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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

《陰湿な根》と相性抜群!驚異の新戦力とは(スタンダード)
2025年7月25日、テーブルトップにてスタンダードのローテーションを迎え、2022年秋から2023年春にかけてリリースされたセットが使用不可能に。そして同日『久遠の終端』のプレリリースが開始。現在はプレリで手に入れたカードは即座に構築フォーマットで使用可能となるため、この25日からの週末はスタンダード新環境開始というちょっとしたお祭り期間となった。正式な発売日よりも先に新スタンダードのデッキが生まれるような形になっているわけだ。
そんなプレリ期間、各カードショップの大会で使用されたデッキリストを閲覧するのは、宝物探しのような楽しい時間だ。そうやって見つけた新環境最初期のリストより、これは皆にもオススメできる!というリストを見つけたので紹介させていただこう。
| 4 《地底の遺体安置所》 4 《花盛りの湿地》 4 《ウェイストウッドの境界》 1 《偉大なるアラシンの都》 3 《沼》 4 《森》 -土地(20)- 4 《脱皮の世話人》 2 《瓦礫帯の異端者》 4 《影の帯の盲信者》 4 《時系列の選別者》 3 《漁る軟泥》 3 《威名のソルジャー、セフィロス》 3 《ハナグマのあさり屋》 4 《ベイルマークの大主》 3 《破壊の嵐孵り》 -クリーチャー(30)- |
4 《浚渫機の洞察》 4 《陰湿な根》 2 《アガサの魂の大釜》 -呪文(10)- |
3 《腹黒茸》 3 《ガスタルの略奪者》 2 《龍を狙い撃つ者》 3 《ゴミあさりの執政》 3 《沼地の晩餐会》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
ゴルガリ(黒緑)カラーの……《陰湿な根》デッキ!墓地からクリーチャーカードが離れる、つまり手札や戦場や追放領域などの別の領域に移動することで能力が誘発、0/1の植物を生成する。そしてその後すべての植物に+1/+1カウンターを1個置く。1回目の誘発だと1/2が手に入り、2回目の誘発を迎えると2/3と1/2、という具合にドンドンとトークンのサイズを育てつつ数も増えるという、 量と質を両立しちゃうという貪欲なエンチャントだ。さらにトークンらがマナ・クリーチャーにもなるというおまけまでついている隙の無さだ。
墓地には切削や諜報、手札から捨てるなどの形でクリーチャーを落とし、そこから移動させるには《脱皮の世話人》や《漁る軟泥》で追放したり、《ベイルマークの大主》《ハナグマのあさり屋》で手札に戻すなどの手段を用いる。特に世話人やベイルマークは落とすのと移動させるのを1枚で担える点がGOOD。こういった黒や緑らしいクリーチャーらをタップリ揃えて、根からニョキニョキと植物を繁茂させて戦うのがこの《陰湿な根》デッキだ。
このアーキタイプはローテーションで失ったカードも確かに存在する。《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》は特に強力なパーツであったため、これを失ってデッキはパワーダウン……いやいや悲観的になるのは早い。宇宙の彼方からはるばると、新戦力がやってきた!
『久遠の終端』より《影の帯の盲信者》。このクリーチャーは2マナ3/2と優秀なスペックにして、こういうのを待っていた!という《陰湿な根》が求めていたドンピシャの能力を備えている。クリーチャーを生け贄に捧げて諜報を行えるという、墓地を一気に肥やすエンジンになり得る存在だ。このクリーチャーを生け贄に捧げる手段をサクリ台(生け贄=サクリファイスを行う台座的なカードが由来)と呼ぶのだが、サクリ台として優秀かそうでないか?その判断基準にクリーチャーを生け贄に捧げる時に他のコストが求められるか否か、つまりはタップやマナなどの生け贄とは別のものを支払う必要かどうかというところが最重要。この盲信者はマナなど何も必要ない!タダ生け贄があれば良いという最高のヤツ。
これでガンガンクリーチャー・カードを墓地に落としていきたいところだが、その相方にピッタリなカードもまた『久遠の終端』によりもたらされた。《時系列の選別者》!個人的に今回のセットで再注目の1枚だ。2マナ2/2速攻、こういうので良いんだよ的なナイススペック。そしてこれはワープ能力を持ち、1マナとライフ2点で唱えられる。さらに…そのワープで墓地から唱えられる!これが超重要。《影の帯の盲信者》で《時系列の選別者》を生け贄に。墓地に落ちた選別者をワープで唱え、これにより《陰湿な根》がトークンを生成。そしてワープで出てきた選別者をまた盲信者で生け贄→ワープ→生け贄……という具合に動けば、マナとライフが許す限り根を蔓延らせることが可能だ。
この組み合わせ、お手軽でハマればえげつない強さ、そしてどのカードもアンコモン……素晴らしい、素晴らしすぎるぞ《陰湿な根》デッキ!《浚渫機の洞察》があればライフの損失もカバーできる。《威名のソルジャー、セフィロス》と並べばむしろ相手のライフが減る!大繁茂は宇宙まで至るというわけだ。こうなりゃまともに殴り合うデッキにはどうしようもない。
墓地利用デッキの中でも、《魂標ランタン》のように墓地からカードを追放する類のカードでは対策しきれないのが《陰湿な根》デッキの強みでもある。キーカードである《陰湿な根》を文字通り根元からどうにかする必要があるので、新環境の各デッキはエンチャント除去をサイドボードに用意しておくのが良い結果に繋がるだろう。もちろん根側もそれらを見越して《ガスタルの略奪者》などの対策への対策を備えておく必要があるし、《コスモゴイフ》のような根以外で勝ち手段になり得るカードを搭載するというアプローチも面白いだろう。新環境でもゴルガリは墓地を肥やしてそこから新たな生命を生み出すデッキで戦うぞ!宇宙から来た驚異の力を借りて戦場を埋め尽くせ!
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