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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー・ピクシー:ショックランドという優位性(スタンダード)

『久遠の終端』といえば宇宙、宇宙といえば……ショックランド!?そう、このセットには代々ラヴニカを舞台にしたセットに再録され続けていた、2種類の基本土地タイプを持つ土地のサイクル……通称ショックランドが再録されている。戦場に出す際に2点のライフを支払えばアンタップ状態で出せる、このライフの損失を《ショック》に例えたシャレの効いたネーミングがステキだ。ショックランドは「なぜ自分の土地でライフを失う必要が?」と、マジック初心者にはデメリットばかりが気になってしまうことだろう。慣れればこんな優れた多色土地もなかなかない。その強さを実感するにはとにかく色んな土地、色んなデッキを使ってこそ。なのでまだショックランドの類が強いと思えなくとも、これからじっくりその利点を理解していけば良いので、焦らずに。
そんなショックランド、ラヴニカではなく宇宙をテーマにした『久遠の終端』に再録されることに違和感を持った人もいるかもしれない。でも僕個人としては、すんなり理解できた……なぜなら『Unfinity』にて宇宙アートのショックランドが既にリリースされているからだ。宇宙のどこかの惑星や宇宙空間そのものなど、SF色の強いロケーションが描かれたフルアートのこれらのショックランド。必ずどこかに宇宙船が描かれているという遊び心もあって、人気の高いカードだ。MTGアリーナでもこれのスタイルが過去に発売され、ショックランドはこの仕様をここ数年用いてきた自分としては……むしろショックランド=宇宙の方がしっくりくると言っても過言ではなかった。
全10種類のショックランドだが『久遠の終端』には5種類のみが収録される形となった。スタンダードにおいては、ローテーションで2色土地が減ったこともあり、多色デッキにおける土地の格差が発生している。特に3色デッキという視点で考えた時にはこれが顕著で、2種類のショックランドをとれる組み合わせは他よりもデッキの組みやすさという点では一歩リードしている状態だ。《神無き祭殿》《湿った墓》を採用出来るエスパー(白青黒)なんかはかなり安定したマナ基盤のデッキを組めるということだ。《フラッドファームの境界》《グルームレイクの境界》などの基本土地タイプを要求する境界土地も、この3色ならしっかり機能してくれることだろう。今回はこの2種類のショックランドを用いたエスパーカラーのデッキをご紹介!
| 3 《始まりの町》 4 《神無き祭殿》 4 《湿った墓》 3 《秘密の中庭》 4 《フラッドファームの境界》 4 《グルームレイクの境界》 1 《行き届いた書庫》 1 《薄暗い裏通り》 -土地(24)- 4 《遠眼鏡のセイレーン》 4 《養育するピクシー》 4 《陽光真珠の麒麟》 2 《孤立への恐怖》 4 《コスモグランドの頂点》 -クリーチャー(18)- |
4 《悲劇の軌跡》 2 《保安官を撃て》 4 《逃げ場なし》 1 《勢い挫き》 3 《食糧補充》 4 《嵐追いの才能》 -呪文(18)- |
2 《強迫》 2 《喝破》 2 《縫い目破り》 2 《悪魔祓い》 1 《勢い挫き》 2 《除霊用掃除機》 1 《荒らされた地下室 // 解剖室》 1 《エレジーの見習い》 2 《悪夢滅ぼし、魁渡》 -サイドボード(15)- |
エスパーカラーといえば、前環境で一時代を築いた「エスパー・ピクシー」!ピクシーこと《養育するピクシー》をはじめ、《陽光真珠の麒麟》《孤立への恐怖》といった低コストで飛行を持つクリーチャーらが主役。これらはいずれも自身のパーマネントを手札に戻すもので、これはデメリットになることもあるが上手く使えば大きなメリットになる。《逃げ場なし》《勢い挫き》などを戻して出し直せば、1枚の除去呪文でクリーチャーなどを2体除去することも可能に。また《嵐追いの才能》を戻して出し直せば、カワウソを量産できるしレベル2でインスタントやソーサリーを回収する動きもおかわりできる。
最盛期からはパワーダウンをした印象のあるアーキタイプだが、『久遠の終端』でショックランド2種を獲得したことでマナ基盤の優位さを得た。2点のライフ損失も、自分から攻めていくこのデッキではそれほど痛いものではなく、どんなターンであってもアンタップ状態で出せる土地があることの恩恵の方が大きいのだ。
新戦力は土地だけではない。《悲劇の軌跡》は1マナのクリーチャー除去であり、普通に唱えればタフネス2を除去できるソーサリーだが……ヴォイドを達成することでマイナス修正値が10に大幅上昇!このヴォイドはパーマネントが戦場を離れることで達成できるので、自身のパーマネントを手札に戻すピクシーデッキにとってはおちゃのこさいさいってやつだ。1マナで大抵のクリーチャーを潰せるようになったことは、小粒のクリーチャーで攻めるピクシーにとっては非常に大きなプラス要素だ。
また小粒クリーチャーをまとめて強化する《コスモグランドの頂点》もこのアーキタイプを大きく変えた1枚だ。1ターンに2回呪文を唱えるという条件を満たすことで能力が誘発、トークン生成かクリーチャー強化を行えるこのコスモグランド……その1ターンに2回動くというお題、ピクシーデッキであれば何かを戻して出し直すという形tで、簡単に達成できてしまうのだ。+1/+1カウンターをばら撒いて航空戦力を育て、トークン生成で地上のブロック役を捻出。見た目以上に激ヤバな、今後要注目の1枚だ。《孤立への恐怖》で土地を戻して出し直してそのマナで2回目の呪文を唱えて…という動きも地味に強かったので記しておこう。手数で戦うピクシーデッキ、もはや主役はこのコスモグランドなのかもしれない。
ショックランドがある色、ない色でデッキの様相は大きく異なる。2種類以上盛り込めるエスパーなどのカラーリングは、その長所を活かせるデッキ構築を意識したいところ。ライフ損失が気にならないデッキであれば、ショックランドを盛り込んでやりたい動きを制限なく心ゆくまで楽しもう!
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