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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ティナが縦横無尽の活躍!ヨーリオン・エニグマ(パイオニア)
「FINAL FANTASY」、改めて見てもカッコいい字面だ。通称FF、このタイトルについてこんな話を耳にしたことはないだろうか?当時このゲームを開発していたスクウェア社にとって、経営の問題などから最後の作品になるかもしれないということでこのようなタイトルになったのだ……と。元々は「ファイティングファンタジー」というタイトルで開発が進んでいたらしく、それが最終的にはファイナルに置き換わった。その理由を当時のクリエイターの方がインタビューで語っていたのを目にしたのだが、背水の陣という覚悟はあったが世間で言われているような「最後の作品」という意味はそこにはなく、FFと略することができれば単語にこだわりはなかったようだ。
由来はさておき、世界中のゲーマーから愛されるファンタジー作品になったわけで……そんなFFシリーズの幻想的な要素は、マジックのそれと重なる部分もある。このカード、なんかFFっぽなぁとか思ったりしたものだ。特にエンチャントの類は幻想や神秘がモチーフになっているものが多く、そうしたカードにはFF味を感じることがある。そして今『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』でそのFFがマジックのカードとなっている。長くやってると予想もしないことが現実になるものだなぁ。
そんなFFの幻想世界とマジックのエンチャントを上手く絡めて1枚のカードに仕上がっているのが《魔導戦士、ティナ》。生まれながらに魔導の力を持っている少女ティナはその力故に帝国が世界を征服するための秘密兵器にされていた。
人間と幻獣の両方の血を引く彼女をカード化した第一面《魔導戦士、ティナ》では戦場に出た際にライブラリーを切削しその中からエンチャントを手札に加える。そしてゲーム中、トランスというアビリティで真の姿となった彼女を表現した第二面《幻獣の血を引く少女、ティナ》に変身すると6/6飛行と戦力として大幅パワーアップ!さらに英雄譚・クリーチャーとなり、Ⅰ~Ⅲ章までは同じ能力が誘発。それは伝説ではないエンチャントをコピーするというもの。ターン終了時にこれは生け贄となってしまうが、速攻が着くためクリーチャーなら攻撃することが可能。さらに英雄譚なら伝承カウンターを置けるため各能力の誘発も狙える。オンリーワンと呼べる類のこの能力、幻想と神秘の要素を強く持ったティナにこそ相応しいカードデザインになったのではないだろうか。
| 1 《ラフィーンの塔》 4 《スパーラの本部》 4 《インダサのトライオーム》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 3 《湿った墓》 2 《神無き祭殿》 1 《寺院の庭》 4 《フラッドファームの境界》 4 《ウェイストウッドの境界》 2 《ウィローラッシュの境界》 4 《魂の洞窟》 1 《閑静な中庭》 1 《平地》 -土地(35)- 4 《永遠の策謀家、ズアー》 2 《魔導戦士、ティナ》 1 《温厚な襞背》 1 《スカイクレイブの亡霊》 4 《フラッドピットの大主》 4 《ホーントウッドの大主》 1 《クロクサとクノロス》 1 《害悪の機械巨人》 1 《保護者、リンヴァーラ》 2 《ミストムーアの大主》 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(22)- |
3 《致命的な一押し》 1 《冥途灯りの行進》 4 《消失の詩句》 4 《逃げ場なし》 4 《力線の束縛》 4 《豆の木をのぼれ》 4 《奇怪な具現》 -呪文(24)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》(相棒) 3 《痛烈な一撃》 1 《一時的封鎖》 1 《温厚な襞背》 3 《耳の痛い静寂》 2 《安らかなる眠り》 2 《勢団の銀行破り》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 -サイドボード(15)- |
そんなティナを取り入れた最新のデッキリストがこちら。パイオニアの「ヨーリオン・エニグマ」!メインデッキを80枚以上で構築し《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒としたデッキで、エンチャント及びクリーチャーがデッキの大半を占めている。エニグマとは《奇怪な具現》のことで、これはターン終了時にエンチャントを生け贄に捧げ、それのマナ総量に1を足したクリーチャーをライブラリーから探して戦場に出すという、オンリーワンの挙動を見せる1枚だ。本来のマナ総量よりも軽く唱えて戦場に出せるエンチャント……たとえばコスト軽減がされる《力線の束縛》や、代替コストを持つ《ホーントウッドの大主》《フラッドピットの大主》などの大主サイクルを用いて、このエニグマから大型クリーチャーを展開するというのが狙いのコントロール系デッキである。低コストのエンチャント、《逃げ場なし》などで除去しつつこれをエニグマの餌にして《スカイクレイブの亡霊》を持ってきてさらに除去、という具合に相手の行動を妨害しつつ、大技に繋げることで勝利を狙う。
このデッキに《魔導戦士、ティナ》を加えるとどうなるか?トランスにより変身したティナはエンチャントをコピー、それはターンの終了ステップの開始時に生け贄となる。《奇怪な具現》の誘発もまた終了ステップの開始時であり、これらの解決順を正しく行えば、ティナでコピーしたエンチャントを具現に捧げてクリーチャーをサーチできる。つまり完全な無から戦場に残る戦力を確保できるというわけで……第一面のティナもこのキーカードである具現を手に入れる手助けをしてくれるため、このデッキとは噛み合った1枚というわけである。
ティナでコピーしたエンチャントは速攻を持つため、クリーチャーであればすぐさま攻撃できる。これで大主らをコピーするというのも勝ち筋の1つとして魅力的だ。前兆コストでより軽く唱えられるが、その場合はクリーチャーのタイプを持たない大主たち。ターンの経過によってクリーチャーとなって戦場に参加できるようになる連中だが、クリーチャー出ない状態のこれをティナでコピーすると?そのコピーはしっかりクリーチャーのタイプを持っている。そのため速攻を活かして攻撃し、その能力を誘発させて恩恵に与ることが可能だ。《フラッドピットの大主》は飛行を活かしながら5点という高ダメージを叩き込み、同時にカードを2枚引いて1枚捨てることで後続の展開もしっかりと保証してくれる。《ミストムーアの大主》での攻撃が決まれば、昆虫も並んで攻防共に安心だ。そしてこれらをエニグマのコストに充てて……なんて動ければ、盤面の優位は揺るがない。長期戦どんとこい!自分のフィールドに引き込めばエニグマの前に敵はない!
エンチャントを扱うデッキは『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の新カードを取り入れてみる余地があるだろう。色が合い、コピーして嬉しいエンチャントがあるデッキなら《魔導戦士、ティナ》をお試しあれ!
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