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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ハサミアグロ、航路についていざ3枚ドロー(パイオニア)

岩SHOW


 皆カードを引くのが大好きだ。ドロー呪文を嫌いという人はいないはず、強がらずに素直になりなよ。手札が空っぽの状態よりもいっぱいあった方が嬉しいに決まっている。新たなドロー呪文が出るたびに、我々はそれを試してお気に入りを見つける。手札の多さは勝利に直結する、何よりもウハウハできる。そんな我々を幸せにしてくれるドロー呪文の最新作が……

 

 《帰還航路》!カードを3枚引いて3点のライフを得る、白青のソーサリーだ。これがもたらす恩恵は非常に大きい!いかにドローしてもライフがなければそれらを使う時間がないため、オマケの回復が染み渡ることもあるだろう。問題はこれを唱えるのにかかるコストで、素の状態であれば計7マナ。アドバンテージは稼げるとは言え、これでは少し重すぎる。しかしこの呪文を唱えるのに真面目にそんな大量のマナを用意する必要はない。親和能力でアーティファクトを参照し、その数だけコストを軽減できる。最大軽減で色マナ2つのみ、こうなればマナ効率はとんでもなく優秀なものに。

 そのためこのソーサリーを用いるなら、アーティファクト要素をたっぷり盛り込んだデッキが良い。たとえば、こんなリストとかね。

Kagimoto Gen'ya - 「アゾリウス魂込め」
月曜からパイオニア 3-0 / パイオニア (2025年3月3日)[MO] [ARENA]
4 《神聖なる泉
4 《金属海の沿岸
4 《フラッドファームの境界
1 《不穏な投錨地
3 《ダークスティールの城塞
2 《平地
2 《
-土地(20)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
3 《スレイベンの検査官
3 《ひよっこ捜査員
3 《内なる空の管理人
4 《記録の守護者
-クリーチャー(17)-
3 《金属の叱責
4 《帰還航路
4 《バネ葉の太鼓
2 《ポータブル・ホール
1 《薄暮薔薇の聖遺
4 《アーティファクトの魂込め
3 《魅知子の真理の支配
2 《幽霊による庇護
-呪文(23)-
1 《謎めいた外套
2 《軽蔑的な一撃
1 《薄暮薔薇の聖遺
1 《失せろ
2 《神秘の論争
2 《ポータブル・ホール
2 《安らかなる眠り
2 《幽霊による庇護
2 《呪文貫き
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 というわけでパイオニアの《アーティファクトの魂込め》アグロをご紹介。キーカードである魂込めのイラストより「ハサミ」と表現されることもあるアーキタイプだ。軽いアーティファクトを展開してそれに魂込めをエンチャントしてクリーチャー化、速やかに殴り切るのを狙ったアグレッシブなデッキで、パイオニア黎明期より存在するそれなりの歴史を持っている。

 このデッキでは《遠眼鏡のセイレーン》や《スレイベンの検査官》から得られるトークンや《ポータブル・ホール》《薄暮薔薇の聖遺》など他の役割をこなした後のアーティファクトを5/5にして殴るの狙っている。とりわけ魂込めの対象になりがちなのは《ダークスティールの城塞》で、破壊不能を持つ上に土地として戦場に出せる0マナのアーティファクトであるため、ハサミアグロにおいては理想の物件。

 というわけで序盤からアーティファクトを並べていくのが得意なこのデッキに《帰還航路》を取り入れたものが上記のリストだ。淡々と展開していけば航路を3マナ程度で唱えられるため、手札切れに本当に強い。序盤から一気に展開して早いターンに息切れとなってしまうこのデッキの弱点を見事にカバーするチョイスで好感触だ。

回転

 

 トークンや土地などでアーティファクトが並ぶことには他のカードにとっても意味がある。《帰還航路》と共にやってきた親和持ちの中でも癖がなく扱いやすい《記録の守護者》は様々なアーティファクト系デッキで引っ張りだこだ。派手さこそないが飛行持ちでタフネス4、青マナシンボル一つまでコスト軽減可能というのはなんだかんだで強く、早期ターンに出せれば戦闘が一気に有利に。

 そして《魅知子の真理の支配》!アーティファクトやエンチャントの数を参照してその分パワー/タフネスを強化する、そして自身もそのサイズのクリーチャーとなる非常に強力な1枚だ。ここしばらくは魂込めアグロが青赤2色になる傾向にあったので、目にする機会が減っていた。《帰還航路》が参入したことで白をとる意味が増したことで、またこの強力英雄譚を使って気持ちよくなったり、ぶん殴られてひどい目に合うことが増えるのだろうと思うとなんとも楽しみでたまらない。

 《帰還航路》で故郷に帰ろうとしているロボットたちはどこから来たのか詳細は不明だ。未知の世界からもたらされたドロー、その恩恵を有難く享受しつつ、いつか彼らが造られた世界が舞台となったらさらに親和(アーティファクト)なカードが増えるのかな……なんて想像を膨らませながら楽しんでいきたいところ。アーティファクトを並べて3枚ドロー、引いてきた2枚目の航路でまた3枚ドロー!この動き、嫌いな人いないでしょう?

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