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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!安定感のディミーア・ミッドレンジ(スタンダード)
俺達が終端にィィ キタキタキタァ!
そもそも「終端」ってなんだよ?『久遠の終端』の英名は『Edge of Eternities』。エッジが効いてるとか表現する時のEdgeだ。角とか端とか…中心部から最も遠い部分を意味するらしい。このタイトルにとって中心というのは多元宇宙のことで、終端はその外の領域である。多元宇宙は現在、それぞれの次元が領界路で繋がり、お互いの存在を認知し自由に移動して生活を営む者達もいる。この多元宇宙の外である終端は、これまでのストーリーで描かれた多元宇宙と異なり、僕らの棲む地球のような惑星、太陽系、銀河、そしてブラックホールなどの宇宙的事象……そういった永遠に拡がる空間が舞台だ。
多元宇宙の外である終端にも、多元宇宙と共通の生物が生息している。姿かたちは一般的なものとは異なるが、終端にも天使やドラゴンが生息しており、多元宇宙とのつながりが感じられる。各色の代表種族で言えば、度々青の神話レア枠を担うことでお馴染みのスフィンクスも《量子の謎かけ屋》としてカード化されている。量子ってのは……そっちの知識がないのでよくわからないが、ブラックホールとかそういうのの関係だよな?宇宙空間を航行中にこんなやつが突然謎かけしてきてきたら恐ろしいなんてもんじゃない。
かつてないほど混沌に満ちたルックスのこの宇宙スフィンクスは、ワープという新能力を持つ。本来5マナの謎かけ屋が、このワープだとお手軽2マナで唱えられる。ただしそうして出てきたワープ持ちは、ターン終了時に追放される。それをまた後のターンにいつでも唱えてOKということで、速攻で攻撃するものやなんらかの能力で恩恵をもたらすものがこのワープを持っており、プレイヤーに選択肢の幅を与えてくれている。謎かけ屋は戦場に出るとドローできるので、やることのないタイミングでとりあえず2マナでドローしておく、という使い方が便利。これにより序盤の土地が詰まる事故を防いでくれる助けになるし、終盤はタフネスが高い飛行持ちで戦力としてもナイス。さらに手札が空であればドローに+1してくれるので、長期戦への耐性もつく。中速から低速、所謂ミッドレンジからコントロール系のデッキで活躍が期待されているニューフェイスだ。
今回はそんな謎かけ屋を採用したデッキを紹介しよう。スタンダードをとことん楽しむ皆のためのコラム、では元気よくいってみよう!
| 4 《湿った墓》 4 《グルームレイクの境界》 2 《不穏な浅瀬》 2 《始まりの町》 4 《魂石の聖域》 4 《島》 5 《沼》 -土地(25)- 4 《遠眼鏡のセイレーン》 2 《暗黒騎士、セシル》 4 《大洞窟のコウモリ》 4 《フラッドピットの溺れさせ》 2 《ティシャーナの潮縛り》 3 《永劫の好奇心》 2 《量子の謎かけ屋》 -クリーチャー(21)- |
3 《悲劇の軌跡》 3 《保安官を撃て》 1 《苦々しい勝利》 1 《逃げ場なし》 1 《フェイ花のいたずら》 2 《幻影の干渉》 3 《悪夢滅ぼし、魁渡》 -呪文(14)- |
2 《強迫》 1 《脅迫戦術》 2 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《ティシャーナの潮縛り》 2 《除霊用掃除機》 1 《フェイ花のいたずら》 3 《分派の説教者》 1 《ゴミあさりの執政》 1 《悪夢滅ぼし、魁渡》 -サイドボード(15)- |
ディミーア(青黒)カラーのミッドレンジ。クリーチャーのサイズこそ他の色のアグロには負けるが、このカラーリングには軽い飛行や瞬速を持った面々が揃っている。《遠眼鏡のセイレーン》《大洞窟のコウモリ》《フラッドピットの溺れさせ》……いずれも戦闘以外の面でも貢献する能力を持った高品質な軽量クリーチャーだ。これらで相手の妨害もしつつ、黒い除去呪文や青の打ち消し呪文で相手の展開をかわしつつ、着実に攻撃を仕掛けていく。そして打点では劣るこれらのクリーチャーでの攻撃に他のカードで意味を持たせる。
《永劫の好奇心》で戦闘ダメージを与えたらドロー、あるいは攻撃が通ったクリーチャーを手札に戻して《悪夢滅ぼし、魁渡》を忍術で繰り出す!魁渡もまたドローや相手のクリーチャーを麻痺させるなど、あの手この手でゲームを有利な展開に持っていってくれる。これらの布陣に謎かけ屋が加わり、2マナドローが増えてデッキの安定感を高めたのがこのリスト。ゲーム終盤になっても手札が尽きることはないだろう。常に補充して手数で勝負、それが「ディミーア・ミッドレンジ」の理念だ。
ディミーアは前環境から存在し続けるアーキタイプだが、こうしてみるとローテーションで失ったものがとても少ない。しいてあげるならクリーチャー除去の大定番だった《切り崩し》《喉首狙い》が使えなくなったくらい。これらの損失は確かに残念だが、それに代わる除去は十分にあるのでご心配なく。むしろいつも同じものを使い続けるよりは良いリフレッシュになるし、そもそもそれらの除去を対戦相手に使われなくなったのは嬉しいことでもある。
さてそれらの除去のスロットで入れ替わりは行ってきたものは、既存のカードから《保安官を撃て》。無法者に該当するタイプ以外のクリーチャーを破壊できる、独特の射程距離を持つインスタントだ。環境次第では無法者が溢れかえってあんまり倒せるクリーチャーがいない、ということもあるかもしれないが、軽いものから重いものまで色やタフネスに関係なくサクッと除去できる安心の1枚。《喉首狙い》の後を埋めるには十分なカードだ。
そして《切り崩し》が長きにわたり占めていた1マナ除去の枠には新カード《悲劇の軌跡》!パワーとタフネスにマイナス修正を与えるタイプの除去で、普通に使えばタフネス2を除去できる。ソーサリーであるため、ブロック確定後に投げつけて相手のクリーチャーを縮小して討ち取るという動きはできないのが玉にきずではある。しかしこのソーサリー、ヴォイドという新能力を持っている。パーマネントが戦場を離れるか、ワープ呪文が唱えられていれば修正値が-10にドドンとアップ!他の除去との連打はもちろん、《遠眼鏡のセイレーン》の地図を起動したり、忍術でクリーチャーを戻したり……そして謎かけ屋をワープさせたりでこのヴォイドを達成すれば、どんな巨体も宇宙の塵になる。お手軽感では《切り崩し》に軍配が上がるが、それにはできないことがこの《悲劇の軌跡》では狙える。工夫してそのポテンシャルを引き出してやりたいね。
長く存在するデッキなので、とことんやり込みとことん突き詰めるプレイヤーも多い「ディミーア・ミッドレンジ」。今後もスタンダードでその高い安定感を武器に地位を確保していくことだろう。まだ未経験のプレイヤー、特に難しそうと思っている人にこそ試して欲しいアーキタイプだ。そりゃ何だって最初は難しいさ。とことんやってこの道を極める、そんな気概があればマジックに難しいデッキなどない(かもしれない)。というわけで、この夏もスタンダードで遊びまくっていこうぜ!
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