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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グルール昂揚:くるぞショックランド(スタンダード)
『久遠の終端』がやってくる!それと同時にスタンダードではローテーションが行われ、いくつかのセットが落ちることに。このローテーションでスタンダードを去るカードの中には、ここ数年の環境を支えた数々の多色土地も含まれる。
『団結のドミナリア』『兄弟戦争』の2セットにまたがって収録された《カープルーザンの森》などの、色マナを加える際にダメージを受ける土地……ダメージランドやペインランドと呼ばれるもの10種類。そして『ファイレクシア:完全なる統一』に収録されている、他にコントロールしている土地の枚数が少なければアンタップ状態で戦場に出せる=早いターンに用いるのに便利なファストランドと呼ばれる《銅線の地溝》などの5種類。これらの土地は長きにわたる貢献を終え、環境を去ることになる。スタンダードでどれだけお世話になったことか……ありがと~ッ!

しかし去るものばかりではない。ローテーション日には『久遠の終端』プレリリースが開幕!現行のルールではプレリリース開始と同時に新カードが構築フォーマットで使用可能となるため、このセットの土地が空いた穴を埋めてくれるはず。そしてこのセットには……ショックランドが収録されている!戦場に出る際に2点のライフを支払うことでアンタップ状態で出る、コントローラーが《ショック》を受けるようなものだということでこの名で呼ばれる土地のサイクルだ。いずれも2種類の基本土地のタイプを持ち、即ちその色のマナを加えられる。
マジックを始めたばかりのプレイヤーには自分の土地で自分のライフを減らすなんて意味不明!と思うかもしれない。しかし慣れてくれば、これらの土地のありがたみが理解できるはずだ。そんな2色土地の中から5種類が、この宇宙を舞台にしたセットに再録される。特に恩恵を受けるのはダメージランド&ファストランドが同時に落ちる色の組み合わせ。《湿った墓》と《踏み鳴らされる地》がこれに該当するわけで……このカラーリングのデッキは失う土地の枠をそのままショックランドに置き換えることで戦っていけるのではないだろうか。《踏み鳴らされる地》を採用するであろうデッキのサンプルと言えば……
| 4 《カープルーザンの森》 4 《銅線の地溝》 4 《ソーンスパイアの境界》 1 《商業地区》 2 《不穏な尾根》 6 《森》 1 《山》 -土地(22)- 4 《継ぎ接ぎのけだもの》 4 《野火の木人》 4 《逸失への恐怖》 4 《鋭い目の管理者》 2 《光砕く者、テルサ》 1 《双つ口の嵐孵り》 -クリーチャー(19)- |
3 《過剰防衛》 3 《暴力的衝動》 3 《薮打ち》 4 《希望の種子》 1 《幻獣との交わり》 4 《脱走》 1 《レンと次元壊し》 -呪文(19)- |
1 《除霊用掃除機》 2 《石術の連射》 2 《紅蓮地獄》 1 《双つ口の嵐孵り》 2 《毒を選べ》 1 《脚当ての陣形》 2 《屑鉄撃ち》 2 《陽背骨のオオヤマネコ》 1 《過去と未来の剣》 1 《レンと次元壊し》 -サイドボード(15)- |
グルール(赤緑)カラーの昂揚デッキ!昂揚とは墓地に4種類以上のカードタイプがあれば、何らかのボーナスを得られる能力のこと。『ダスクモーン:戦慄の館』のテーマの1つであり、これを持った低コストのクリーチャーが特に強力。《継ぎ接ぎのけだもの》は1マナ3/3、昂揚を達成しなければ戦闘に参加できないというデメリットはあるが、自身の能力で切削を行い条件達成を促せる。《野火の木人》は昂揚で4/3速攻・トランプルという高い戦闘力を2マナで得られる破格のコスパを誇る。昂揚を抜きにしても3/2速攻と十分な戦力なのが嬉しい。これらアーティファクトでありクリーチャーであるため、墓地に落ちてもデッキにプラスの働きをしてくれる。同様に2タイプ持ちの《逸失への恐怖》も揃えて、これらと手札を捨てたり、切削や諜報などでライブラリーからカードを落とす手段などで墓地を肥やしながら攻めていく。それが「グルール昂揚」だ。
このデッキは自分からガンガン仕掛けていく殴り合い上等なデッキなので、多少のライフ損失を恐れる必要はない。そのためダメージランドを用いているし、それとファストランドが抜けた穴にショックランドを採用しても問題なくデッキが成立する。むしろ《ソーンスパイアの境界》を安定して運用できるので色マナトラブルは気にしなくて良いレベルになるかもしれない。
土地以外の面も見てみよう。このアーキタイプ、実は……ローテーションで失うものも少ない。大体のカードはそのまま使えるため、新環境の最初期には遭遇頻度が高くなることが予想される。今回のリストで言えばメインデッキなら《希望の種子》と《レンと次元壊し》のみなので、この枠を埋めることは決して難しくない。切削しつつパーマネントを墓地から拾うなら《蓄え放題》など選択肢は多数ある。確かに種子の1マナという軽さはこのカードの強みではあるが、それ以外に目を向ければ代わりとなるカードは色々と見つかるはず。
逆に二段攻撃を持たせる《暴力的衝動》や、破壊不能・呪禁を与えてディフェンシブにも使えるコンバットトリック《過剰防衛》、土地を探してきた李格闘で除去&墓地のカードタイプを増やす《薮打ち》といった非クリーチャー呪文は残るという事実の方がデッキにとっては大きな追い風。《脱走》も「グルール昂揚」ならではのカードで、これから昂揚クリーチャーを引っ張ってきて殴る動きは序盤から終盤まで、いつでも強い動きになる。
デッキの大半のカードが存続し、抜ける土地も《踏み鳴らされる地》でカバーされる「グルール昂揚」。これを書いている現時点のプレビューではまだまだ未知のセットだが、『久遠の終端』で赤や緑の墓地利用カードが登場したりなんかすると、次期環境の台風の目になるんじゃないだろうか。そんなわけで墓地対策はしっかり用意しつつ、新しいスタンダードに挑戦するとしよう!
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