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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:土地1枚から何マナ出せる?カーン・フォージ(レガシー)

岩SHOW


 マジックはマナを用いて呪文を唱えたり能力を起動したりする。マナは非常に重要なファクターだ。マナは基本的には土地の能力によって加えて、それを使用する。使えるマナを増やすためには土地を多く並べる……あるいは、複数のマナを加える土地を使うと良い。

 

 無色マナではあるが、土地1枚から2マナを加えられる、通称2マナ土地。今から四半世紀以上前のセットに収録された《古えの墳墓》《裏切り者の都》をこう呼び、今でもエターナル環境にて用いられている。墳墓はコントローラーに2点ダメージを与え、都は他の土地を戦場に出すと生け贄に捧げるという、それぞれにデメリットが設けられている。しかしそれらを加味しても、土地1枚から2マナ得られるということはこの上なく強力なムーブ。無色マナであるとはいえ、1ターン目に2マナ出せればそこから《虚空の杯》を唱えるなど、最高の1ターン目を迎えられる。2マナ土地はクールすぎる……

 

 いやいやまだまだ、2マナで満足しても良いけどもどうせならもっとマナがあった方が嬉しいじゃないか。《ウルザの塔》は無色マナ3つを加える、驚異の3マナ土地。しかしこれには勿論条件があり、他に「ウルザの・鉱山」「ウルザの・魔力炉」というタイプを持った土地をコントロールしている必要がある。条件付きとはいえ、満たせばマナが爆発。条件達成前でも1マナは加えられデメリットはない。《ウルザの塔》から3マナ得る瞬間ほどクールなことは……

 

 上には上というものがある。3マナで足りるのかい?もっともっとマナが欲しければ《ウルザの作業場》を使おうぜ。金属術──アーティファクトを3つコントロールしている必要はあるが、自身がコントロールしている「ウルザの」タイプを持つ土地の数だけの無色マナを加えられる。4マナ以上、塔を超えるマナも得られる可能性あり。この作業所からマナを捻出して無色のカードをプレイする時、得も言われぬクールさに包まれるだろう……というわけでマジックのクールなカードやデッキを紹介し、マジックというコンテンツのクールさに浸る今週のCool Deck。今回は無色マナを大量に生み出す土地を使ったレガシーのデッキをピックアップ!

Milano Closterman - 「カーン・フォージ」
German Open League @ Fantasy Stronghold トップ8 / レガシー (2025年8月23日)[MO] [ARENA]
4 《古えの墳墓
4 《次元の結節点
4 《ウルザの物語
4 《ウルザの塔
4 《ウルザの作業場
-土地(20)-

4《まばゆい肉掻き
-クリーチャー(4)-
4 《コジレックの命令
4 《水蓮の花びら
1 《オパールのモックス
4 《厳かなモノリス
1 《玄武岩のモノリス
1 《Candelabra of Tawnos
4 《一つの指輪
2 《神秘の炉
4 《多用途の鍵
3 《通電式キー
1 《影槍
1 《真髄の針
1 《攪乱のフルート
4 《大いなる創造者、カーン
1 《嵐の目、ウギン
-呪文(36)-
4《虚空の力線
2《四肢切断
1《罠の橋
1《液鋼の塗膜
2《精神壊しの罠
1《マイコシンスの格子
1《神秘の炉
1《パラドックス装置
1《危険な罠
1《歩行バリスタ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このデッキは「カーン・フォージ」と呼ばれるアーキタイプ。《大いなる創造者、カーン》と《神秘の炉》(フォージ)がキーカードのデッキで、これらがもたらすアドバンテージで対戦相手を圧倒するのを狙う。これらのカードは無色の4マナ、これらを《古えの墳墓》をはじめとする、効率よくマナを生産する土地から叩きつける。カーンの能力でサイドボードのアーティファクト……《液鋼の塗膜》《マイコシンスの格子》を引っ張ってきてロック状態に持ち込んだり、《神秘の炉》や《一つの指輪》を《多用途の鍵》《通電式キー》でアンタップして物量で勝負したり…無色のデッキと言えども非常に強力なムーブを備えている。この手のデッキは愛好するプレイヤーが一定数おり、レガシーの手のデッキと異なる風貌がクールなアクセントとしてこのフォーマットを盛り上げている。

 

 さて、2マナランドは良いとして……《ウルザの塔》は《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》と並べなければ機能しない、早いターンに3マナ得るのは難しいのでは?とお思いかもしれない。その点、現レガシーのデッキは抜かりなし。《次元の結節点》を使えば良し。これは基本でない土地のタイプをすべて持っている。なので「ウルザの・鉱山・魔力炉」という条件をこれ1枚でクリアし、結節点と並ぶだけで塔は本気モードとなるのである。この結節点や《ウルザの物語》と並ぶことで《ウルザの作業場》も大量の無色マナを供給してくれるだろう。

 そして《ウルザの物語》といえば、{1}のアーティファクトをサーチできる。これで持ってくるカードは《多用途の鍵》《通電式キー》《真髄の針》《影槍》と用意されているが、もっとも豪快でクールな1枚は《Candelabra of Tawnos》!この古の時代の燭台は、土地をX枚アンタップする。このデッキのウルザ土地らをまとめてアンタップすれば、凄まじいマナ加速になるだろう。マナさえあれば何でもできる、マナの暴力であらゆるデッキを押し潰す。

 

 無色マナしか供給できない土地は、色マナを加えられるものに比べて劣るようにも見えるが……色がないことは何も欠点だけではなく、利点でもある。無色マナでしか支払えないシンボルを持つエルドラージらを唱えるには、むしろ無色マナを供給する土地が不可欠だ。このリストでは《まばゆい肉掻き》が唯一のクリーチャー・カードだ。この得る⒟ラージは無色の呪文を唱えると落とし子・トークンを生成。0/1で無力なものではあるが、これ自身がまたマナになるため、肉掻きがいる状況で《神秘の炉》を設置してガンガンと無色の呪文を連打する動きは理にかなっておりとてつもなくクールだ。肉掻きは落とし子が戦場に出ることで1点のダメージを対戦相手に与えるため、炉とのコンビネーションは単に手数を稼ぐだけでなくフィニッシュムーブにもなり得る。

 《コジレックの命令》と肉掻きの組み合わせはそれだけでゲームに勝ててしまえる、このデッキの特権だ。マナが有り余っていれば大量の落とし子を生み出し、それらをマナに変換して次なる命令に……と悪夢の連鎖反応を狙うべし。《コジレックの命令》は序盤を耐えるための除去でもあり、キーカードを探す占術&ドローも行える。無色系のデッキが他のデッキに対して誇れる、クールすぎるインスタントだ。

 1枚の土地から複数のマナ、どんな時代でもプレイヤーはこのロマンを追い求めている。レガシーの無色土地たちはそれを叶えてくれるクールな存在。対戦相手が1・2マナしか使えないターンに自分は何倍ものマナを使って悠々と動く、その優越感に浸ってほしいね。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Add so many mana!!

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