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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー眼魔:パーミッションとエネルギー対策(モダン)

岩SHOW
 

 前回はモダンの家となったエネルギーデッキ、その最新アプローチの一例を紹介した。《魂の導き手》や《オセロットの群れ》など1マナクリーチャーからして強く、1ターン目から対処を迫れるデッキというのはそりゃ強いわけだ。

 (あくまでガチな)モダンで勝てるデッキを組むのであれば、このエネルギー相手にどう戦うのかということを常に意識しなければならない。各々どのような対策を用いるのかというのは腕の見せ所だ。今回はそんな体エネルギーのアプローチについて、モダンの大会上位デッキのリストを見ながらチェックしていこう。

Dazai - 「エスパー眼魔」
Magic Online Modern Challenge 64 トップ4 / モダン (2025年1月31日)[MO] [ARENA]
4 《汚染された三角州
2 《溢れかえる岸辺
2 《湿地の干潟
2 《沸騰する小湖
2 《湿った墓
2 《神聖なる泉
2 《地底街の下水道
2 《闇滑りの岸
1 《
1 《
-土地(20)-

4 《超能力蛙
2 《錠前破りのいたずら屋
4 《忌まわしき眼魔
2 《濁浪の執政
-クリーチャー(12)-
4 《考慮
4 《対抗呪文
4 《呪文嵌め
3 《否定の力
1 《呪文貫き
4 《致命的な一押し
3 《害獣駆除
1 《虚無の呪文爆弾
4 《発掘
-呪文(28)-
3 《記憶への放逐
1 《呪文貫き
3 《思考囲い
1 《海の先駆け
2 《虚無の呪文爆弾
4 《厳しい説教
1 《害獣駆除
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 青をメインとしたこのリスト、色々と注目すべきポイントはあるが、まずは非クリーチャー呪文に多数並ぶ打ち消しから触れていこう。《対抗呪文》を筆頭に、この環境の打ち消しが4種合計12枚。サイドボードからは更に《記憶への放逐》水増しも可能だ。このような青い打ち消し呪文を構えて戦うデッキを古くはパーミッションと分類した。パーミッションとは許可のことで、打ち消しを持っているであろうプレイヤーに「これは通りますか?」と相手が許可を取るかのようにプレイする光景からそのように名付けられた。パーミッション好きはとことんこの戦術が好きなもので、モダンであれば様々な打ち消しがその望みをかなえてくれる。

 注目のカードは《呪文嵌め》。《オークの弓使い》《ナカティルの最下層民、アジャニ》といったクリーチャーをはじめ、《死の国からの脱出》《アガサの魂の大釜》《ルビーの大メダル》《日を浴びる繁殖鱗》といった各種コンボのキーカードなどなど、モダンには2マナの強力なカードがひしめいていることをこの構成から感じ取れる。

 

 さてそんな打ち消しを主体としたパーミッションだが、このジャンルも全てが同じように戦うわけではない。大きく分けて2つの型に分かれる。最後の最後、相手が何もしてこなくなるまでクリーチャーなどを出さない完全なコントロールタイプ。そしてその逆で、割と自分からもクリーチャーなどを展開して攻撃しながら打ち消しを行っていくタイプ。今回のデッキはその後者にあたる。クリーチャーなどの対戦相手のライフなどを攻め勝利への時を刻んでいくクロックを用いる、クロック・パーミッションと呼ばれるアーキタイプだ。

 このデッキのクロックはまず《超能力蛙》。2ターン目に出せる軽さと、攻撃が通ればカードが引けるという能力がクロック・パーミ的には最高に嬉しい。素のサイズは小さくとも、手札を捨てればカウンターで永続的にサイズアップ。余剰の土地はもちろん、打ち消しやクリーチャー除去がいらない状況になったらガンガン捨てて打点を高めてクロックを上昇させ、勝利へのターンを刻みつつ手札を完璧なものに仕上げていく。

 そしてもう一つのメインクロックが《忌まわしき眼魔》!5/5飛行に加えて戦慄予示で数の勝負も挑める、クロックを縮める超優秀クリーチャーだ。普通に唱えるにはマナは良いが、墓地追放が少し手間である。そこで蛙で手札を捨てたり、《考慮》などで墓地を増やしたり……あるいは、それらでこの眼魔自体を墓地に落とすのもアリだ。《発掘》でリアニメイトすれば、たった1マナで眼魔が戦場に!軽いアクションなので打ち消しを構えながら行えて、無事に通ればあとは除去やら相手のコンボやらを弾きつつ、眼魔の圧倒的な戦闘力で制圧!無敵のゲームプラン、これはそそられる!

 

 さて、冒頭で触れたエネルギーへのアンサーだが、このデッキでは青黒のクロック・パーミに白を足すことで対抗策を設けている。《害獣駆除》!このソーサリーは1マナ以下のパーマネントを土地以外、すべてまとめて薙ぎ払う!これにより導き手やオセロットといったクリーチャー、そして各種トークンを成敗。あとはフレージのようなヤバいやつに打ち消しや除去の照準を絞り込むというアプローチで勝負だ。「ディミーア(青黒)眼魔」デッキも多いが、そこに《害獣駆除》を加えてよりエネルギーや他の小型クリーチャーデッキを意識した作りのエスパー(白青黒)の眼魔デッキも、ビジュアルのカッコよさも含めてオススメだ。

 モダンは自分のやりたいことを押し付けていくデッキばかりの時期もあったが、今現在は打ち消しの充実も相まってパーミッションにも活躍する余地が十二分にある。《超能力蛙》《忌まわしき眼魔》ら優秀過ぎるクリーチャーでのノックダウンを打ち消しでサポートする、さあ君も《対抗呪文》を構えよう!

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