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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

追放カードで神頼み、ケトラモーズ・コントロール(スタンダード)
困った時の神頼みというが、果たしてそんなに都合が良いものなのか?普段から信心深く過ごしていれば神頼みも認められるのかもしれないが、そうでなければ……例えばマジックでも、皆大ピンチの時の最後にして最大のチャンスが訪れた時「お願い!」と祈りながらドローしたこと、あるでしょ。そしてそういう時ってほとんどの場合、ほしいものが引けないんだよなぁ。マジックにあれもこれも捧げたプロプレイヤーならあるいは”マジックの神”が微笑むのかもしれないけどもね……まあ目に見えないマジックや勝負事の神からの恩恵は受けられなくとも、物質として存在する神・クリーチャーのカードの力を頼ることはできる。
しかしマジックの神々もそうやすやすと力を授けてくれるわけではない。神のタイプを持つクリーチャーの多くは、何らかの条件を満たさないと戦闘に参加してくれないものだ。何らかの形で信仰心を示す必要があり、最新の神の一柱である《新たな夜明け、ケトラモーズ》は、追放されているカードが7枚以上なければ戦闘には参加できない。かなりハードルの高い条件ではあるが、これを満たすことが出来れば3マナ4/4威迫・絆魂・破壊不能というまさしく神スペックでその威光を示してくれる。7枚ものカードを追放するにはパーマネント・手札・墓地といった領域から何らかの呪文や能力を用いてコツコツとやっていくことになるだろう。
手間はかかるが、ケトラモーズはとりあえずパーマネントか墓地を追放するというアクションを取るだけでも恵みをもたらしてくれる。1点のライフを失うが、1ドロー!これはゲームを決定づける強烈なボーナスだ。この能力に着目してそれを活かす構築を施されたモダンのデッキで活躍を見せるケトラモーズ。今回はこの最新の神を用いたスタンダードのデッキを取り上げさせていただこう。モダン程簡単にはいかないが、スタンダードでも十分にこのカードを輝かせることは可能だ!
4 《ブリーチボーンの境界》 4 《秘密の中庭》 4 《薄暗い裏通り》 2 《眠らずの城塞》 1 《草萌ゆる玄関》 4 《解体爆破場》 4 《平地》 2 《沼》 -土地(25)- 4 《新たな夜明け、ケトラモーズ》 2 《跳ねる春、ベーザ》 -クリーチャー(6)- |
2 《苦痛ある選定》 2 《お別れの突風》 2 《一巻の終わり》 4 《軍勢を灰に》 4 《一時的封鎖》 3 《死人に口無し》 4 《魂探り》 1 《古からの確執》 2 《中止 // 停止》 4 《精神迷わせの秘本》 1 《無形の処刑者、ケイヤ》 -呪文(29)- |
3 《領事の権限》 2 《悪魔祓い》 2 《ウルザの酒杯》 2 《除霊用掃除機》 2 《脅迫戦術》 1 《束縛の交渉術》 1 《古からの確執》 2 《不浄な別室 // 祭儀室》 -サイドボード(15)- |
スタンダードの白黒2色のコントロールデッキだ。このカラーでのコントロールと言えば、ボード・コントロールと形容されるものが代々組まれている。ボード、すなわち盤面。戦場のクリーチャーを中心としたパーマネントを徹底的に除去し尽くし、対戦相手がゲームに勝てない=こちらの勝利が近づく、というゴールを目指す。パーマネントと1:1でカードを交換しているといずれ対処しきれなくなるというのがボードコンの負けパターンで、ケトラモーズのドローはまさしくそれを防いでくれるうってつけの1枚というわけである。
あまり他のデッキでは目にしない《お別れの突風》《軍勢を灰に》などの追放除去をタップリ盛り込み、どんな角度からでもケトラモーズを誘発させるという強い決意を表明している。手札破壊も捨てさせるのではなく追放する《魂探り》を採用することで、ドローは誘発させられないがケトラモーズの戦闘参加を促す心意気だ。《中止》《精神迷わせの秘本》といったほかのドロー手段もケトラモーズと好相性で、手札が途切れない最高のボードコン体験を味わえる仕上がりだ。
さて、ケトラモーズと相性が最高な1枚を紹介しておこう。《死人に口無し》!これはすべてのクリーチャーを破壊する全体除去で、破壊ということは破壊不能のケトラモーズだけは戦場に残ることになる。そしてそれでいてこのカードは何かと墓地のカードを追放する。まずは唱えるときに追加コストで証拠収集を支払うか否かを選ぶわけだが、このコストの支払いは墓地のカードを追放して行う。マナ総量が6以上になるように追放して唱えて、まずはこれで1ドロー。そして《死人に口無し》解決、全クリーチャー破壊後に証拠収集していた場合、対戦相手の墓地からカードを1枚追放する。これで2ドロー、そしてその後にそのカードと同名のカードを手札・ライブラリー・そして墓地から追放する……この墓地からの同名追放でもケトラモーズは誘発、最大で3ドロー!対戦相手の攻め手を根こそぎ排除しつつの手札補充、アドバンテージを稼ぐどころの騒ぎではない。こんなのが決まったらもう終わりだ!
《古からの確執》は現在のスタンダードで輝くチョイスだ。これは《死人に口無し》にも似た根こそぎカード追放ソーサリー、手札・ライブラリー・墓地から同名を全部ぶっこ抜きなのでケトラモーズ・チャンスもある。これは特に全知コンボのような特定のカードが勝利に必須のデッキに効果的だ。これ1枚で勝負アリということもそう少なくはないぞ。
そして実際にこの《古からの確執》を使ってみて気付いたのだが、最近のこの手のカードにしては珍しい仕様だね。ここしばらくの同名追放カードは、対戦相手の手札から指定したカードが追放された時には、代わりの手札をドローさせてあげるというちょっとした優しさを持っていた。しかしこの確執は手札を確認する前にカード名を指定するというのもあってか、対戦相手の手札が何枚追放されようが知ったこっちゃない、補填はしない!というストロングスタイル。良いね、この感じ懐かしいぜ。カード名の《古からの確執》ってのはコンボデッキに対して追放することで対処する黒ユーザーという構図のことを意味する、メタ的なネーミングなのか?
祈ってドローしようが引くカードの内容が変わることはないのだろう。しかし困った時には神頼みしたくなるのが人間というもの。ケトラモーズなどの神々を主役としたデッキを組んでその信仰心を示せば、いざという時に奇跡をもたらしくれる……かもしれないね。
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