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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

全知コンボ:マナ踏み倒しカードをマナを踏み倒して使う(スタンダード)

岩SHOW
 

 カードはコストが重ければ重いほど、能力や効果がゲームに与える影響が大きくなる。つまり強いということ。スタンダードに存在するカードであれば、《全知》を見ればそれがよくわかる。手札から呪文を唱える際にマナコストを支払わなくて良いという、マジックのルールを根底から覆す超強力エンチャント。10マナという重すぎるコストを払うことで、この究極の対価が得られる。

 そして《全知》でコストを踏み倒すことで、高コストのカードの力を存分に味わうことができる。マナを払えば得られるものを、払わずにいただくということがいかに強いか……そして面白いことに、そんなコスト踏み倒しカードの《全知》を用いるために、これのコストを踏み倒すデッキが存在する。そりゃあ10マナ揃うまで悠長にやってられないし、その頃には手札のカードもほとんど尽きているだろう。究極のコスト踏み倒しカードのために、それのコストを踏み倒す!今回紹介するのはそんなとんちのようなことを行うスタンダードのコンボデッキだ。

Mizuno Yuya - 「バント・コーナ」
迷える黒魔道士、ビビ》3枚セット争奪スタンダード トップ8 / スタンダード (2025年8月11日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《繁殖池
3 《フラッドファームの境界
2 《ハッシュウッドの境界
2 《草萌ゆる玄関
2 《魂の洞窟
4 《吹きさらしの要塞、アダージア
1 《巨大な神核、ウスロス
1 《平地
1 《
1 《
-土地(25)-

2 《勝利の楽士
1 《ロザリアの心、アンブロシア
4 《救助のけだもの、コーナ
1 《陽気なルシ、ヴァニラ
1 《落星の学者、ロクサーヌ
4 《マラング川の執政
1 《首席議長ゼガーナ
-クリーチャー(14)-
1 《跳ね弾き
3 《ピナクルの星檻
2 《蓄え放題
2 《乱動するドラゴンの嵐
2 《星間航路の助言
3 《食糧補充
4 《セリーマ号
4 《全知
-呪文(21)-
3 《領事の権限
2 《縫い目破り
2 《失せろ
2 《否認
1 《呪文貫き
3 《ティシャーナの潮縛り
2 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 《救助のけだもの、コーナ》は、これがタップ状態で第2メインフェイズを迎えると、手札からパーマネント・カードを戦場に出せる。攻撃して無事に生き延びてメインを迎えられればというところだが、それだと即効性が薄く対処もされやすい。なのでなんらかのタップする手段との組み合わせが効果的なクリーチャーだ。

 このコーナとセットになっているカードが《セリーマ号》。伝説のクリーチャーを探して手札に加えるため、コーナを引っ張ってこれる。そしてそれをタップするための配備という能力も持っている。《セリーマ号》1枚があればコーナを出してタップするというアクションが確定するのだ。こうしてコーナを寝かせて第2メインを迎え、《全知》を手札から戦場へ。これがこのコンボデッキのエンジンで、コーナをタップするための手段は他にも《吹きさらしの要塞、アダージア》《巨大な神核、ウスロス》などの土地の枠にも用意されている。これらの助けにより、4ターン目に《全知》状態に突入可能になっている。

 

 前環境の全知コンボもそうだったが、《全知》設置後には呪文を連打して勝利を目指す。その上で最重要なのが《マラング川の執政》。このドラゴンは戦場に出た時に他の土地でないパーマネント2枚を手札に戻す。これは対戦相手のもののみならず自分のものを対象にしてもOKで、戦場に出た時に能力が誘発するものをこれで戻して出し直すことで勝利を目指す。《セリーマ号》を戻して出し直せば伝説のクリーチャーを探してこれるため、これで《落星の学者、ロクサーヌ》をサーチ。ロクサーヌで隕石・トークンを生成し、これがもたらすダメージでのノックアウトがこのコンボのゴールだ。

 マラング川2枚でのループは勿論、伝説である《ロザリアの心、アンブロシア》とでループさせるルートもある。これら以外にもロクサーヌが墓地にある時のための《陽気なルシ、ヴァニラ》、ドロー役になる《首席議長ゼガーナ》など、《セリーマ号》でその都度必要なカードをサーチする動きがこのリストの特徴で、これが毎回のプレイ体験に変化をもたらし楽しませてくれることだろう。《セリーマ号》をクリーチャー化させ、これらの伝説を強化して殴り勝てるのも面白い。

 真面目にマナを払うデッキがある一方で、高コストのカードを不真面目にコスト踏み倒しで用いるデッキもある。どちらにもそれぞれの長所と短所があるが、時にはこういうコンボを使って遊ぶことでマジックの幅広さを実感することをオススメするよ。《全知》からしか得られない快感というものがこの世界には存在するからね!

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