READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グリクシス眼魔:発掘するための謀議(モダン)

岩SHOW


 『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』が公式発売日を迎えた。期待に満ち溢れたこの新セット、一体どんなゲーム体験をもたらしてくれるのか?構築フォーマットのデッキを紹介するこのコラム的にもワクワクが止まらない日々を過ごしているよ。今回よりしばらくはプレリリース期間中、『マーベル スパイダーマン』の新カードを採用して組まれたデッキをピックアップ。涼しく過ごしやすくなってきて秋を感じる中、スパイダーマンの新カードで遊ぼう!

 ということで……まずはモダンのデッキからご紹介。モダンと言えばプロツアー『久遠の終端』で採用されたフォーマットであり、今原稿作成時点ではどのようなデッキが勝ちを収めたのかは不明だが……プロツアー効果で皆「デッキを組んで遊んでみたい!」と思っているのではないだろうか。というわけでそんな今秋盛り上がりを見せる予感のフォーマットで新カードが躍動するデッキをお届けしよう!

Kato Kyosuke - 「グリクシス眼魔」
フライデー・ナイト・マジック 3-0 / モダン (2025年9月19日)[MO] [ARENA]
4 《汚染された三角州
3 《沸騰する小湖
1 《血染めのぬかるみ
2 《湿った墓
1 《蒸気孔
1 《地底街の下水道
1 《轟音の滝
1 《グルームレイクの境界
2 《闇滑りの岸
2 《
1 《
-土地(19)-

3 《知りたがりの学徒、タミヨウ
4 《超能力蛙
2 《ノーマン・オズボーン
2 《オークの弓使い
3 《忌まわしき眼魔
1 《濁浪の執政
-クリーチャー(15)-
4 《致命的な一押し
2 《シェオルドレッドの勅令
1 《朦朧への没入
2 《思考囲い
4 《対抗呪文
2 《呪文嵌め
2 《否定の力
1 《呪文貫き
1 《厳しい説教
1 《塵へのしがみつき
1 《信仰無き物あさり
1 《思考掃き
4 《発掘
-呪文(26)-
4 《記憶への放逐
1 《神秘の論争
1 《緻密
1 《シェオルドレッドの勅令
2 《炎魔法
2 《海の先駆け
1 《思考囲い
1 《溶融
1 《外科的摘出
1 《虚無の呪文爆弾
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 モダンのグリクシス(青黒赤)眼魔!その名の通りキーカードは《忌まわしき眼魔》。3マナ5/5飛行という脅威的なスペック、対戦相手のアップキープに戦慄予示を行い横に他のクリーチャーも並べるという凄まじいカードパワーを誇る。ただ3マナ払うだけでこれが得られるなんてことはもちろんなく、墓地を追放するという重い追加コストが設けられている。モダンであれば《汚染された三角州》などのフェッチに、《思考掃き》など軽量で墓地を肥やせる呪文が豊富にあるため、この追加コストの支払いはスタンダードなどよりは難しいことではない……それでもやっぱり手間はかかるので、これを省いてしまおうというのが眼魔デッキの基本。モダンであれば黒の《発掘》を用いることでたったの1マナで、ノーリスクでこの眼魔をリアニメイト可能だ。

 

 《発掘》によるリアニメイトを行うには、眼魔自身を墓地に送る手段が必要となる。そのメインを務めるのは《超能力蛙》。青黒を含むデッキの主力であるこのクリーチャーは、対戦相手に攻撃を通すことでカードをドローするという、簡単なことでこちらの手札を潤してくれる。さらに手札を捨てれば+1/+1カウンターを乗せられるので、不要な手札を食わせて育て、攻撃を通してカードを引いてというサイクルを形成できる。マナなども不要なので、この蛙で眼魔を捨てるのが手っ取り早い。他にも《信仰無き物あさり》など併用して、眼魔を釣ったり貯めた墓地を眼魔や《濁浪の執政》のコストに充てるなどして、強い盤面を作って殴り勝つのがこのデッキのストーリーだ。

回転

   さて、このリストに採用された新カードこそが《ノーマン・オズボーン》!《グリーンゴブリン》としても唱えられ、それに変身もする伝説の悪人だが、このデッキで主に用いるのはノーマンのモード。ノーマンはブロックされないため、相手がどれだけクリーチャーを並べていようが臆することなく攻撃が可能。そして戦闘ダメージを対戦相手に与えることで謀議能力が誘発。カードを1枚引いて捨てるというアクションを行い、この時に土地以外を捨てればノーマンがカウンターを得て強化される。こうして見ると蛙と似たような役割を行えて、手札の枚数が増えはしないが眼魔+発掘コンボを助けつつ、対戦相手に確実にダメージを与えていけるというそれぞれのセールスポイントがあり、このリストのように併用する構築は実に面白い。

 メインの運用はノーマンとはいえ、ゴブリンとして飛行と速攻を活かして出撃させられるし、墓地から唱える呪文のコストも軽減されるため《信仰無き物あさり》などともシナジーを形成していたりする。スパイダーマンの宿敵の一人は、モダンで今後活躍する可能性アリの要注目カードだ。

 プロツアーも終えて、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』公式発売日も迎えて、モダンを始め様々なフォーマットが本格始動してくる来月10月。芸術の秋、読書の秋、そしてマジックの秋。新カードを遊びつくして、秋の夜長を豊かな時間にしよう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索