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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

マルドゥ・モニュメント:記念碑に集った意外なメンツ(スタンダード)
『霊気走破』は3つの次元をかける大レースを描いている。その中には久しぶりの登場となったアモンケットが含まれている。かつて神々とそれを崇め、その試練に挑んだ人々が住まう古代エジプト風の次元だったが……様々な戦いを経て、今は文明が再興する刻を迎えている。この次元の人々の忍耐力には感嘆するばかりだ。
そんな人々……生者も死者も含めて、激動の時代を耐え忍び抜いた者たちを讃えるべく《忍耐の記念碑》が建てられたのだろう。この記念碑、カードとしても大変魅力的なものとなっている。手札からカードを捨てることで誘発し、3つのモードを各ターンに1度選択することができる。1ドロー・宝物生成・対戦相手が3点ライフルーズ……と、いずれのモードも勝利に貢献するオイシイものだ。対戦相手に酔って手札を捨てさせられる、手札破壊の対策カードのようにも見えるが、このアーティファクトは誰にどのように捨てさせられたかは関係なく誘発する。ということで各種コストの支払いで手札を捨てるタイプのカードと組み合わせて使ってみたい1枚だ。
アモンケットと言えばサイクリング能力で、これは手札からカードを捨てて代わりに1枚引くという起動型能力。度々再録されている能力だが、かつてアモンケットを舞台にしたセットでもこの能力がフィーチャーされていた。『霊気走破』でもそれを踏襲した形になっているね。そんなサイクリング能力と噛み合うようにデザインされた記念碑はまさしくアモンケットらしい1枚。捨てた分をドローで補填できるのが魅力的で、かつライフルーズを考えるとガンガン攻めるデッキでこそそのポテンシャルを引き出せそうだ。一体どのようなデッキで使えばよいのだろうか?その答えを追求したプレイヤーたちがプロツアーにデッキを持ち込んでいた!
4 《戦場の鍛冶場》 1 《コイロスの洞窟》 1 《硫黄泉》 4 《黒割れの崖》 4 《秘密の中庭》 4 《感動的な眺望所》 4 《マイコシンスの庭》 1 《山》 -土地(23)- 4 《逸失への恐怖》 4 《新ベナリアの守護者》 2 《太陽の執事長、インティ》 4 《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》 3 《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》 2 《ヴォルダーレンの興奮探し》 -クリーチャー(19)- |
2 《噴出の稲妻》 3 《塔の点火》 3 《苦々しい勝利》 2 《救いの手》 4 《再稼働》 4 《忍耐の記念碑》 -呪文(18)- |
3 《第三の道のロラン》 1 《ヴォルダーレンの興奮探し》 1 《叫ぶ宿敵》 1 《審判の日》 3 《害獣駆除》 1 《邪悪を打ち砕く》 3 《幽霊による庇護》 2 《除霊用掃除機》 -サイドボード(15)- |
というわけでプロツアー『霊気走破』参加者がスタンダード・ラウンドにて使用していた「マルドゥ(赤白黒)モニュメント」だ。記念碑を主軸とし、3色から手札を捨てる要素を寄せ集めたデッキになっている。3枚が揃って同じ同様のリストを持ち込んでいるため、チームで調整したデッキということがわかる。残念ながらこのデッキが好成績を残すことはなかったが、しかしそのリストは刺激的で興味を引くものになっている。基本構造は白と赤のクリーチャーらで攻めるというもの。《逸失への恐怖》《太陽の執事長、インティ》とスタンダードでもお馴染みの面々が並ぶ。これらは戦闘面でも頼もしく、手札を捨てて代わりのカードを手に入れるという質のアドバンテージを取れるクリーチャーである。これらと記念碑があわされば手札もマナも満たされ、さらには対戦相手のライフを追い詰めていけるという算段。
そしてここに黒の《苦々しい勝利》のようなカードが加わり、手札を捨てるムーブを強化してるわけだが……そこに白という意外なチョイス。手札を捨てるという無謀なアクションを取るイメージが薄い白だが、現スタンダードにはマナが不要でいくらでも手札を捨てられる白いカードがある。《新ベナリアの守護者》だ。手札を捨てることで破壊不能を得る、防御的な目的で手札を捨てる1枚である。戦闘で一方的に打ち勝ったり除去を耐えたりということができるぞと、対戦相手に牽制するような能力であるわけだが、記念碑があればこの能力が実質的にサイクリングとして機能したり、不要カードで相手のライフを溶かしたりと、本来の想定を超えた働きを見せるようになる。記念碑が複数枚並べば一瞬にしてゲームエンドまで持っていく力もある。このチョイス、面白い!
捨てたカードまで利用することが出来れば、記念碑デッキの完成度はより高まるだろう。このデッキの白は新ベナリアのみならずこの部分も担当している。《救いの手》《再稼働》で墓地に落ちたクリーチャーらを釣り上げて利用する、単純明快なリアニメイト戦術!特に《再稼働》は記念碑も拾えるため、これが破壊されたり打ち消されても安心というナイスチョイス。《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》も同じく記念碑含めこのデッキのあらゆるパーマネントを釣り上げられるため、コウモリがこれしかいなくてもOK。記念碑ファーストでデッキ構築すると、なかなか意外なメンバーが集結するのがマジックの奥深さを感じさせてくれる。《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》はこれらのリアニメイト手段で墓地から釣り上げることで能力が誘発、手札を捨てて3枚ドロー!記念碑抜きにしても強い動きなので、決められる時には狙っていきたいものだ。
この「マルドゥ・モニュメント」は先にも触れたようにプロツアーの舞台で結果を残したわけではない。しかしそのスパイスの効いた刺激的な構築は、世界中のプレイヤーにインスピレーションを与えたことだろう。ランク戦や地元の大会で試してみるも良し、これをベースに自分なりのリストを練り上げるも良し。アツいリストをありがたく受け取って、君なりの記念碑デッキを組んでみよう!
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