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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

おたからの力を引き出せ!ティムール消尽(スタンダード)

岩SHOW
 

 マジックの背景ストーリーではキーとなる存在がいる。かつてはウルザ、ジェラード、カマール、テフェリー、ニコル・ボーラス、エルズペス……現在のマジックにおけるそのポジションはおたからだな。『サンダー・ジャンクションの無法者』で登場したこのキャラクターにはまだまだ謎が多い……というか謎しかない。多元宇宙の様々なことを知覚できる能力を持ち、ジェイスはそれ使って何かをしようと企んでいそうな……愛らしさを振りまきながらも、悲しみを背負うポジションにいるおたからがこの後どういった運命に翻弄されるのか、こうご期待というところ。

 とりあえずカードとしては3枚目になる《開拓者、おたから》が登場。『霊気走破』の新能力、1回こっきりの使い切り起動型能力・消尽を3つ持つカードとして作られた。緑の3マナ加速、赤の3点ダメージも強力だが、なんといっても目を引くのは3枚ドロー!おたから自身が速攻持ちというのもあって、出したターンに起動してまずはガッポリ大きなアドバンテージを稼ぎたいところ。非常に魅力的な神話レアとして、我々のパック剥きを加速させるおたから……これを使って組むデッキはどんなものが良いだろうか?今回は良きサンプルとなるデッキを発見したので、そちらのリストをご覧いただこう!

Domen Lušin - 「ティムール消尽」
地域チャンピオンシップ予選(オーストラリア、クラーゲンフルト) トップ8 / スタンダード (2025年2月15日)[MO] [ARENA]
4 《カープルーザンの森
3 《シヴの浅瀬
2 《ヤヴィマヤの沿岸
4 《銅線の地溝
4 《尖塔断の運河
4 《植物の聖域
1 《
1 《
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
1 《機能不全ダニ
4 《竜航技師
4 《逸失への恐怖
4 《アフターバーナーの専門家
3 《上げ潮、キオーラ
2 《ヴォルダーレンの興奮探し
3 《開拓者、おたから
-クリーチャー(25)-
4 《希望の種子
4 《浚渫機の洞察
4 《アガサの魂の大釜
-呪文(12)-
4 《噴出の稲妻
3 《紅蓮地獄
2 《声も出せない
2 《機能不全ダニ
2 《排撃の変異
2 《呪文貫き
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 スタンダードのティムール(緑青赤)カラー、消尽をテーマとしたデッキだ。おたからのその能力を使うには……《アガサの魂の大釜》!クリーチャーの起動型能力を用いる、というのならやっぱりこの大釜の出番。スタンダードやパイオニアでも人気の高いこのアーティファクトで、墓地のお宝を追放。それによってクリーチャーに+1/+1カウンターを与え、同カウンターを持っているクリーチャーはすべておたからの起動型能力を得る……つまり、消尽を1回のみと言わずにあっちやこっちで使い放題!手札をバリバリと増やし、それを消費するためのマナをメキメキと産出し、ダメージをゴリゴリ叩き込む……最高~ッ!他にも消尽クリーチャーや、大釜の友《ヴォルダーレンの興奮探し》らを取り揃え、それらを墓地に送り込んで大釜に放り込み、ぐつぐつ煮込んで最強スープをクリーチャーに振舞う……この「ティムール消尽」はパワフルでかつエンタメ力も高いデッキに仕上がっている!

 

 消尽と言えば《アフターバーナーの専門家》。消尽を起動すれば墓地から戦場に戻る、異常なテンションが売りの頭でっかちなヤツだ。大釜とおたからのコンボを促すにあたって、手札から捨てたり切削や諜報をしたりと、墓地にクリーチャーを送り込む手段は必須だ。それらでついでにアフターバーナーを落としておいて、おたからや《竜航技師》などの消尽能力を起動し。これをよみがえらせて一気にイカツイ盤面を作るというアプローチに至るのは自然な流れ。そして墓地にクリーチャーを送り込む手段として、《逸失への恐怖》《上げ潮、キオーラ》《浚渫機の洞察》ら捨てる手段、そして《希望の種子》などでの切削も行っていく。

 切削系の中でも注目すべきは《浚渫機の洞察》。このエンチャントは4枚切削をした後、アーティファクト・クリーチャー・土地のいずれかを拾い上げる能力を持つ。これで墓地を肥やしつつ、大釜などの重要なカードを確保するのが序盤の基本的な動きだ。そして戦場に残ったこのエンチャントは、アーティファクトやクリーチャーが墓地を離れると1点のライフをプレゼント。たかが1点だがされど1点、塵積ってやつでこういう積み重ねが接戦では勝負の分かれ目に。大釜で追放したりアフターバーナーが出撃したりすることでライフを得て、殴り合いはどんとこい!アフターバーナーは自力でカウンターが乗るのも偉いし、さらにこれ2枚だけで戦場と墓地をループさせられるため異常にしぶとい。墓地を活用して強い戦場を作る、この手のデッキが好きな人にはたまらない「ティムール消尽」。気になったのなら迷わず組めよ!おたからと君の行く末に幸あれ!

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