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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!じっくりまったりコントロール(スタンダード)

岩SHOW

お盆休みがキタキタキタァ!

 夏休み、お盆休み、どんな感じで過ごしている(いた)だろう。今年は特に予定もいれていないので、無理してどこか行かずにゆっくりまったり過ごそうかなぁ。そんな時にこそマジック、スタンダードが我々にはある。ちょっと近くのカード屋さん、あるいは自分や友人の家で気軽に遊べるのがマジックの素晴らしいところ。じっくりのんびり遊べば良いさ。スタンダードをとことん遊び、この道を歩み続けるのがスタンダー道。今回はじっくり時間をかけてゲームを行う、コントロールデッキのお話だ。

 

 コントロールデッキと聞くと「白青」の2色が浮かぶ人も多いはず。それはなぜか?直近のスタンダードでもそうだが、このカラーリングがアゾリウスと呼ばれるようになるずっとずっと前……それこそスタンダードというフォーマットが確立されるか否かのようなタイミングから、コントロール……即ち対戦相手の思い描いたゲーム展開をさせない、妨害して生き延びて長期戦を制する類の遅いデッキは、この2色で作られることが主流だった。

 白はパーマネントの種類を問わず対処できる色であり、《神の怒り》のようなクリーチャー除去に長けている。今の環境で言えば《審判の日》とかね。そして青は打ち消しにより、クリーチャーなどのパーマネント以外のものにも対処が可能。呪文が解決されずに墓地に置かれる打ち消しは最大の防衛手段である。これだけで完封することは難しいので白の力を借り、白だけではパーマネントでない呪文には手こずるので青の支えが心強い。

 お互いの良いところが噛み合うこのカラーは、古来よりコントロールの象徴として把握され、今日でもそれは変わらない。そんな歴史ある白青2色のコントロール、その最新モデルをチェックしてみよう!

bolov0 - 「アゾリウス(白青)コントロール」
Magic Online Standard Showcase Challenge トップ8 / スタンダード (2025年8月10日)[MO] [ARENA]
4 《フラッドファームの境界
4 《行き届いた書庫
2 《不穏な投錨地
2 《噴水港
2 《解体爆破場
6 《平地
6 《
-土地(26)-

2 《マラング川の執政
2 《ミストムーアの大主
-クリーチャー(4)-
4 《星間航路の助言
2 《食糧補充
4 《縫い目破り
4 《失せろ
2 《ピナクルの星檻
3 《審判の日
1 《古代魔法「アルテマ」
4 《喝破
1 《否認
3 《三歩先
2 《嵐の討伐者、エルズペス
-呪文(30)-
2 《無効
1 《悪魔祓い
1 《瞬間凍結
2 《敬虔な命令
2 《安らかなる眠り
2 《ティシャーナの潮縛り
2 《勝利の楽士
2 《跳ねる春、ベーザ
1 《ミストムーアの大主
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 《審判の日》《失せろ》などでパーマネントを捌き、それ以外の呪文や戦場に出ることでややこしくなるものは《喝破》《三歩先》などで打ち消し、青い呪文で手札を補充。長期戦にズルズル引きずり込んで、打ち負けない。マラソン勝負が得意な伝統的コントロールだ。生き延びるために必要な白い除去、そこは夏のローテーションで失ったものあるが、しっかりと『久遠の終端』で代わりになるカードが登場。

 《縫い目破り》はかつての《ポータブル・ホール》を思わせる1マナの除去。2マナ以下の土地以外のパーマネントを追放するエンチャントで、これが戦場を離れると追放しているカードは戻ってくる。確実に仕留めきれるカードではないが、1マナという軽さにあまり多くを求めすぎてもいけない。後に何かでこれを破壊などされて追放したものを取り戻されたとしても、それなりのターンを稼いでいるしカードを使わせたなら問題ないのだ。それにトークンを追放した場合は、それが戻ってくることなど恐れなくとも大丈夫。

 また同じく追放するタイプの置き物である《ピナクルの星檻》は2マナ以下のクリーチャーとアーティファクトをまとめて閉じ込める。エンチャントに触れないというのは、先ほど取り上げた《縫い目破り》と共存させられるという利点でもある。このピナクルは追放したカードをまとめて墓地に送り、その枚数分だけのロボットを生成する。ブロック役やフィニッシュにも持ちることが可能なトークンで、コストは重いが隙があれば狙ってみる価値あり。これらの除去で序盤から攻めてくるデッキへの耐性もしっかり持っており、安心してコントロールという受動的なアーキタイプをプレイできる。

 

 コントロールの大動脈はドローやカードを手札に加えるなどのアドバンテージ源。相手のカードにいちいちカード1枚を使って対処していては、同じペースで手札が減っていく。それだとこちらが要らない土地などを引いている間に対戦相手が立て直してやられてしまう可能性が高い。なのでカード1枚を2枚以上の手札に変換し、しっかりと増やしながら戦っていくことが重要になる。コントロールはその特性上、ゲームに勝つためのフィニッシャー役が少なめに採用されるのもあり、ドロー呪文はそれらにアクセスする役目も担っている。

 そんな重要なスロットを《食糧補充》と共に埋めているのがこれまた新カード《星間航路の助言》!2マナでライブラリーの上からいくつかカードを見て手札に加える、よくあるタイプのインスタント。その見る枚数は自身の土地の数を参照する。2ターン目なら2枚しか見れないため平均以下だが、ターンが進めばその威力はグングンと高まる。そしてキッカーコストを支払えば、手札に加えるカードは2枚に。ターンが進めば《食糧補充》よりも多くの枚数が見れて手札が増えるインスタントとして運用が可能に。いざという時には序盤に唱えて土地などを探し、最初の山を乗り越えて余裕ができれば、勝負を決定づけるアドバンテージ源として用いよう。かなり使いやすいカードで、今後長きにわたってスタンダードのコントロールデッキのお約束の1枚として活躍するはず。コントロールの最重要パーツを手に入れて、デッキに安定感をもたらそう。

 コントロールデッキを使う上で重要なのは、環境の理解。どんなデッキがどう攻めてくるのか、それにあらが生き延びるには何が必要か。しっかり見定めて、ロングゲームの覇者となれ。そしてさらに大事なのは諦めない心。環境が高速化しても、諦めずにコントロールを使い続けて結果を残すプレイヤー達は確実に存在している。そんな先人を見習い、スタンダードという道をコントロールを相棒に駆け抜ける……それもまたスタンダー道だよ。いけるところまでとことん!お気に入りのデッキで戦おうぜ!

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