『マジック：ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』シーズンに突入した！この秋は壮大な物語と魅力的すぎるキャラクターに彩られたマジックを思いっきり楽しもう。というわけで今回も公式発売日に先駆けて、プレリリース期間中に使われたデッキをご紹介。現在のルールではプレリ期間中に手に入れたカードをそのまま各フォーマットのデッキに取り入れて、公式の大会で使用することが可能だ。スパイダーマンらのカードを手に入れたらすぐさまデッキに入れて遊びたい、そんな思いがかなえられる素敵な環境が揃っているのだ。

　というわけでいち早くプレイされたカード、組まれたデッキはどんなものなのか？スタンダードの一例を紹介しよう！

　『マジック：ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』の黒と赤が主に担当している能力「大混乱/ Mayhem」。スパイダーマンシリーズの悪役らが持つこの能力は、手札から捨てたターンなのであればそのカードを墓地から唱えたりプレイすることができる、という能力である。ちょっとややこしいが、手札からカードを捨てるというネガティブな行動を、ポジティブなものに変えてくれる能力である。既存の能力でこれによく似たマッドネスというものがあるが、マッドネスは捨てた時にそれを唱えるかどうかの選択肢を突き付けられるのに対して、大混乱はとりあえず捨てておいて、そのターンの展開を見てから唱えるかどうかを選べるという点が大きく異なる。

　まあ難しいことは考えず、《蜂群人間、スウォーム》を見てみよう。3マナ2/2瞬速＋飛行、猛一声ほしくなるスペックだが、これが大混乱であれば1マナに。こうなるとマナ効率に非常に優れたクリーチャーとなり、《苦々しい勝利》や《太陽の執事長、インティ》といったカードで喜んで捨てたくなる。《真紅の混沌、カーネイジ》も同じく4マナ4/4トランプル、これでも十分強いが大混乱だと計2マナと超軽量に。カーネイジは墓地からクリーチャーを戦場に戻すという強力な能力も備えており、このデッキはクリーチャーを捨てて《略奪するアオザメ》などの能力を誘発させつつ、《恐血鬼》や大混乱などで損をするどころかむしろ効率よく盤面を作っていくというのがこの「ラクドス(黒赤)メイへム(大混乱)」デッキの狙いだ。

　大混乱持ちなどを捨てるカードもこの手のデッキでは重要になってくる。《逸失への恐怖》《不遜なグレムリン》などのクリーチャーと共に、非クリーチャー呪文も併用していく。《苦々しい勝利》《サザキャップの醸造》ら既存のカードと、そして大混乱と共にやってきた新カード《カボチャ爆撃》！黒か赤の1マナ＋{2}か手札1枚というコストを払うことで唱えられる、3点ダメージのクリーチャー除去だ。3マナで唱えるとちょっと物足りないカードで、やはり手札を捨てて1マナで唱えてこそというソーサリーである。本来損する追加コストを大混乱でメリットに変換！

　そしてこういった手札を捨てるカードが複数採用されているので《忍耐の記念碑》もこのデッキの武器になっている。このアーティファクトは手札を捨てるたびに能力が誘発、3つのモードからそのターンに選んでいないものを選んで恩恵を受けられる。どのモードも美味しいもので、状況にマッチしたものを選んでゲームを優位に進めたい。ドローが嬉しいのはもちろん、宝物生成で大混乱のコストを賄うのも強い。そして対戦相手のライフ3点を失わせる攻めのモードは、アグロであるメイヘムデッキにとって最後の一押しとなるだろう。ここまで揃えば、手札を捨てることに抵抗があるプレイヤーも喜んでカードを墓地に送っていくこと間違いないね！

　大混乱という新メカニズムをもたらした『マジック：ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』。他の能力や固有の挙動を見せるカードがどんなゲーム体験をプレイヤーに提供してくれるのか、その答えはこれから見えてくる。スタンダードを始め、各フォーマットでマーベルの象徴的なキャラクター達を……君の手で活躍させよう！