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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ホロウワン×アスモフード(モダン)
マジックは30年を超える歴史にありながら、今一つのピークを迎えている。それは……年間の新商品のリリース数だ。僕がマジックをプレイし始めて、それからしばらくの間は3つのセットからなる1つのブロックを1年間かけてリリースするという流れ。2年に1回のペースで基本セットがリリースされたり、変則的なブロックは4つのセットだったり……そんな年には「今年はセットが多いな!」なんてはしゃいだものである。
さあ、そんな頃から時間を経て2025年。今年リリースされるセットで、スタンダードで使用可能な“本流”と呼ばれるものはなんと6つ!2ヶ月に1つのペースで新セットが参入する、エキサイティングな環境が展開される。しかもそれに加えて構築済みの統率者デッキだったり、Secret Lairだったりと、その総数は昔とは比較ができないレベルだ。そんなクールな状況になっているマジック、そのクールさを突き詰めたデッキ達を紹介する今週のCool Deck。さて今回は……もうすぐ最新セットでなくなってしまう『霊気走破』のカードをピックアップ!
振り返れば『霊気走破』はカードデザインがふんわりしたセットだったように思う。『ブルームバロウ』『ダスクモーン:戦慄の館』と尖ったコンセプトで設計されたセットに比べると、コンセプトはこれ!とズバッと示されている感じではなく、近年のセットの中でもデッキを組むのが難しいものだったと感じている。
そんな中でも青と赤のテーマである「手札を捨てる」というのはわかりやすい。手札を捨てるカードとそれにより何かが起こるカード……その中でも特に注目を集めたのは《略奪するアオザメ》。1マナと軽く、手札を捨てると+1/+1カウンターが乗る誘発型能力を持つ。このアオザメのクールなところは、捨てた枚数分のカウンターが乗るというところだ。誘発1回で1段階サイズアップかと思いきや、捨てた枚数に応じていきなり3/3、4/4とかに育つ可能性がある。1マナなのにパンチの効いたクールなこの1枚、いざ使うのであればこんなクールなデッキはどうだろう。
2 《蛮族のリング》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《バグベアの居住地》 3 《ウルザの物語》 11 《山》 -土地(19)- 4 《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》 4 《略奪するアオザメ》 3 《探偵のフェニックス》 3 《楕円競走の無謀者》 4 《虚ろな者》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(22)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《燃え立つ調査》 4 《感電破》 2 《オパールのモックス》 1 《溶岩拍車のブーツ》 1 《影槍》 1 《魂標ランタン》 4 《地獄料理書》 -呪文(19)- |
2 《倦怠の宝珠》 2 《減衰球》 2 《攪乱のフルート》 1 《真髄の針》 1 《苛立たしいガラクタ》 1 《火に油》 1 《乱暴 // 転落》 1 《破壊放題》 2 《魔道士封じのトカゲ》 1 《魂標ランタン》 1 《魂なき看守》 -サイドボード(15)- |
モダンの「ホロウワン」!ホロウワンこと《虚ろな者》が主役で、手札を捨てた枚数分だけコストが軽減されるこのクリーチャーを高速展開するために《信仰無き物あさり》《燃え立つ調査》のようなカードを引いて手札を捨てる類のカードや、《通りの悪霊》のように起動型能力のコストとして捨てられるカードをたっぷりと採用。これにより1、2ターン目に《虚ろな者》を唱えられるようになっている。早いターンに飛び出す4/4、これが複数体になれば捌くのも大変だ。
このホロウワンには他にも手札を捨てることで何か得するクリーチャーを併用するのがデフォで、そこに《略奪するアオザメ》を投入しているのが最近のリストというわけである。アオザメを育てながらホロウワンの降臨を目指す。これぞクールなムーブだ。シンプルな打点で戦うというのも最近の流れに逆行しているような戦い方でアツいものがある。
さらにこのリストにはプラスアルファの要素が盛られているのがとびきりクールだ。手札を捨てる手段の一つとして《地獄料理書》が採用されている。手札を捨てることで食物を生成するこのアーティファクト、《楕円競走の無謀者》との組み合わせが鉄板だ。無謀者を捨てて食物生成、食物はアーティファクトなのでこれが戦場に出たことで無謀者の能力が誘発してこれを墓地から手札に戻す。この組み合わせにより手札の枚数を減少させずに食物を増やし、また手札を捨てるというアクションを行える。《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》は手札を捨てたターンにのみ唱えられ、戦場に出るとこの料理書を手札に加えられ、さらに食物2つを生け贄に捧げてクリーチャー除去を行える。
この3点セットを備えた「アスモフード」もモダンのアーキタイプの1つであるが、それとホロウワンをハイブリッドさせたのがこのクールなリストである。料理書と無謀者のループでアオザメを育てつつブロッカーをアスモで排除して殴る……この動きも間違いなく強く、それでいてクールなシステムだ。
『霊気走破』シーズンと呼ぶべき期間は間もなく終わりを迎える。そして『タルキール:龍嵐録』シーズンが始まり、そしてあっという間にその次のシーズンがやってくる。今年のセットリリースの速度はすさまじい。全力で追いかけるのも、一つ一つじっくり堪能してから次に進むのも、クールな1年との付き合い方は君の自由だ。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! The next cool set is coming!!
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