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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

身代わり合成機デッキ、宇宙の秘宝や船が集結!?(スタンダード)

岩SHOW


 いきなりだがデッキリストから。ローテーション前、つまり『久遠の終端』プレリリース開始前のスタンダードのデッキになる。

GreenEminence - 「アゾリウス・アーティファクト」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード(前環境) (2025年7月17日)[MO] [ARENA]
2 《アダーカー荒原
3 《金属海の沿岸
4 《フラッドファームの境界
4 《行き届いた書庫
1 《不穏な投錨地
1 《マイコシンスの庭
2 《フォモーリの宝物庫
1 《解体爆破場
3 《平地
3 《
-土地(24)-

1 《市場のノーム
-クリーチャー(1)-
4 《団結の最前線
2 《アイレンクラッグ
3 《人参ケーキ
3 《窯焼きの煉瓦
3 《薄暮薔薇の聖遺
3 《ガラスの棺
3 《バネ仕掛けの鋸刃
4 《危険な罠
3 《編まれた網
2 《再利用隔室
4 《身代わり合成機
1 《千の月の鍛冶場
-呪文(35)-
2 《救済の波濤
3 《三歩先
3 《審判の日
1 《ガラスの棺
2 《倦怠の宝珠
2 《魂標ランタン
1 《鋼の熾天使
1 《内なる太陽、チミル
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 白青2色、デッキの構成要素は……ほぼアーティファクト。土地でもクリーチャーでもなくマナ総量が3以下のパーマネントを最大2枚戦場に出せる《団結の最前線》。これを使って《危険な罠》《編まれた網》といったパフォーマンスに優れたアーティファクトを繰り出すことを狙ったコントロールデッキだ。

 そうしたアーティファクトの中でも、特に主力であるのは《身代わり合成機》。3マナ以上のアーティファクトが戦場に出ると構築物というボーナスをもたらす。このトークンはアーティファクトの数だけのパワー/タフネスの持ち主であるため、アーティファクトを展開すればするほど数と質の両面で戦場を圧倒できる。合成機からの構築物で相手の攻めを食い止め、耐えきったら攻勢に転じる。コントロールデッキでありながら攻めが得意なので、攻守の切り替えのタイミングなどがつかめていないコントロール初心者にもオススメできるアーキタイプだ。

 

 重要な《身代わり合成機》にアクセスする手段として《再利用隔室》もこの手のデッキでは素晴らしい働きぶりを見せてくれる。2マナのアーティファクトを生け贄にすることで合成機をライブラリーから探してきて戦場に出せる。《窯焼きの煉瓦》《バネ仕掛けの鋸刃》など戦場に出た時点で役目を果たしているアーティファクトを餌にして、構築物を並べるためのセットアップが行えるのがデッキに噛み合っている。

 このリストはメインデッキとしては土地が数枚ローテーション落ちしただけなので、そこを他のカードに置き換えればそのまま戦える。それどころか、新セット『久遠の終端』は宇宙における戦いがテーマになっており、宇宙船などのアーティファクトがズラリと揃っている。《団結の最前線》《身代わり合成機》《再利用隔室》を使うデッキにおいて、新戦力となりそうな新カードを見てみよう!

 

 まずは《氷魔法の秘宝》、コモンの中にこのデッキにとって待望の1枚と言えるカードが!これは戦場に出た時にカードを1枚引け、生け贄に捧げるとクリーチャーに麻痺カウンターを乗せて妨害ができる。手数を減らさずに相手の攻撃を遅らせる地味シブ系のカードだが……この秘宝は戦場を離れた時にもドローをもたらす。つまりカード1枚が手札2枚分になりアドバンテージをもたらす。

