READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:露天鉱床inアリーナ!?(タイムレス)

岩SHOW
 

 マジックのカードやデッキのクールさを語り、クールな世界にどっぷり浸る今週のCool Deckのコーナー。今回は新セットの『久遠の終端』の星景カードについて。これは所謂ボーナス・シートというやつで、『久遠の終端』本セットとは別に用意されたカードになる。プレイブースターには8パックに1枚、コレクターブースターでは1パックに1枚このボーナス・シートが封入される。星景はその名の通り宇宙の星々の姿がフルアートで描かれた非常に美しいものであり……そのクールなイラストを与えられたカードは過去の土地カードの中から選ばれた名サイクルや超強力な逸品からなる。なんとその数90種!コレクターブースターからはさらにアートが異なる星景ポスター仕様の土地も出てくるというのだから、パックから何が飛び出してくるのかワクワク感が高まるというものだ。

 個人的に気になるカードは《露天鉱床》!マジック最初期のカードらしい、ぶっ壊れ性能の持ち主だ。この土地をタップして生け贄に捧げるだけで土地を破壊!しかも対象は……なんでもOK!《不毛の大地》のように基本土地に対しての情なども持ち合わせておらず、問答無用で叩き割る。特に自らクリーチャーを仕掛ける早いデッキや、墓地利用する類のコントロールで用いることで、対戦相手をマナが少ない状態に抑え込んでボコボコに…あまりにも強すぎるため、各種フォーマットで禁止や制限を受けている。現在通常の構築戦ではヴィンテージでのみ使用可能で、1枚制限となっている。

 そんな《露天鉱床》、なんとMTGアリーナにもやってくる。星景土地はすべて収録されるとのことで、リミテッドを遊んでいるといきなり土地を破壊されるという衝撃の展開に直面するのやもしれない。さらにアリーナの構築フォーマットとしては、ヒストリックではリリース前から禁止となったが……タイムレスでは使用可能とのこと。タイムレスはアリーナ上のあらゆるカードが使用可能ななんでもありフォーマットで、モダンやレガシーでもできないような動きをしてくるデッキが存在するまさしく魔境。将来的にはおそらく制限になるだろうという前置きをしながらも、様子見をするために制限なしの4枚投入が可能とのことだ。これはヤバい、クールすぎる!

 そもそも《露天鉱床》が制限でない構築フォーマットを遊んだことのあるプレイヤーなんて一体世界にどれだけいるのやら。土地が土地を壊しまくる、誰も体験したことのないクールすぎる新世界の始まりだ!というわけで今回は『久遠の終端』リリース後のタイムレスのデッキを予想してみよう!

 

 タイムレスで土地、といえば《汚染された三角州》《樹木茂る山麓》などのフェッチランドがマナ基盤の根幹をなしている。これらの土地は生け贄に捧げる能力を起動し、ライブラリーから特定のタイプを持った土地を戦場に出す。これで《繁殖池》や《聖なる鋳造所》などを引っ張ってくることで、複数の色を扱うデッキは色マナトラブルを避けて円滑な運用を目指している。そんなフェッチランドで持ってきた土地を《露天鉱床》で破壊!

 あるいは……フェッチランドそのものを封じる手段もある。フェッチに対して《露天鉱床》などで破壊しようとしても、生け贄にして避けられてしまう。なので、生け贄に捧げてきたところを能力を打ち消して土地を持ってこれなくする、というのがアンサーになる。《もみ消し》だ。レガシーなどでもフェッチの起動をこれで打ち消して相手のマナを伸ばさせないというクールな戦法がとられてきたが、これはタイムレスでも有効だ。というわけで《もみ消し》を備えたデッキの一例を見てみよう。

NumbyGaming - 「スゥルタイ・コントロール」
タイムレス(MTGアリーナ) (2025年7月25日)[MO] [ARENA]
4 《汚染された三角州
4 《霧深い雨林
1 《新緑の地下墓地
1 《湿った墓
1 《草むした墓
2 《繁殖池
1 《迷路庭園
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《露天鉱床
1 《
-土地(20)-

4 《死儀礼のシャーマン
3 《知りたがりの学徒、タミヨウ
2 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
1 《厚かましい借り手
4 《虚構漂い
-クリーチャー(14)-
4 《金属モックス
4 《渦まく知識
3 《ラクシャーサ流取り引き
2 《致命的な一押し
1 《シェオルドレッドの勅令
3 《もみ消し
1 《記憶への放逐
4 《マナ吸収
2 《ウィザーブルームの命令
2 《王冠泥棒、オーコ
-呪文(26)-
1 《思考囲い
1 《呪文貫き
1 《徴用
2 《記憶への放逐
1 《厚かましい借り手
1 《選別の儀式
1 《致命的な一押し
1 《夏の帳
1 《花の絨毯
2 《外科的摘出
1 《除霊用掃除機
2 《オークの弓使い
-サイドボード(15)-
Moxfield より引用)

