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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セレズニア・ギアハルク:皆が大好き、サーチを駆使するデッキ(スタンダード)

岩SHOW


 マジックプレイヤーの好きなことランキング、公式でこのような企画が行われたことはあるのかどうか、把握はしていないが……アンケートをとると「カードを引く/ドロー」が1位になることだろう。まあ間違いないと思うよ、カードを引いてりゃ自然と勝利が近づいてくるのだから。

 そんなドローと争うことになる2位候補は「カードを探して手札に加える/サーチ」かな。ドローよりもコストに対する効率が落ちるのが常ではあるが、任意のカードを探して確実に手札に加えるという動きもまた、最高に楽しい瞬間だ。今回はこのサーチに関するカードが主役のデッキを紹介しよう。スタンダードの「セレズニア(緑白)ギアハルク」だ!

Predrag133 - 「セレズニア・ギアハルク」
Magic Online Standard Challenge 32 トップ8 / スタンダード (2025年9月13日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《ハッシュウッドの境界
2 《草萌ゆる玄関
2 《不穏な大草原
6 《平地
6 《
-土地(24)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《ひよっこ捜査員
1 《養育するピクシー
1 《脚当ての補充兵
4 《名もなき都市の歩哨
4 《コスモグランドの頂点
4 《輝晶の機械巨人
3 《ウロボロイド
-クリーチャー(25)-
2 《縫い目破り
3 《薄暮薔薇の聖遺
1 《溶かし歩きの消散
1 《フェニックスの尾
2 《失せろ
1 《魂標ランタン
1 《嵐の討伐者、エルズペス
-呪文(11)-
1 《領事の権限
1 《別行動
3 《幽霊による庇護
2 《受け継ぎし地の開墾
1 《失せろ
2 《エイヴンの阻む者
1 《除霊用掃除機
2 《脚当ての補充兵
1 《フェニックスの尾
1 《嵐の討伐者、エルズペス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 ギアハルクとは機械巨人の意味、このデッキの主役は《輝晶の機械巨人》!色マナを2種類2つずつ必要と、非常にマナ拘束がきついコストの持ち主。4マナ4/4で先制攻撃とトランプルを持っており、色マナを揃えられればマナ総量に対して優良スペックの持ち主として活躍してくれるだろう。

 そしてこの機械巨人は皆が大好きなサーチを行わせてくれる。しかもカード2枚も!このこれが戦場に出た時に能力が誘発し、クリーチャー・アーティファクト・エンチャントの組み合わせで2枚をライブラリーからサーチ!ただし条件があって、手札に加えられるのはマナ総量1以下のカードのみとなっている。1マナ以下か……とがっかりすることはないぞ。クリーチャーであれば《ひよっこ捜査員》《脚当ての補充兵》など1マナと言えど侮れない味わい深いカードを持ってこれる。さらに《薄暮薔薇の聖遺》や《縫い目破り》などの除去系パーマネントを引っ張ってこれるのも便利だ。《フェニックスの尾》のように機械巨人を使いまわせて、状況によっては除去にもなる選択肢もあったりで、たかが1マナされど1マナなのである。これら2枚をサーチできれば戦況も大きく変わることだろう。

 

 『久遠の終端』からこのデッキに加わったカードは《溶かし歩きの消散》!機械巨人のサーチ候補だ。このオーラが付けられたクリーチャーはタフネスが上昇し、クリーチャー1体でしかブロックされなくなる。タイマン上等という強化を与えるわけだが、それだけでなくこれが戦場に出た時、貼り付けているクリーチャーと対戦相手のクリーチャーに格闘を行わせるという疑似的な除去でもある。このオーラを《養育するピクシー》で回収し、連続して格闘するなどのアクションも面白い。

 

 《コスモグランドの頂点》もまたこのアーキタイプを強化。1マナのカードが2枚手に入るということは、同一ターンに複数のアクションを行えるということ。2回呪文を唱えるという《コスモグランドの頂点》の誘発条件も簡単に満たすことができるというわけだ。これによりトークン生成やカウンターばら撒きがスムーズに行え、盤面を強化できる。また盤面の強化と言えば《ウロボロイド》がシンプルにして非常に強力。自身のパワー分全クリーチャーにカウンターを乗せて一気にクリーチャー群を成長させ、勝負を終わらせる。「セレズニア・ギアハルク」はセットが出るたびに収穫の多いデッキなのだ。

 

 さて、ギアハルクデッキが『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』からどんな新カードを戦力として迎え入れられるのか?探ってみよう。機械巨人から手札に加える1マナのクリーチャー・アーティファクト・エンチャントでフィルターにかけてみると、目に留まるのは《家賃を払え》。このエンチャントは、ターン終了時にクリーチャーや法網の組み合わせを2つタップすることで、1ドローを行える。本来1マナをサーチする機械巨人から、別のマナ域のカードが手に入るチャンスだ。2ターンに渡り誘発させられれば、枚数の面でもアドバンテージを得られる。

 

 1マナクリーチャーは選択肢が数少ないが、《放射線を浴びた蜘蛛》は到達に接死持ちで優秀なブロック役になれる。相手に厄介な飛行クリーチャーがいる時はこの蜘蛛を壁役に。そうでない場合でもこの蜘蛛をサーチする価値はある。この蜘蛛を生け贄にして蜘蛛・英雄のクリーチャーをサーチ!

 サーチに次ぐサーチから持ってくる候補として、スパイダーマンら伝説のクリーチャーらが選択肢となるが、その中でも個人的に気になるカードは《ウェブ紡ぎ、シルク》。緑白のクリーチャーとなったシルクは、クリーチャー呪文を唱えるたびに市民・トークンを生成して頭数を増やす誘発型能力と、全体を強化する起動型能力を持つ。クリーチャーを横並べするデッキにはもってこいな能力で、ウェブスリングを利用すれば計3マナでも展開も可能。その使用感を確かめてみたい1枚だな。

 プレイヤーの大好きな、カードを探して手札に加えるという行為。これを一度に2枚分ももたらしてくれる《輝晶の機械巨人》を用いるデッキは、今後も楽しいゲーム体験を提供してくれるだろう。サーチ系デッキを使う時はライブラリーのシャッフルが多くなるので、特に大会に出る時にはその点だけは気を付けながら遊ぼう!ライブラリーをランダムにするようしっかりシャッフルしつつも、制限時間を無駄に浪費しないようにスピーディーに行うとか、そういうところをね。

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