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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

どう使うんだいこの1枚シリーズ!《武器製造》デッキ(スタンダード)

岩SHOW


 この2025年夏、様々な知人から「マジックはじめたよ」「再開したわ~」などの連絡を受け取った。マジックプレイヤーの一人として、これほど嬉しい言葉もないもんでね。やはり『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の影響が大きかったのだろう、この秋には『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』も控えているのだからなおのことだ。

 『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』は原作ゲームの設定を色濃く反映したカードが中心となったため、それらが初めて触れるマジックのカードでったプレイヤーにとって、『久遠の終端』のカードはどのように映っただろうか?おそらくはどのような仕事をするのかわからないカードも少なからずあったことだろう。このセットは物語の舞台を宇宙に移したこともあり、それまでのマジックのカードと一線を画すテイストのカードも多く収録されることになった。マジックと長く付き合ってきた我々のようなプレイヤーも「これでどうやってデッキを組もうか?」とあれやこれや頭を悩ませられているのだから、初心者はいうにも及ばずだろう。

 

 たとえば《武器製造》。それなりにマジックに触れてきた人間であれば「ああ、あの手のデッキね」とこのエンチャントの活躍の場が浮かぶだろうが……ルールも覚えて直近のカードにも馴染んできて、というタイミングでこのカードを見せられたら「???」となってしまってもおかしくないというかそれが自然なリアクション。トークンでないアーティファクトが戦場に出た時、弾薬・トークンを生成するという能力。この弾薬は戦場を離れた時に2点のダメージを与える誘発型能力を持つ……うん、でもそれって……どうすんの?弾薬はそれ単体では何もしない、戦場を離れる手段を自前で持っていない。何も考えずに「レアを引いたぞ」とこれをデッキに入れたとして、おそらくは数個の弾薬が並んで、それだけで何も起こらないだろう。

 この手のカードはあることに特化したデッキに組み込んでこそ意味がある。弾薬を生成するためにはアーティファクトがデッキの大半を占めるデッキでなくてはならない、そして弾薬で2点ダメージを飛ばすのは……今回紹介するようなデッキでこそ達成できる。

CuteChandra19 - 「ジェスカイ(青赤白)武器製造」
Magic Online Standard Last Chance 4-1 / スタンダード (2025年8月12日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《聖なる鋳造所
4 《尖塔断の運河
4 《リバーパイアーの境界
2 《噴水港
5 《
1 《
-土地(24)-

1 《機械仕掛けの打楽器奏者
1 《煌く機械ドレイク
-クリーチャー(2)-
4 《塔の点火
2 《薄暮薔薇の聖遺
1 《チェーンソー
1 《危険な罠
1 《ピナクルの星檻
4 《氷魔法の秘宝
1 《キャンディーの道標
1 《蒐集家の保管庫
1 《除霊用掃除機
4 《奇怪な宝石
4 《軍団の成形機械
4 《再利用隔室
1 《魔列車
1 《大戦用ガンシップ
4 《武器製造
-呪文(34)-
2 《無効
2 《軽蔑的な一撃
2 《否認
2 《三歩先
1 《除霊用掃除機
2 《洪水の大口へ
2 《岩力制動
2 《灯を追う者、チャンドラ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードのアーティファクトをかき集めた、青赤を中心とした《武器製造》デッキ!弾薬は上手く使えばクリーチャーやプレインズウォーカーの除去は勿論、対戦相手本体にダメージを叩き込んでフィニッシュにも持っていける有用なトークンだ。これを大量に並べて、それを戦場から離れさせるためには《軍団の成形機械》のようなアーティファクトを用いるのが良い。成形機械が戦場に出て弾薬が生成され、そして成形機械はアーティファクトを生け贄に捧げることで3/3のゴーレムを生成する。これに弾薬を捧げることでダメージを飛ばしつつ戦場を固めることが可能というわけだ。

 《軍団の成形機械》以外にも《魔列車》などのようにアーティファクトであり、同時にそれを生け贄に捧げる手段になるカードを詰め込むことで弾薬がバンバンと火を噴くパワフルさと楽しさを両立したデッキとして仕上がっている。

 

 生け贄を行うアーティファクトの中でも、現スタンダードにて存在感を放つ1枚が《再利用隔室》。アーティファクトを餌に、それよりも1マナ重いアーティファクトをライブラリーから戦場に直出しする。これで弾薬を生け贄にして1マナのアーティファクトを引っ張り、弾薬を補充して次なるものに繋げる……《再利用隔室》と最も噛み合う1枚は《氷魔法の秘宝》。戦場に出るか離れるかするとカードを1枚引けるので、弾薬と共に手札も製造して物量負けしない戦いを挑める。

 この秘宝から繰り出す3マナのアーティファクトは……《危険な罠》《ピナクルの星檻》といった除去が中心に。その中でも《大戦用ガンシップ》が個人的にはグッとくる。戦場に出た時にアーティファクトの数だけのダメージをクリーチャーに与えるという能力を持ち、弾薬を並べてカウントを増やせるこのデッキにはまさしく最適な3マナ域。戦場に出た時のガンシップと《武器製造》の能力の解決順を間違えないように気を付けたい。可能な限り大きなダメージを叩き込んで大物を撃ち落とし、小物を弾薬で……と使い分けるのが理想的だ。ゴーレムらを配備してクリーチャー化させれば飛行持ちのパワー4と戦闘面でも活躍が見込めるのがナイス。

回転

 1~3マナのアーティファクトが多数ひしめくこのデッキ、1枚挿しも多数見られて《再利用隔室》からのアドリブが効くように作られている。このリストが気になったなら完コピしても良いし、自分が気になっているアーティファクトを色々とねじ込んでオリジナリティを高めたものを作るのも楽しいだろう。

 どんなリストになろうとも、オススメしておきたい1枚は《奇怪な宝石》。起動型能力のための2マナを加える変則的なマナ加速で、これは《再利用隔室》《軍団の成形機械》とデッキの最重要パーツの能力を起動するためのコストの支払いに充てられる。これによりタイムラグを極力抑えながらアーティファクトの生け贄が可能となり、特に序盤において隙の無い立ち回りが可能に。特に対アグロデッキにはこの2マナがあるかないかが勝敗を分けるものになるので、《奇怪な宝石》でスムーズな動きが出来るように仕上げるべし。

 《武器製造》のような使い方が分かりにくいカード、どんなデッキで使うべきかわかったかな?それじゃ他にも謎に満ちたカードがあったなら、ぜひリクエストしてちょうだいね!

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