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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ゴルガリに潜む悪魔の壁(スタンダード)

岩SHOW

マジックの夏、キタキタキタァ!

 日本列島、6月末から暑すぎるぜ!この気候、どうやって乗り越えるか……命にかかわる問題だ。兎に角無理をしないことが一番!水分塩分タンパク質、しっかり栄養を摂取して、身体が暑くなる前からしっかりと冷やす!体力を作って乗り切ろうぜ。

 というわけでマジックの定番構築フォーマットであるスタンダードをとことん楽しみとことん追求。このスタンダードという道を極める、とことん!スタンダー道!コラムの誌面くらいは暑苦しくいかせてもらうぜ。早速デッキリストをドンッ!

Dr4ken - 「ゴルガリ(黒緑)デーモン」
Magic Online Standard Challenge 32 第12位 / スタンダード (2025年7月1日)[MO] [ARENA]
3 《ラノワールの荒原
4 《花盛りの湿地
4 《ウェイストウッドの境界
4 《眠らずの小屋
1 《地底の遺体安置所
2 《魂石の聖域
3 《
3 《
-土地(24)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《大洞窟のコウモリ
3 《デモンズウォール
1 《苔森の戦慄騎士
2 《分派の説教者
1 《カルシの帰還者
1 《グリッサ・サンスレイヤー
1 《名もなき都市の歩哨
1 《ドロスの魔神
1 《ゴミあさりの執政
1 《破壊の嵐孵り
-クリーチャー(20)-
2 《強迫
3 《切り崩し
2 《喉首狙い
1 《ギックスの命令
3 《亭主の才能
3 《不浄な別室 // 祭儀室
2 《裏切りの棘、ヴラスカ
-呪文(16)-
2 《除霊用掃除機
1 《強迫
1 《残虐爪の強奪
1 《受け継ぎし地の開墾
1 《大渦の脈動
1 《温厚な襞背
1 《極悪非道の盗人
1 《ゴミあさりの執政
1 《ドロスの魔神
1 《黙示録、シェオルドレッド
2 《沈黙を破る者、スラーン
1 《過去と未来の剣
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このゴルガリ(黒緑)カラーのリストはスタンダードに7種の禁止カードが追加された直後にMagic Online上のイベントにて姿を現したもの。このカラーリングの中速デッキは以前もスタンダードでよく見られたものだが……これはそれらとはちょっと雰囲気が異なる。カードの採用枚数が独特で、4枚採用されているのは《ラノワールのエルフ》《大洞窟のコウモリ》のみで、1~3枚のカードが並ぶお試し感も漂うリストだ。《グリッサ・サンスレイヤー》《名もなき都市の歩哨》ら優秀な3マナ域、《ドロスの魔神》という絶対的なフィニッシャーとゴルガリの定番メンバーも……1枚挿し。

 この独特な雰囲気を放つリストの中でひときわ異彩を放っているのが……《デモンズウォール》!『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』から加わった新カードだ。アーティファクト・クリーチャーでそのタイプは名前のまんまデーモンと壁。壁だけあって防衛を持つため攻撃できないが、2マナ3/3とスペックは良い。自身に+1/+1カウンターを乗せる能力を持ち、そしてなんらかのカウンターが乗っていれば防衛を持たないかのように攻撃できる。そうなると威迫持ちというのも相まってブロックされにくく、戦力としてはかなり期待できる。

 

 良いところもあるが一見地味なこの壁が、なぜデッキの中核になっているのだろうか?それは相性の良いカードがあるからだ。毎ターンドローを提供する《不浄な別室 // 祭儀室》。このエンチャントは2点のライフと引き換えに1枚の手札をもたらし、それだけでも良い交換ではあるのだが、デーモンをコントロールしているとライフを失うのは対戦相手に。なんだったらこちらは2点ライフが増えるという、超強力なデーモンデッキを成立させる1枚だ。

 これと《ドロスの魔神》らを組み合わせた「ゴルガリ・デーモン」もナイスなデッキとして少し前の環境では活躍していた。スタンダード環境に新たに加わった2マナのデーモン、《デモンズウォール》とこの別室を並べれば、防衛で攻撃できなくとも自動的に相手のライフが減っていく。2ターン目ウォール、3ターン目別室というのが「ゴルガリ・デーモン」の新たなブン回りパターンになったというわけである。またウォールの攻撃可能な条件であるカウンターは、どんなカードで乗せられたなんでもOK。なので《亭主の才能》で強化するというルートも用意されている。これでクリーチャーをモリモリ強化し、護法を持たせるゴルガリもなんだか懐かしい気がする。この黒と緑のエンチャントと相性良好、それが《デモンズウォール》に白羽の矢が立った理由だ。

 

 いくつかのカードが禁止されたことで、スタンダードでは以前よりも重いコストのカードにチャンスが訪れることに。《巨怪の怒り》《コーリ鋼の短刀》など用いるデッキの猛攻が抑えられて、ゲームのスピードは以前よりも少し緩やかに。手札を捨てさせる《望み無き悪夢》やパーマネントを手札に戻す《この町は狭すぎる》もとんでこないため、しっかりと土地を並べて高コストのカードを叩きつけるという、スタンダードの醍醐味が戻ってくるのではないか。特にプレインズウォーカーには注目だ。このリストにも《裏切りの棘、ヴラスカ》《向上した精霊信者、ニッサ》と採用されており、久しぶりにこれらのカードをプレイしてみたがなかなか感触が良かった。スタンダード、プレインズウォーカーやその他の5マナ以上のカードを試すべし!

 今回は《デモンズウォール》入りのゴルガリを取り上げたが、禁止による改革を経てスタンダードは日々変化し続けるだろう。ここから『久遠の終端』参入による大変革まで、その変化をとことん楽しみスタンダードという道を駆け抜けよう!それじゃあ、熱中症にだけは気をつけてな!

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