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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

限定構築からスタンダード……新たな飛躍には「鳥」デッキがオススメ!(スタンダード)

岩SHOW


 皆、家の周りに自然はあるかい?ほんの少しでも緑、大きくなくとも池などがあれば、そこには……鳥の姿が見られるはずだ。近所の公園など、侮ってはいけない。僕も何気なく買い物の時に通り過ぎていた公園を、鳥を意識して歩くと……何気ない柵にカワセミがとまっていたり、バンという水鳥が巣を作り子を育てていたりと、鳥に関する発見が多数。鳥は人間が作った環境にも適応しやすい種もおり、人の近くで密かに暮らしていたりするのだ。というわけで最近バードウォッチングが趣味の一つになった岩SHOWでございます。今回はある友人からのリクエストをいただいた。

 「『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』で興味を持って、同セットのカードのみを使った限定構築でマジックを初めたプレイヤーにとっつきやすいスタンダードのデッキを教えて!」

 とのこと。なるほど、確かにこの夏FF限定構築が各ショップでも開催され、特にこのセットで興味を持ってマジックデビューを果たしたプレイヤーを中心に盛り上がったという話は耳にしていた。限定構築イベントが終わり、次なるセット『久遠の終端』もリリースされてある程度の時間を経た今、次はスタンダードに移行する時という……そんなタイミングに差し掛かっている方が多数いらっしゃることかと。そんな皆さんにオススメするデッキ……あるとも!鳥だ!スタンダードでバードウォッチングの始まりだ!

Adrikmtg - 「バント(緑白青)鳥」
Magic Online Standard Challenge 32 トップ8 / スタンダード (2025年8月18日)[MO] [ARENA]
4 《繁殖池
2 《フラッドファームの境界
3 《ハッシュウッドの境界
3 《魂の洞窟
4 《寓話の小道
3 《平地
1 《
3 《
-土地(23)-

4 《サッズのヒナチョコボ
4 《癒し手の鷹
4 《マネドリ
4 《渓間の冒険呼び
4 《旅するチョコボ
3 《エイヴンの阻む者
2 《バッツとボコ
-クリーチャー(25)-
2 《薮打ち
2 《失せろ
4 《まばゆい拒絶
4 《サブクエスト:チョコボ育成
-呪文(12)-
2 《呪文貫き
3 《ティシャーナの潮縛り
1 《エイヴンの阻む者
3 《幽霊による庇護
2 《免れぬ激突
2 《失せろ
1 《除霊用掃除機
1 《安らかなる眠り
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードの緑白青、バントと呼ばれるカラーリングの鳥デッキ!鳥は環境適応能力が高いからか、ありとあらゆる多元宇宙の次元に生息しており、非常に多くのセットに撮りカードが収録されている。中でもFFはチョコボという同シリーズのトレードマークの鳥種族がいるため、主要なタイプの1つとして扱われている。

 チョコボの中でも《サッズのヒナチョコボ》と《旅するチョコボ》はスタンダードの上陸系デッキでもお馴染みのカード。土地が戦場に出るとサイズアップするヒナチョコボは1マナと軽く、早いターンに出して《寓話の小道》を絡めて成長させればエース級のアタッカーに急成長。《旅するチョコボ》はこの上陸能力をおまけで誘発させ、ライブラリーの上から土地をプレイすることでアドバンテージももたらす。上陸デッキの核をなすこれらのカードは鳥デッキでも重要なパーツだ。

 

 《旅するチョコボ》はチョコボの仲間をサポートするデザインになっている。土地だけでなくライブラリーの上から鳥もプレイ可能であり、鳥タイプで固めたデッキでは怒涛の展開を呼び込むことも。そして鳥が戦場に出た時に誘発する能力もオマケでもう1回誘発する。これと相性◎なのが《バッツとボコ》!親和で鳥の数だけコストが軽減され、戦場に出るとこのカード以外の鳥が自身のパワー分のダメージを対戦相手のクリーチャーに与える。鳥が並べば並ぶほどお手軽に唱えて、高タフネスのクリーチャーも仕留められるようになる鳥デッキのためにデザインされた1枚だ。この除去能力が《旅するチョコボ》で2回誘発することで、対戦相手のクリーチャー2体を除去して盤面の優位を築ける。

 また鳥をまとめて強化する《渓間の冒険呼び》も面白いチョイスだ。自身は兎ではあるが、鳥を+1/+1修整するロードと呼ばれる強化が、2マナ2/3というコスパ良しなボディに収まっている。さらに鳥などが戦場に出ることで占術が行えてドローの期待値を高められる能力も持つが、これも《旅するチョコボ》で倍誘発することになる。トップの不要なカードをボトムに送りつつ鳥を持ってきて、それを唱えてまたトップ操作……驚異的な展開力をもたらすことだろう。

 

 鳥と言えば白と青に多く見られる種族で、『ブルームバロウ』ではこの色のメイン種族でもある。このデッキも緑のチョコボを軸にそれらの色を足すことで、鳥に関するカードのレパートリーを確保。戦闘面は上記のカードで十分賄えているので、白と青には妨害を期待する形となっている。

 《エイヴンの阻む者》は対戦相手の呪文を追放する。これは解決されずに追放領域に置かれ、つまり何もしないということ。そのカードは計画という状態になり、後のターンからなら唱えられる。本来計画した呪文は{0}で唱えられるが、このエイヴンは追加コストを要求する。この追加コストは計画だけではなく他の形で追放領域から唱えようとしている呪文にも適用されるので、たとえば『久遠の終端』のワープしたクリーチャーの出現を遅らせるなどの作用も。完全に対処できるわけではなく時間稼ぎの妨害だが、1ターン遅らせればそれで十分という場面はいくらでもある。《審判の日》などの除去を追放して、稼いだターンで殴り切ろう。

 より直接的な妨害は《まばゆい拒絶》。鳥をコントロールしていれば{4}支払わない限り呪文を打ち消すという……よっぽど相手が土地を並べていない限りは確定の打ち消しのようなものだ。これをゲームにおいて重要な局面で投げつけ、相手のプランを挫けば……鳥たちの飛翔を止める術はない。自由に空を舞い圧倒しよう。

 

 鳥デッキ、正直なめてかかって「とりあえず大体カードあるしなぁ」とざっくりコピーして回してみると、これがなかなかどうして強い。勝てる上に《旅するチョコボ》を軸とした色んな動きがあって、プレイしていてとても楽しい。チョコボが主体なのでFFからマジックを始めた人にも組みやすいはず。筆者は《マネドリ》など一部揃っていないカードを適当にコモンやアンコモンの鳥と置き換えてみたが、それでも十分にデッキとして機能したし、そういったカードにしかできないミラクルなムーブも決まって「マジック、奥深いなぁ」と改めて実感。まあ気になってくれたなら、実際に組んで遊んでもらえたら嬉しいよ。

 それじゃまた、こんなデッキについて教えてとかリクエストがあればどしどし声かけてね。

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