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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!白単が得る新戦力(スタンダード)

岩SHOW

あのスパイダーマンがやってくるッッ!

 マジックと他のコンテンツとのタッグとなるセットはユニバースビヨンドと括られている。2025年は3つのユニバースビヨンドのリリースが予定されており、しかもいずれもスタンダードで使用可能な、本流とされるセットである。先にリリースされた『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』は最高に刺激的なセットだった。マジックプレイヤー、引いてはスタンダードプレイヤーの増加にも大きな効果があったに違いない。『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』もこれまたスタンダードの注目度を大きく引き上げるものとなるわけで、どんなカードやデッキが活躍するのか、ワクワクと情熱が止まらない。

 スタンダードをこよなく愛するプレイヤーに向けてスタンダードのデッキを熱く語り、ともにこの道を歩もうというとことん!スタンダー道のコーナー、今回はスパイダーマン参入後のデッキへのイメージを膨らませよう!

Inaba Konan - 「白単コスモグランド」
『久遠の終端』ストアチャンピオンシップ トップ4 / スタンダード (2025年8月31日)[MO] [ARENA]
19 《平地
1 《魂の洞窟
2 《噴水港
2 《魂石の聖域
-土地(24)-

4 《ひよっこ捜査員
2 《養育するピクシー
1 《ザックス・フェア
4 《勝利の楽士
4 《コスモグランドの頂点
4 《永劫の無垢
2 《肌裂けの人形
3 《星原の番人
-クリーチャー(24)-
4 《縫い目破り
3 《失せろ
2 《破片魔道士の救出
3 《嵐の討伐者、エルズペス
-呪文(12)-
2 《領事の権限
2 《審判の日
2 《敬虔な命令
1 《悪魔祓い
2 《没収の強行
2 《跳ねる春、ベーザ
1 《不屈の屑鉄ボット
3 《除霊用掃除機
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 まずは既存のデッキリストより、白単色のクリーチャー主体デッキだ。単色デッキというのはとことんその道を極めている人が使っているイメージが強いよね。どんな環境でも緑単、こだわりの青単、そんな名物プレイヤーがいるとスタンダードコミュニティにも活気があるなと感じるよ。さてこの白単、決め手となるカードは《コスモグランドの頂点》だろう。同一ターンに2回の呪文を唱えることで能力が誘発、トークン2体を生成か全自軍に+1/+1カウンターを乗せるかを選ぶ。クリーチャーの頭数が少ない時、数は揃っているが打点が足りない時の両方に対応できる器用なパワーカードで、素のタフネスも4と高めなのも強み。能力誘発で3/5となればかなり硬い。トークンであれカウンターであれ、最低限一度は能力の恩恵を受けておきたいので、理想的なのは4ターン目に頂点+1マナのカードという動き。

 これをスムーズに行えるようにサポートしてくれるのが《星原の番人》!《平地》か1マナ以下のクリーチャーを手札に加えるサーチ能力を持ち、ワープであれば2マナで唱えられる。これで1マナクリーチャーを確保しておき、頂点を出したターンにそのまま2回目の呪文を唱えるというムーブを可能にする。シンプルに土地が詰まった時の事故回避にもなり、ワープ後も唱えられればカード1枚で2枚分働きつつ3/2飛行も出てくると、かなり使い勝手の良い天使だ。

 

 上記の新戦力に加えて、白ならではのカードで盤面を構築、派手さはなくともしぶとさが売りで確実に勝利に向かっていくタイプのデッキだ。ほとんどのクリーチャーのパワーが2以下なので《永劫の無垢》でドローが可能。この無垢は打ち消したり追放したりしない限りは死亡しても戦場に戻るしつこいヤツで、絆魂を持ちライフを支えるためのブロック役としても地味ながら優秀。

 この無垢はトークン生成カードとも相性が良く、それを行うカードがいつくか採用されている。《勝利の楽士》は攻撃時に2体のトークンを生成、これらはそのターンこっきりの使い捨てになるが2マナのクリーチャーで継続的にトークンを生成できて、パワーも実質3相当なら言うことなし。しかも対戦相手はこちらのターンに呪文を唱えられないので、ディミーア(青黒)やイゼット(青赤)のようなインスタント除去などで妨害してくるデッキに対して大きな抑止力となってくれる。楽士などが生成するトークンを《嵐の討伐者、エルズペス》で倍増させ、それらを強化しながら飛行を与える……という具合に動ければ理想のフィニッシュ。

 さて、今回はこのリストのように白いデッキに採用できそうな『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のカードをチェックしてみよう。まずはすべての始まりであるこのカード……

 

 《スパイダーマンの原点》!Ⅰ章の能力でまずは蜘蛛が生成される。《永劫の無垢》や《世話人の才能》でドロー、《嵐の討伐者、エルズペス》でトークン倍増などこの時点で相性の良いカードがすぐさま挙がる。Ⅱ章ではクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ乗せ、それを伝説の蜘蛛にする。スパイダーパワーを得てスーパーヒーローとなった過程が表現されている。そしてⅢ章ではクリーチャー1体に二段攻撃を与える……飛行持ちなどに使って大ダメージに繋げたい。今回紹介したリストは、受ける展開も得意だがコントロールというわけではなく自分から戦力を展開して戦う側面が強いデッキだ。ゲームが長引くよりはスムーズに終わるに越したことはない、打点を引き上げる能力は大歓迎というところだ。逆にコントロール寄りのリストではなかなかこの英雄譚の真価は引き出せないかもしれない。

 

 続いては直球なカード名の《家賃を払え》。このカードでアドバンテージを発生させるには2回以上の家賃を支払う必要があるが、じっくりと確実に手札をもたらすので長期戦の耐性は上がる。ただクリーチャー2体を常にタップすると考えると、バチバチの殴り合いになるようなマッチアップでは首を絞めかねない。1マナという軽さは魅力的であり、同じような速度感のデッキ相手に手札を切らさずに戦うためのサイドボードとして、良い仕事をしてくれるかも。

 

 最後にピックアップするのは《恐ろしき癒し手、アンチヴェノム》!アンチヴェノムは白マナ5つを要求する、白単でしかまともに唱えられないコストを誇る。その色マナ拘束の強さに見合うようにカードパワーも高く、墓地から何の制限もなくクリーチャーを戦場に戻す強力なリアニメイト能力と、ダメージを受けずに逆に強化されるという戦闘を有利にする能力とを所持している。これを運用できれば、ゲームの主導権を握ることができるだろう。白単のみの特権ともいえるようなカードで、ビジュアルも最高に格好よく使ってみたいと強く思わせる神話レアだ。

 

 白は法や秩序、正義を司る色であるため、『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』ではスパイダーマンと彼に密接にかかわりのあるカードの比率が高くなっている。新セットをスパイダーマンの目線で退官したいなら、白いデッキを組むのが手っ取り早いかもね。《スペクタキュラー・スパイダーマン》はスパイダーマンのありとあらゆるコスチュームのバージョン違いが用意されており、コレクターアイテムとしても最高だ。

 さあ、スタンダードに新たな、そして最高な刺激が加わる。こんな環境、遊ばない手はないって!とことんスパイダーマンの世界を味わい尽くそうぜ。

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