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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ローテ後オススメ、ワンショット・ティファ(スタンダード)

岩SHOW


新環境待ったなし!来るぞ、新たな光景!

 スタンダードのローテーションがやってくる!テーブルトップでは『久遠の終端』プレリリース開始日の7月25日、MTGアリーナでは遅れて30日に2025年のローテーションが行われ、スタンダードで使用可能なセットがガラリと入れ替わることに。スタンダードをとことん遊びとことん極めるスタンダー道、今回紹介するデッキはローテーションを見据えてのもの。新環境を戦うためのサンプル、その答えは……特殊フォーマットにあり!?

矢田和樹 - 「ワンショット・ティファ」
マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2025 優勝 / 特殊フォーマット (2025年7月6日)[MO] [ARENA]
4 《進化する未開地
3 《魂石の聖域
1 《ならず者の道
15 《
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《サッズのヒナチョコボ
4 《ティファ・ロックハート
4 《苔生まれのハイドラ
4 《旅するチョコボ
3 《春花のドルイド
1 《サッズ・カッツロイ
-クリーチャー(24)-
4 《蛇皮のヴェール
4 《薮打ち
1 《原初の力
3 《冒険者の装具
1 《ブリッツボール、オーラカシュート
-呪文(13)-
3 《カビのマムシ
3 《漁る軟泥
1 《魂標ランタン
2 《原初の力
2 《再利用の賢者
2 《サッズ・カッツロイ
2 《ビビアン・リード
-サイドボード(15)-

 

 

 先日開催された「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2025」。この大会は『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』と『ファウンデーションズ』の限定構築で行われた。いうまでもなくローテーション後もこれらのセットは残り、そして収録されているカード達は新環境の主役に躍り出る可能性が非常に高い。

 というわけで同大会の激闘を乗り越え、優勝を掴み取った「ワンショット・ティファ」を見てみよう。キーカードは《サッズのヒナチョコボ》と《ティファ・ロックハート》、土地が戦場に出ることで能力が誘発、パワーが上昇する上陸能力持ちのクリーチャー達だ。早いターンにこれらを展開し、《進化する未開地》や《春花のドルイド》など土地を同一ターンに複数並べる手段で一気にパワーを上昇させ、ワンショットの名の通りに重い一撃を叩き込む。緑単色のアグロデッキで、シンプルな脳みそまで筋肉なデッキ……に見せかけて、《蛇皮のヴェール》などで対戦相手のプランを崩させる知性も秘めたアーキタイプである。

 

 このデッキは同大会の特殊フォーマットにおいて、他のデッキよりも一歩秀でている部分があった。『ファウンデーションズ』のカードを強く使えるという点だ。『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』と同じく上陸に関するカード、《苔生まれのハイドラ》を使えるというのが非常に大きい。上陸する度にカウンターが倍になっていくので、スタート時がしょぼく見えてもスルスルとあっという間にデンジャーサイズに。そしてこのハイドラやティファの成長速度を高めるのが《旅するチョコボ》。上陸能力が2回誘発するようになるため、これとティファやハイドラが並んでいる状態で土地を出せれば……一瞬で致命的なサイズのトランプル持ちを確保できてしまうだろう。

 破壊力満点な「ワンショット・ティファ」。これをベースにスタンダード版のリストを組むなら、こんな感じに。

Shulk - 「ワンショット・ティファ」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年7月13日)[MO] [ARENA]
3 《脱出トンネル
4 《寓話の小道
16 《
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《サッズのヒナチョコボ
4 《ティファ・ロックハート
3 《棘を播く者、逆棘のビル
4 《苔生まれのハイドラ
4 《旅するチョコボ
3 《春花のドルイド
2 《サッズ・カッツロイ
-クリーチャー(28)-
4 《薮打ち
4 《蛇皮のヴェール
1 《王のもてなし
-呪文(9)-
2 《腹黒茸
1 《毒を選べ
2 《漁る軟泥
2 《魂標ランタン
2 《脚当ての補充兵
2 《サッズ・カッツロイ
2 《レンと次元壊し
2 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードになるとカードプールが拡がり、デッキの完成度がアップする。土地においては《寓話の小道》が使えるのが嬉しいところ。未開地と同じく基本土地をサーチするフェッチランドだが、こちらは状況によっては土地がアンタップで出てくるのですぐにマナが使えて手数の勝負も挑めるように。また上陸組には《棘を播く者、逆棘のビル》が加わる。ビル自身や他のクリーチャーも強化できるし、カウンターの数も倍にできるのでデッキの色んなカードと噛み合っている。《ラノワールのエルフ》《春花のドルイド》なんかも致命的なサイズに引き上げられるのが素晴らしい。

 

 このリストにおいて非常に面白いカードが《脱出トンネル》!この土地もまた基本土地を持ってくるフェッチランドで、1枚で二度の上陸を誘発させる。そしてもう1つのモード、これを起動すると対象のパワー2以下のクリーチャーがこのターンブロックされなくなる。これを上陸でパワーが膨れ上がる前のティファやハイドラに対して起動し、解決後に上陸で育てることで、強大なパワーの持ち主でありながらブロックされないというチート状態に。2つのモードでダメージ効率に優れた方を選択し、一撃必殺を叩き込め!

 

 ヒナチョコボをアフロの中に住まわせている《サッズ・カッツロイ》。彼は基本土地か鳥を探してきて手札に加えられるため、上陸を狙いたいときは《》を、からの盤面を立て直したいときはチョコボらをサーチして柔軟に戦える。そして攻撃するとクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せ、それを倍にする。ゲームがグダグダに長引いた時、不意に出てきたハイドラがサッズの助けで一気に二桁パワーに膨れ上がってフィニッシュ、なんてことも起こり得る。うっかり生き延びるとえげつないことになるタイプのクリーチャーなので、派手なティファらに気を取られてサッズへの警戒を怠らないように注意するべし!

 上記のスタンダード版「ワンショット・ティファ」のリストは、ローテーションを迎えてもメインデッキから抜けるカードがないため、新環境の最初期にはこのリストが最も目にするデッキの一つになることだろう。『久遠の終端』は他のセットとも雰囲気が異なり、未知数なセットだ。その真価をいきなり見極めてデッキを組むのは難しいかもしれない。そんな時には形の変わらないデッキを使ってプレイしながら、新しいカードを徐々に見定めていくのがベスト。ローテーションを経て、次なるシーズンが始まる。スタンダードという道から見える新たな光景、楽しんでいこうぜ!

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