は名前やサイズなどは元のカードのままでコピーになるため、4マナ4/4とモダンでは特に跳びぬけたものでもないスペックにはなってしまうのだが……アトラクサのコピーになればそこに飛行・警戒・接死・絆魂とキーワードが並べばこれ以上を望むべくもないクールな性能に。クールでスーペリアなコンボを決めて、対戦相手を粉砕せよ!

晴れサンモダン杯 - 「サムワイズ・コンボ」
晴れサンモダン杯 準優勝 / モダン (2025年9月21日)[MO] [ARENA]
4 《新緑の地下墓地
4 《吹きさらしの荒野
2 《草むした墓
1 《神無き祭殿
1 《寺院の庭
3 《花盛りの湿地
1 《育成泥炭地
1 《地底の遺体安置所
1 《草萌ゆる玄関
2 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《ドライアドの東屋
1 《
1 《
-土地(23)-

4 《金のガチョウ
4 《大釜の使い魔
3 《臓物の予見者
1 《屍肉喰らい
2 《若き狼
1 《森を護る者
1 《機能不全ダニ
1 《街の鳩
4 《サムワイズ・ギャムジー
2 《マリオネットの見習い
1 《威名のソルジャー、セフィロス
1 《エディ・ブロック
1 《星原の番人
2 《忍耐
-クリーチャー(28)-
4 《出産の儀
4 《召喚の調べ
1 《飢餓の潮流、グリスト
-呪文(9)-
2 《虹色の終焉
2 《致命的な一押し
3 《思考囲い
2 《活性の力
2 《夏の帳
1 《陽光浄化者
1 《クロールの銛撃ち
1 《溜め込み屋のアウフ
1 《水晶のバリケード
-サイドボード(15)-
晴れサンモダン杯 より引用)

 

 

 今回は2つもデッキをご紹介、クールさが抑えきれなかったんでね。《サムワイズ・ギャムジー》を使ったコンボデッキだ。

 サムワイズはクリーチャーが戦場に出た時に食物を生成する。このトークンで組み合わせることでコンボが成立するのが《大釜の使い魔》。使い魔は食物を生け贄に捧げることで墓地から戦場に戻る。これで食物を喰って戦場に出て、使い魔が出たことでサムワイズが誘発して……この2枚に《臓物の予見者》《屍肉喰らい》など使い魔を生け贄に捧げるパーツが揃えば、グルグルとループを形成して対戦相手のライフを吸い尽くすことが可能に。

 これらのパーツを《出産の儀》《召喚の調べ》といったサーチでかき集め、また《マリオネットの見習い》《威名のソルジャー、セフィロス》などクリーチャーを生け贄に捧げてライフを削る手段を盛り込み、コンボ以外の勝ちパターンも搭載。様々なクリーチャーが詰め込まれていることからこの手のデッキは「ツールボックス」とも呼ばれ、道具箱や玉手箱的な何が飛び出すかわからないクールさも持ち合わせている。

回転

 このデッキに投入された『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のカード、まずは《エディ・ブロック》!ヴェノムと共生する本体であるエディのモードでは、戦場に出た時に1マナのクリーチャーを墓地から戦場に戻す。この手のリストは1マナ域が多く、除去されやすいそれらを拾う動きはイメージしているよりもクール。《機能不全ダニ》など使いまわせればそれだけでゲームが有利になることも。《金のガチョウ》から赤マナを捻りだせば《リーサル・プロテクター、ヴェノム》としても唱えたり変身させることも可能で、殴って勝つパターンをデッキにもたらしてもいるクールなチョイスだ。

 また《街の鳩》を採用しているのもファンシーなポイントで、これは戦場を離れると食物を提供してくれる。《臓物の予見者》らに喰わせながら得たこの食物をどう使うか、プレイヤーのセンスが問われる。いざという時にはこれがもたらす食物からサムワイズコンボが決まることもあるだろう。

 クールなモダンのコンボデッキにクールなキャラクターらが参入!デッキの土台があるからこそこれらのカードをお試し的に盛り込めて、結果クールなリストが誕生する。今のような新セット参入後の時期はこのようなクールなデッキが生えてくるタイミング。秋のキノコ狩りよろしく、クールなデッキリストの収穫に出発だ。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Harvest the decks!

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