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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイ・コントロールにタッチ黒、その理由と新戦力候補!(スタンダード)

岩SHOW


 新環境前に『久遠の終端』スタンダードのデッキを紹介しきっておきたい、というわけで今回はマニアが喜ぶようなリストをピックアップ!

4色コントロール - 「Xsper」
Magic Online Standard challenge 32 第13位 / スタンダード (2025 年9月4日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
3 《聖なる鋳造所
3 《神無き祭殿
4 《フラッドファームの境界
4 《リバーパイアーの境界
2 《サンビロウの境界
2 《行き届いた書庫
2 《轟音の滝
2 《薄暗い裏通り
1 《湧霧の村
-土地(27)-

2 《マラング川の執政
-クリーチャー(2)-
4 《喝破
3 《三歩先
1 《最後の決戦
1 《炎魔法
4 《稲妻のらせん
3 《失せろ
2 《古代魔法「アルテマ」
4 《不可避の敗北
4 《星間航路の助言
1 《食糧補充
1 《神秘の指導
3 《ジェスカイの啓示
-呪文(31)-
2 《領事の権限
1 《炎魔法
1 《瞬間凍結
2 《真昼の決闘
2 《否認
2 《ティシャーナの潮縛り
2 《安らかなる眠り
1 《極悪非道の盗人
1 《終止符のスフィンクス
1 《冷静なスフィンクス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 こちらは……インスタントとソーサリーがデッキの半分を占める、コントロールに偏重したデッキだ。このデッキに短期決戦という文字はない、ズルズルとロングゲームに引きずり込んで勝つ、マラソンを仕掛ける超長期戦デッキだ。土地が27枚と多めなのもそれを象徴しており、毎ターン土地を置いて7、8マほど揃った状態で戦うことを狙っていることが読み取れる。《喝破》や《稲妻のらせん》などのインスタントで確実にプチプチと潰し、《炎魔法》《古代魔法「アルテマ」》などでザザーッと流す。対戦相手のクリーチャーやその他の呪文に対して、こうした1:1や1:複数交換を繰り返し、減った手札は《星間航路の助言》《食糧補充》で補充。こうしたやりとりを続けていけば、対戦相手とこちらのリソースの差は開くことに。

 最終的にほぼ無力化された対戦相手を最小限の力で倒すという、そんなデッキの特性から勝つためのカードは極力抑えた構成に。前兆呪文でインスタントのドローとしても使える《マラング川の執政》と、そして青赤白の3色を使うデッキに許された特権、超パワーカードの《ジェスカイの啓示》!カード1枚でパーマネントor呪文のバウンス、4点ダメージで本体を削るかクリーチャーなどの除去、果敢持ちのモンク2体、2枚ドロー、4点回復……これを唱えられればゲームはこちらに大きく傾くことに。最高に気分が良くなるこのインスタントを使いたいがために作られたデッキと言っても過言ではない。

 

 青赤白のジェスカイカラーのコントロールデッキなわけだが、現スタンダードにはこれに黒を足したものが見られる。黒を足すことで用いることができるカードは……まずは《神秘の指導》。インスタントや瞬速を持ったカードを探してきて手札に加えるもので、これ自体は青単色の呪文だが、フラッシュバックコストには黒マナが含まれている。1回唱えただけでは手札1枚を別のものと交換するだけで、それでも有用だが得をしたいならフラッシュバックしてナンボというわけだ。2回目のコストは重いが、長期戦に見事に引きずり込めばこれを唱える隙も訪れるはず。《ジェスカイの啓示》に繋げれば勝利は目の前だ。

 そして除去の枠にはジェスカイとは別の氏族の強力呪文《不可避の敗北》!名前が頼もしいこのインスタントは打ち消されず、土地でないパーマネントを追放しながら対戦相手のライフを失わせた上にこちらは3点回復する。強いことは書いてあるが使うデッキが…というタイプのカードで、これをジェスカイに黒をタッチして使うというアイディアには膝をついた次第。確かに理にかなってるよね、ライフを保ちながら相手の最強のパーマネントを狙い撃ち。打ち消しや護法を無視できるというのも現スタンダードの環境に合っており、対戦相手の計算を大きく狂わすことができるだろう。

 

 このようなコントロールデッキが『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』から得る新カードはどのようなものになるだろう?

 まずはモード付きのインスタント、《苦悩する学生生活》。ピーター・パーカーは正体を隠してスパイダーマンとして活動している。コミックスのシリーズによっては彼の本業は学生であり、優秀な生徒ではあるのだが……スパイダーマンとしての自警活動を優先すると、学業に打ち込む時間が無くなる……ピーターとしての生活とスパイダーマンとしての使命、どちらを優先するかという苦悩に満ちた生活を送っている。学業優先で宿題をするモードを選べば3枚ドローで手札が一気に増える。ヒーローとして悪と戦うモードを選ぶと、呪文1つを打ち消しながら1枚ドロー。相手の動きを妨害しながら手札の枚数が減らないため、これはこれで有用なモードだ。こういうアドリブが利く1枚をデッキに忍ばせておくと色々安心。

 さらに全体除去の新作《悪逆な怒り》はクリーチャーの数だけ相手のライフを減らし、その後それらを全部破壊する。《不可避の敗北》や《稲妻のらせん》などの飛び道具でジワジワライフを削って、全く攻撃していないのに相手のライフがほとんどないという状況を作りだせるかもしれない。

 

 スパイダーマンをテーマとしたセットなので、折角だから魅力的なキャラクターも使ってみたいところ。英雄達も気になるところだが、スパイダーマンという作品は悪人が放つ輝きも見逃せない。《マスタープランナー、ドクター・オクトパス》などは実に使ってみたくなる能力の持ち主。ドクター・オクトパスことオットー・オクタビアスはもともとは善良な科学者だったが、危険物を操作するために金属製の4本のアームを装着して実験を行っている際に、事故に遭い……強力なアームを自在に操り、その頭脳を用いて悪事を計画するスパイダーマンの宿敵の一人となった。

 そんなドック・オクをカード化したこのクリーチャーは……悪人を大きく強化する能力を持っているが、それはコントロール的にはあまり関係ないものではある。肝心なのは後の能力で、手札の上限が8枚に+ターン終了時にその上限に達するまでカードを引くという、パワフルなアドバンテージ獲得能力を持っている。極端な話、手札が空であれば8枚ドロー!スパイダーマンを苦しめ続けた悪の科学者は、尽きない手札で対戦相手を圧倒する!この驚異のドローは一度は体験しておきたいものだね。

 クリーチャー主体のセットである『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』だが、コントロールデッキはこのセットの影響を受けるだろうか?その答えは……自分自身の手でカードを使って確かめてみよう!

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