 

 

 スゥルタイ(青黒緑)カラーのコントロールデッキ!このカラーリングにはクリーチャーやプレインズウォーカーへの除去、打ち消し、手札破壊、マナ加速、ドロー……なんでも揃っている。キーとなるのは《死儀礼のシャーマン》。墓地のカードを追放することで様々なアクションを起こせるが、中でも重要なのは墓地の土地を追放する能力。これにより色マナが得られるので、自分のフェッチをこれで追放してマナを加えるのはもちろん、対戦相手のそれも追放することで墓地対策しながらも動くことができる。この死儀礼の動きが《露天鉱床》参入後にはさらに強くなること間違いなし。《もみ消し》と合わせ技で相手の土地をバキバキに粉砕し、自分は死儀礼でマナを伸ばして悠々とゲームを進めていこう。

 土地と言えば《自然の怒りのタイタン、ウーロ》も忘れてはならない。戦場に出るか攻撃するとカードを引いて手札から土地を出せるので、これで《露天鉱床》を投げつけて対戦相手の心をへし折るべし!墓地に落ちた鉱床もウーロの脱出コストに充てられるため、とにかく相性◎のクールっぷり。

kailash - 「エルドラージ・ランプ」
タイムレス(MTGアリーナ) (2025年7月29日)[MO] [ARENA]
4 《魂の洞窟
4 《古えの墳墓
4 《エルドラージの寺院
4 《ウギンの迷宮
4 《露天鉱床
1 《爆発域
-土地(21)-

1 《終わりを告げるもの
1 《荒景学院の戦闘魔道士
4 《まばゆい肉掻き
4 《まき散らす菌糸生物
4 《難題の予見者
4 《運命を貪るもの
2 《真実を溺れさせるもの
2 《七つの死の種父
-クリーチャー(22)-
2 《むかしむかし
4 《太陽光変換器
4 《虚空の杯
4 《コジレックの命令
2 《一つの指輪
1 《嵐の目、ウギン
-呪文(17)-
3 《四肢切断
3 《攪乱のフルート
1 《カーンの酒杯
1 《除霊用掃除機
2 《アメジストのとげ
2 《歪める嘆き
2 《荒景学院の戦闘魔道士
1 《嵐の目、ウギン
-サイドボード(15)-
Moxfield より引用)

 

 

 続いてはほぼ無色のデッキ、エルドラージ!『久遠の終端』にも関わりがある種族、エルドラージらと無色の呪文とで固められたデッキだ。このアーキタイプは《露天鉱床》以外にも星景土地の恩恵を大いに受けることになる。2点ダメージを受けるが無色マナ2つを加える驚異の加速力、《古えの墳墓》!そして用途がエルドラージに限定された無色2マナを加えられる《エルドラージの寺院》!これらのクールすぎる土地もアリーナに満を持して参入だ。《古えの墳墓》もまた《露天鉱床》と同じくヒストリックではリリース前からの禁止が決定しているが、タイムレスならその強さを大いに体感できる。運が良ければ1ターン目《虚空の杯》X=1、2ターン目に4マナのエルドラージを唱えるなんてムーブも決まってしまう。以前から《ウギンの迷宮》でこの動きも狙えたが、2マナ土地が3種12枚となることで安定感は段違いになる。こういった土地に対抗するためにも《露天鉱床》は重要な存在となるわけだ。

 

 土地をサーチ可能な《まき散らす菌糸生物》の強さも星景土地で一気に上昇。キッカーも交えれば、これ1枚で対戦相手の土地を2枚除去してしまえる。これはヤ~バいでしょう、クールすぎて震えが止まらねぇ。1ターン目の土地の安定度を高めるための《むかしむかし》も、中盤以降でも《露天鉱床》を手に入れるための手段にもなるのが嬉しい。エルドラージ、タイムレスで一気に強豪デッキの仲間入りなるか?

 『久遠の終端』で多元宇宙の果てを目指す旅に出よう。その合間に見えた星々は超クールな星景土地としてビジュアル面でも性能面でも、君のマジックライフをよりクールなものにしてくれるだろう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Destoy target land!!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索