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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!3枚目のスーラクでレッツ緑単(スタンダード)

岩SHOW

3枚目がぁぁぁぁキタキタキタァ!

 

 スタンダードについてとことん熱くなり、この道を楽しく駆け抜けていくコラムを目指している「とことん!スタンダー道!」。今週はスタンダードに3枚目のカードが登場したあの人について……その名はスーラク!タルキール次元に住まう彼は、人生の転換を幾度も経験している。かつてはティムールという氏族のカン(長)であった。このタイムラインはサルカンの過去への介入により消失。ドラゴンが絶滅しなかった世界で、スーラクは龍王アタルカの家臣として仕える身に。アタルカはとにかく食欲旺盛、底なしの胃袋であり、スーラクやその仲間達は彼女に食われぬように必死で食糧を提供していた。

 そんなスーラクは現時点のスタンダードに2種類存在する。『機械軍団の進軍』に収録されている《スーラクと殺し爪》、そして『ファウンデーションズ』にて再録された《狩猟の統率者、スーラク》だ。どち神出鬼没の狩人、スーラクらも自身のクリーチャーに速攻を与える緑単色のクリーチャーであり、ハマるとガツンと大きなダメージを叩き込める、ロマンを感じるデザインだ。

 

 そんなスーラクのスタンダードにおける3枚目が『タルキール:龍嵐録』にてデビューする。《神出鬼没の狩人、スーラク》!今回のスーラクは速攻に関する能力は持っていないが、代わりにとても魅力的なデザインが施されている。3マナでパワー4と打点に優れ、そして打ち消されずトランプルを持つ。攻める姿勢を見せる本人スペックもさることながら、自身のクリーチャーやクリーチャー呪文が、対戦相手の呪文や能力の対象になるとカードを1枚引けるという受動的なアドバンテージ能力を併せ持っている。単体除去ではただでは死なない、味方もだという強気な姿勢……これはフレイバーテキストに見られるように、龍王の支配からの脱却を狙い立ち上がった彼とそれに付き従う猛獣たちの荒々しくも誇りを取り戻した姿を再現している……とか浸っちゃったりして。

Rae Mckenna - 「緑単アグロ」
地域チャンピオンシップ予選(ウェールズ・カーディフ) トップ8 / スタンダード (2025年2月1日)[MO] [ARENA]
22 《
-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《花ざかりの開花族
4 《漁る軟泥
3 《クウィリーオンの獣呼び
4 《荒野無頼団の先駆者
3 《ポルクラノスの再誕
2 《屑鉄撃ち
4 《狩猟の統率者、スーラク
3 《原初の飢え、ガルタ
-クリーチャー(31)-
1 《蛇皮のヴェール
3 《大ドルイドの魔除け
3 《ガラクの蜂起
-呪文(7)-
3 《尾の強打
3 《強情なベイロス
3 《脚当ての陣形
2 《中止 // 停止
1 《石の脳
2 《ビビアン・リード
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 そんな第3のスーラクを使ったスタンダードデッキを組むのであれば、こんなリストが良いんじゃないか。緑単色のアグロ!クリーチャーを出して殴る、シンプルさ極まる剛のデッキだ。緑単の強みとして強みとして、最大のポイントはマナ基盤の安定度。なにせ緑マナしか必要がないので《》のみで組める。タップ状態で戦場に出たりダメージを受けたりといったデメリットは何一つなく、対戦相手の妨害にも引っかかることがない基本土地オンリー。この安心感は特に緑単ならではのもの。そして《》ばかりであれば《花ざかりの開花族》が活きてくる!2マナで森の数を参照したパワー/タフネスを持つこのエレメンタル、4/4以上になるのもザラだ。

 このパンチある開花族に《漁る軟泥》《クウィリーオンの獣呼び》らの2マナ圏、そして《ポルクラノスの再誕》らパワー4以上の3マナ圏と高打点を序盤から展開。そしてそれら高パワー持ちが並ぶことで《原初の飢え、ガルタ》を早いターンに降臨させることが可能……実に緑単らしいアグロデッキを現スタンダードでは組むことが可能なのだ。これらのクリーチャーらに《狩猟の統率者、スーラク》で速攻を付けてぶん殴る!これが最高に気持ち良いんだぁ。

 

 アグロデッキは息切れが起こるのが世の常。全力でスタートを切るのだから仕方がない、こっちは100メートル走をするつもりだが、相手が抵抗すればゴールまでの距離はどんどん伸びて長距離走に陥ってしまうことも。そうなると手札を使い果たしてゼエゼエと息を切らした状態に陥ったアグロは簡単に組み伏せられてしまう。その対策手段としてなんらかのアドバンテージ源を仕込んでおくのが重要で、このデッキではパワー4以上をテーマとしたアドバンテージ獲得法を導入している。

 《荒野無頼団の先駆者》はパワー4以上のクリーチャーが戦場に出れば1ドロー、《ガラクの蜂起》も同じ条件で1ドロー&このエンチャントが出た時にパワー4以上が居てもドローと、それぞれ2枚以上のカードを引き込める可能性アリ。ここに《神出鬼没の狩人、スーラク》も加えれば、中距離から長距離走になってもある程度対処できるはず。スタミナを支えるカードをしっかり備えることが勝利のカギであり、またこれらのアドバンテージ源はカードを引くだけでなくそれ自体がクリーチャーだったりトランプルを持たせるなど、攻撃面でも活躍するものであることがとても重要だ。

 

 もう1つ気になる新カードは《群れの家宝》!このアーティファクトはマナ加速であり、クリーチャーの展開を手助けしつつ……十分にクリーチャーが出せれば今度はそれにトランプルを与える。そしてそのクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えることに成功すると、これまた1ドローをご提供。というわけで《ガラクの蜂起》に近い運用が可能なのだと想像できる。2マナとより軽くマナ加速としての役目も担うため、こちらはこちらで強い場面があるはずだ。蜂起と併用して使用感を確かめてみるのが良いかな。

 というわけで現環境の「緑単アグロ」と、それに加わり得る新カードを確認してみた。個人的にはかなり思い入れの強いアーキタイプであり、スタンダードで強い緑単が組めるのであればテンションが上がるというもの。さて、タルキールはこの夢を叶えてくれるのか?

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