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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス召集:残された期間、ローテ後は?(スタンダード)

岩SHOW


 スタンダードのローテーションがやってくる。テーブルトップでは7月25日、オンラインでも30日にはローテーションが行われ、スタンダードの使用可能セットがいつくが役目を終え、パイオニアなどのフォーマットへと旅立っていくことに。ローテーションによる使用可能セットの変化を受けて、デッキが受ける影響概ねこの3つ。

①一部のカードが使用不可になり、その穴を埋める代わりのカードを探す
②ローテーションによりデッキの中核が抜け、代わりのカードもなくデッキとして成立しなくなる
③ほとんど影響を受けずに存続する

 今回はあえて②に該当するデッキについて紹介しようと思う。スタンダードで使える期間は残り僅かになるが、だからこそ最後の輝きを一人でも多くのプレイヤーに見てもらいたいという、願いを込めて……それじゃあ早速リストからいってみよう!

Faria_Limer - 「ボロス召集」
Magic Online Standard Challenge 32 準優勝 / スタンダード (2025年7月10日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《感動的な眺望所
4 《サンビロウの境界
1 《ミレックス
5 《平地
3 《
-土地(21)-

4 《入れ子ボット
4 《ひよっこ捜査員
4 《内なる空の管理人
4 《毅然たる援軍
2 《見捨てられた人形、アラベラ
4 《イモデーンの徴募兵
4 《イーオスの遍歴の騎士
-クリーチャー(26)-
1 《塔の点火
4 《上機嫌の解体
2 《「竜騎士」の両手槍
4 《門道急行の事件
2 《画家の仕事場 // 汚された画廊
-呪文(13)-
4 《エイヴンの阻む者
3 《邪悪を打ち砕く
3 《塔の点火
2 《炎魔法
3 《安らかなる眠り
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 「ボロス(赤白)召集」!キーカードとなるのは《イーオスの遍歴の騎士》。マナの代わりにクリーチャーをタップすることでコストの支払いに充てられるという能力、召集。これを持つカードの中でも《イーオスの遍歴の騎士》は特に高性能。4/4が少ないマナで戦場に出てくるだけでなく、タップしたクリーチャーの数以下のマナ総量のクリーチャーが、最大で2枚手に入るチャンスをもたらす。この能力で狙うのは《イモデーンの徴募兵》。全クリチャーのパワーを1上昇させ速攻をもたらす強烈な能力を持つこの徴募兵を手に入れ、召集のために並べたトークンなどの小兵を強化して一気に殴り勝つ……少々コンボチックな動きも備えたアグレッシブなデッキであり、その独特のプレイ感覚にドはまりするプレイヤーも。

 この召集デッキは長きにわたりスタンダードに存在し続けたが……これが収録されている『機械兵団の進軍』は遂にローテーションでスタンダードを去ることに。そもそも召集という能力が毎セット存在するテーマでもないので、抜けた後にその穴を埋める似たようなカードもないというわけで……同じコンセプトのデッキがローテ後にも残るということはない。なのでスタンで遊べるのはあとわずか!

 

 召集デッキのもう1つの看板カードと言えば《上機嫌の解体》!アーティファクトを破壊するソーサリーだが、これで破壊したのが自分がコントロールするアーティファクトであればゴブリン・トークンが3体生成される。1/1とはいえ1マナで3体展開できるカードは他にそうそうなく、これを使うために《ひよっこ捜査員》《入れ子ボット》などの軽量アーティファクトを備えているのも「ボロス召集」の特徴だ。解体の爆発力があれば2ターン目にイーオスというブン回りも実現。この2枚のもたらす怒涛のラッシュは本当にすさまじかった……イーオス抜きにしても徴募兵で速攻パンチという動きもヤバい。計4マナで9点がいきなり飛んできてゲーム終了、なんて度々あったものだ。解体以外にもアーティファクトを活かす手段として《内なる空の管理人》も採用しているのがこのアーキタイプの特徴で、多数並ぶクリーチャー及びアーティファクトのトークンを3つタップしてこの管理人を強化。飛行と警戒を持たせて空から殴る、横展開からの縦の攻めも狙えるのが魅力だ。

 そしてアーティファクトのカウントを増やすため、青を足して「ジェスカイ召集」になった時期もあったが……最近では『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』から《「竜騎士」の両手槍》を取り入れることでボロスに戻ったリストが見られるように。両手槍を解体しても英雄・トークンが残るのでそれも含めて召集すれば良し、あるいは装備品として残してイーオスを飛ばして攻めるという新しいパターンも。カード1枚でパーマネント2枚分なので管理人の能力起動も後押し……色々な面でこの召集デッキに噛み合ったカードというわけで、デッキの良いアクセントになっている。

 

 召集デッキはローテーション後、成立しなくなるが……このデッキのエッセンスは次期環境にも残ることに。トークン含む軽量なクリーチャーを並べて、それらと相性の良いカードで攻めるという戦術が、後継のデッキに引き継がれることになるかもしれない。《門道急行の事件》は自身のクリーチャー達が対戦相手のクリーチャーにそれぞれ1点のダメージを与える。並べば並ぶほどマナ効率の上昇する除去であり、そしてクリーチャー3体以上で攻撃すれば解明完了状態になり、クリーチャーらのパワーを上昇させる。このエンチャント自体は非常に強く、今後も活躍することが大いにあり得る。

 クリーチャーのパワーを上げると言えば《汚された画廊》も召集デッキの良いアクセントになっている。マナ効率が良いし、《画家の仕事場》の部屋を開けるとカード2枚分のアドバンテージをもたらす。これも今後より注目を集める予感。召集要素はなくなるが、徴募兵も残るわけだし……トークンを強化するボロスというアーキタイプが今後伸びてくる可能性、あると思います。

 「ボロス召集」がスタンダードで遊べる時間はあとわずか。一部のカードは使えなくなってしまうが、残るカードで新しいデッキを構築する楽しみがやってくる。あるいはパイオニアでもこのデッキはプレイ可能なので、そちらも遊んでみることをオススメするよ。さあ、残された時間をギリギリまで楽しもうぜ!

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