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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

新環境での最注目デッキ、ナヤ・ユウナ!(スタンダード)
ことさら話題にしたくないことではあるが、スルーするわけにもいかないので触れておこう。スタンダードで使用禁止となるカードが発表された。その数は7種と、大きなインパクトを与えるものだ。
この7種同時の禁止という異例のケースは、2・3種類の禁止でテコ入れしたところで、1・2番手のデッキがいなくなってそのすぐ下に位置していたデッキ達が支配的な存在として置き換わるだけ……結局すぐに追加の禁止カードが指定されプレイヤーを混乱させるという事態を防ぐための判断。個人的には英断だと感じている。《巨怪の怒り》《コーリ鋼の短刀》を禁止して赤単やイゼットを弱めたところでそれほど効果的ではなく、中途半端なことをやらずに思い切った改革をしてこそ、スタンダードには新たな景色が訪れると感じていたからだ。夏のローテーション前の環境変化、これによりスタンダードがアツく面白いものになることを願っている。
| 2 《魂の洞窟》 4 《ソーンスパイアの境界》 4 《サンビロウの境界》 2 《ハッシュウッドの境界》 4 《優雅な談話室》 4 《草萌ゆる玄関》 2 《コーリ山の僧院》 1 《平地》 3 《山》 -土地(26)- 4 《逸失への恐怖》 2 《フェニックスのドミナント、ジョシュア》 4 《ボイラービルジの大主》 4 《叫ぶ宿敵》 4 《スピラの希望、ユウナ》 -クリーチャー(18)- |
2 《稲妻のらせん》 2 《削剥》 2 《失せろ》 2 《幻獣との交わり》 4 《真昼の決闘》 4 《巨竜戦争》 -呪文(16)- |
2 《払拭の光》 2 《邪悪を打ち砕く》 2 《受け継ぎし地の開墾》 2 《敬虔な命令》 1 《兄弟仲の終焉》 2 《除霊用掃除機》 4 《魔道士封じのトカゲ》 -サイドボード(15)- |
というわけで今回は生まれ変わった環境でどんなデッキが活躍するのか?その答えを求めて「マジック・スポットライト :FINAL FANTASY」メインイベントの上位入賞デッキよりこちらをご紹介。ナヤ(赤緑白)カラーの……ユウナデッキ!キーカードは「FINAL FANTASY X」のユウナをカード化した《スピラの希望、ユウナ》!彼女はターン終了時に墓地のエンチャントを墓地から戦場に戻すという、かなり強力な変則リアニメイト能力の持ち主。ユウナ自身とエンチャントであるクリーチャーにトランプル・絆魂・護法{2}の3つの能力を与えるという能力も併せ持っている。『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』というセット的には英雄譚であるためいずれ戦場から墓地に落ちるエンチャント・クリーチャーらをユウナで再び召喚するという形を意識してデザインされたカードになるが、それ以外のエンチャントと組み合わせてもかなりの働きを期待できる。
このスタンダードのデッキはそれを追求したもので、一番の狙いは《ボイラービルジの大主》を釣り上げること!ボイラービルジは戦場に出るか攻撃すると、4点のダメージを対象に与える。クリーチャーやプレインズウォーカーを除去しても良いし、対戦相手本体にぶち込んでも痛いダメージになるため、相手を選ばないパワフルなクリーチャーだ。6マナとちょっと重めなカードではあるが、何らかの方法で墓地に落としてからユウナで釣り上げるという形で4ターン目に戦場に出すことが可能に。さらにダメージを飛ばしつつユウナにより授けられた絆魂で、こちらのライフまで潤わせるという大車輪の働きっぷりを披露してくれる。
クリーチャーを墓地から釣り上げるリアニメイトデッキと同じく、ユウナデッキでも墓地に対象となるカード=エンチャントを落とすという工程が重要になる。このリストでもユウナと噛み合う《逸失への恐怖》で手札から捨てるのを筆頭に、諜報土地などセットアップのためのカードをしっかりと用意してある。そしてそれらの中には《フェニックスのドミナント、ジョシュア》がいたり。エンチャントを捨てるという役目以外にも単純にカードとして強く、変身させればユウナを墓地から戦場に戻すという動きもできるため、これ1枚で立て直せる頼もしすぎるパワーカードだ。また《幻獣との交わり》で墓地に落とすという手もある。これもフラッシュバックでエンチャント・クリーチャーへと変身するためユウナの恩恵を受けられ、またマナを加える能力を持つためボイラービルジの素出しも後押ししてくれるのが嬉しい。
エンチャントのチョイスも興味深い。《真昼の決闘》は果敢系デッキや《全知》デッキへの対策としてとられている。1ターンに1回しか呪文を唱えられないという縛りはそれらのデッキに効果があり、このデッキにはそれほどマイナスなことではない。禁止カードによってそれら対策していたデッキが環境から激減するかもしれないため、今後これがユウナデッキにメインから必須になるかはまだ不明だが……このエンチャントは生け贄に捧げて5点ダメージを与えるというモードもある。5点→ユウナで釣ってまた5点と一気にライフを詰めたりも可能なため、まだまだ強く面白いアクションは狙えるだろう。
《巨竜戦争》は英雄譚であるため自然に墓地に落ちるためユウナで使いまわせる。全体2点ダメージで軽量クリーチャーをまとめて除去、手札の入れ替えでユウナコンボを成立させる、最後はドラゴン・トークンを生成…先読能力でどれを誘発させるかは自分で選べるため、こちらもドラゴンを一気に2体並べるというような面白い挙動を起こせそうだ。
これは現禁止カードが躍動していた前環境のデッキになる。それらのカードとぶつかり合いながらも、2,200名以上参加で長丁場となるトーナメントで32位以上の好成績を残している。新環境ではさらにその地位を高める可能性があり、要注目の新アーキタイプだ。この夏はスタンダードでエンチャントを釣ろう!
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