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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:謎かけ屋、ハリーヤ……ワープとブリンク(モダン)

岩SHOW


 マジックのクールさを世界に広めるため、今日もクールなカードやデッキを追い求める……今週のCool Deck。さて今回は……『久遠の終端』がもたらした新能力、ワープについて。ワープは代替コストで、クリーチャーが持つ本来のコストではなくそれを支払って唱えられるという能力。ワープは本来のコストよりも軽く、早く戦場に出せる。その反動もあってか、ターン終了時には追放される。追放された後はその領域から唱えられるため、亜光速で移動してきて最初は映像だけがニューンッと、その後本体が遅れて実体化するみたいな……何と表現していいのかわからないが、SF映画でよく目にするクールなアレをカードで再現したのがワープという能力だ。

 

 ワープを持つクリーチャーの中でも《量子の謎かけ屋》はまさしくSF世界のバケモノというビジュアル。戦場に出るとカードを1枚引けて、ワープでなら2マナで出せる。序盤にとりあえずワープで出して、土地などを引き込んで事故を回避できるのが有難く、またこのスフィンクスは手札が1枚以下の時に引けるカードがプラス1されるため、額面よりも多くの手札を供給してくれる。スフィンクスらしく飛行持ちで4/6というサイズも頼もしい。歴代神話レアスフィンクスの中でもクセがなく、非常に扱いやすい1枚だ。このクールな量子世界の怪獣を上手く使うクールすぎるデッキを追い求め……我々はモダンの銀河へとワープした。

Ghost11157 - 「アゾリウス・ブリンク」
Magic Online Modern League 5-0 / モダン (2025年8月11日)[MO] [ARENA]
4 《溢れかえる岸辺
4 《乾燥台地
1 《湿地の干潟
4 《神聖なる泉
2 《行き届いた書庫
3 《平地
1 《
-土地(19)-

4 《魂の導き手
4 《オセロットの群れ
3 《マネドリ
4 《溌剌の牧羊犬、フィリア
3 《光に導かれし者、ハリーヤ
3 《魔女の結界師
4 《孤独
4 《量子の謎かけ屋
4 《星原の番人
-クリーチャー(33)-
1 《冥途灯りの行進
1 《スレイベンの魔除け
2 《静牢
4 《儚い存在
-呪文(8)-
1 《塔の長官、ボロミア
2 《鳴り渡る龍哮の征服者
4 《記憶への放逐
2 《空の怒り
2 《耳の痛い静寂
2 《安らかなる眠り
2 《夢を引き裂く者、アショク
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 モダンにはブリンクを主軸としたデッキがある。ブリンクとはクリーチャーなどのパーマネントを一時的に追放し、その後戦場に戻す動きのこと。このブリンクにも追放して即座に戻すものや、ターン終了時に戻ってくる時間差つきのものまで種類はあるが、まとめてブリンクだ。このブリンクは除去や戦闘で死亡しそうなクリーチャーを回避させて戦場に残したりする防御的な側面と、パーマネントが戦場に出た時に誘発する能力を使いまわすという能動的な側面を備えている。ブリンクがテーマのデッキはその後者で、《孤独》や《魔女の結界師》のようなクリーチャーを使いまわして盤面の遊里を築くことを狙っている。《溌剌の牧羊犬、フィリア》で攻撃して誘発する能力だったり、《儚い存在》で対象にすることでブリンクするわけだが……実はこのブリンクはワープと相性抜群。

 クリーチャーは追放されることで、それ以前に戦場にいたものとは別のオブジェクトとして扱われる。一度追放された時点でワープで出したという事実は事象の彼方に消え去り、追放領域から戦場に戻ったワープ持ちはそのまま戦場に残ることになるのだ。上記のカードで《量子の謎かけ屋》をブリンクしてスピーディーに戦場に送り出す。これにより低コストで高性能な航空戦力を確保し、しかも合計で2枚(あるいはそれ以上)カードを引いている……最高にクールなワープ×ブリンクデッキがモダンにはある。

 

 謎かけ屋以外にもワープ持ちを採用しているのがこのリストの特徴だ。《星原の番人》は《平地》か1マナ以下のクリーチャーを手札に加えられる。これもまたブリンクすることで手札をガッツリと満たしてくれる飛行持ち。モダンの1マナクリーチャーと言えば……《魂の導き手》!《オセロットの群れ》!エネルギーデッキの中心になっている白の1マナ域を引っ張ってこれるのだ。これはかなりクールだ、導き手でライフやエネルギーを得てクリーチャーの強化も出来る。

 そしてこのライフというのがまたクールなポイントで、このリスト最後のワープ持ち《光に導かれし者、ハリーヤ》は同一ターンに3点以上のライフを得ていればカードが引ける。導き手と同様にクリーチャーが戦場に出ることでライフを得る能力も持っており、ワープコストは驚愕の白マナ1つ。ハリーヤ自身をブリンクしても良いが、どちらかというとブリンクでガチャガチャやっている横で1マナで出してカードを引き、また後から唱えて出して戦場に定着させるという動きが強そうだ。何せ本体も3マナとさして重くもないしね。ワープだブリンクだと繰り返し、クリーチャーの出入りが激しいデッキにハリーヤはこの上なくクールにフィットする1枚だ。

 ワープという新能力は単体でも便利で、様々なカードとの組み合わせでさらに光るクールなもの。対戦相手を置き去りにして、宇宙の向こう側までぶっちぎろう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Warp and blink!!

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