 この恩恵、《再利用隔室》で生け贄にすることで簡単に受けることが出来てしまう!合成機やその他の除去系アーティファクトを引っ張ってきながら、手札も補充して後続もバッチリ。筆者もこの手のファクトガチャガチャ系デッキ愛好家であるのだが、こういうカードがスタンダードに欲しかったんだよなぁという1枚が宇宙の彼方からもたらされ、しかも手に入れやすいコモンで大歓喜。秘宝を回転させて、お得なアーティファクト・ライフを満喫するべしだ。

 

 《団結の最前線》から捲れて嬉しいカードの1つに《一時的封鎖》があった。2マナ以下の土地でないパーマネントをまとめて追放するエンチャント、万能な全体除去だがローテーションによりスタンダードを去った……と同時に、《ピナクルの星檻》がその穴を埋めにやってきた。2マナ以下のクリーチャーとアーティファクトをすべて追放するため、自分の構築物なども吹き飛んでしまうのは注意が必要。そんなデメリットを加味しても序盤の猛ラッシュを耐え忍ぶための手段としてはこの上ない1枚であると言えよう。

 先述の《氷魔法の秘宝》を追放すればドローもできるし、これを《再利用隔室》で生け贄にして4マナのアーティファクトを持ってきつつ秘宝がまた出てきて1ドローというような動きも狙える。8マナ払ってロボットを大量生成する動きも、なかなかハードルは高いが決まればゲームを終わらせるポテンシャルを秘めている。

 

 『久遠の終端』の舞台は宇宙空間、そこを移動するには宇宙船が不可欠だ。このセットにはアーティファクトの新しいサブタイプである宇宙船が登場。配備という能力でクリーチャーをタップしてそのパワー分蓄積カウンターを乗せることで、宇宙船らはクリーチャー化したり能力がアンロックされたりする。宇宙船もまた《身代わり合成機》や《再利用隔室》と組み合わせたい新要素で、個人的に注目しているのは《久遠のエレベーター》。マナを食うこのアーキタイプにとって、無色マナを3つ加えられるのは魅力的に映る。《マイトストーンとウィークストーン》が抜けた穴を埋めてくれる1枚かもしれない。

 このエレベーターでマナ加速して手数で勝負したり、あるいは巨大なアーティファクトを叩きつけるプランでデッキの勝ちパターンを増やしたい。《殲滅戦艦》は10/10飛行&トランプルと驚異的なスペックを誇るが、それに加えてクリーチャーでないパーマネントの破壊と全クリーチャーに4点ダメージというまさしく殲滅作戦を実行する。これもまたローテ落ちした《街並みの地ならし屋》《ファイレクシアへの門》などを彷彿とさせるカードで、偉大な先輩らと同じような活躍が予想される。もちろん重いアーティファクトな時点で合成機ユーザー的にはウェルカムだ。

岩SHOW - 「アゾリウス・アーティファクト(仮)」
スタンダード (2025年7月24日)[MO] [ARENA]
4 《フラッドファームの境界
4 《行き届いた書庫
2 《不穏な投錨地
2 《吹きさらしの要塞、アダージア
2 《巨大な神核、ウスロス
1 《フォモーリの宝物庫
2 《隔離された星鍛冶場
3 《平地
3 《
-土地(23)-

2 《不屈の屑鉄ボット
-クリーチャー(2)-
4 《団結の最前線
2 《アイレンクラッグ
4 《氷魔法の秘宝
2 《窯焼きの煉瓦
4 《バネ仕掛けの鋸刃
3 《危険な罠
2 《ピナクルの星檻
3 《編まれた網
3 《再利用隔室
4 《身代わり合成機
1 《千の月の鍛冶場
2 《久遠のエレベーター
1 《殲滅戦艦
-呪文(35)-

 

 というわけで『久遠の終端』の気になる新カードを冒頭のリストに取り入れてデッキを組んでみた。宇宙船やその他のアーティファクトで使いたいものがあれば、皆も《団結の最前線》《身代わり合成機》そして《再利用隔室》と組み合わせてデッキを作ってみよう!ハイテクなマシンのデッキで、宇宙の終端へと繰り出そう!

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