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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ディミーア忍者:忍術ドロン!影のテクニックで翻弄(パイオニア)

岩SHOW

 私事もいいところなんだけどもね。最近、時代劇を観ることが増えた。元々おばあちゃんが時代劇好きで、ビデオに撮ったものをかけているリビングで、僕は畳にカードを並べてデッキ構築をしたりして過ごしていた。その時はどうこう思わなかったのだが、今の年齢になって昔の時代劇を観ると……めっちゃおもろいやんか。わかりやすい勧善懲悪、苦しめられる町民のために、高貴な身分の者が自ら町に出て事態の解決に奔走する……良いねぇ、結局こういうわかりやすいエンタメが最高なんだな。そしてお約束、チャンバラシーンにて影から現れる忍びの者……あまりにも忍者すぎる忍者、何の捻りもないわかりやすさ。それが良い。

 

 そういえば最近マジックでも忍者が注目されているんだったか。《悪夢滅ぼし、魁渡》!魁渡はすっかりマジックにおける忍者の顔となった。彼はその忍者の頭目ポジションに恥じないカードとしてデザインされている。忍者をすべて強化する紋章はもとより、本人もプレインズウォーカーでありながら忍術持ち。ブロックされなかった攻撃クリーチャーと入れ替えることのできる忍術、これにより4マナのプレインズウォーカーでありながら実質3マナの攻撃クリーチャーとして戦場に出せる。打ち消し呪文をすり抜けて出てくるプレインズウォーカーなんてハッキリ言って反則だ。そうして攻撃を叩き込みつつ、紋章を作って自分や他の忍者を強化しても良し、あるいは諜報しながらドローしても良し、さらに相手のクリーチャーをタップして麻痺させても良し……どの能力もめちゃ強なので、彼を忍術で戦場に出せれば勝利がグッと近づく。

 このカードはスタンダードでも存在感を放っているが、忍者の選択肢が増えればそれはより強固なものとなる。というわけで今回はパイオニアの忍者デッキをご紹介!

Rafał Tankiewicz - 「ディミーア忍者」
3City League (FDN) #5 準優勝 / パイオニア (2024年12月30日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
4 《闇滑りの岸
4 《グルームレイクの境界
4 《清水の小道
1 《天上都市、大田原
3 《変わり谷
2 《
-土地(22)-

4 《羽ばたき飛行機械
4 《フェアリーの悪党
2 《千の顔の影
4 《フラッドピットの溺れさせ
4 《月回路のハッカー
2 《潜入者、悟
1 《厚かましい借り手
3 《マネドリ
-クリーチャー(24)-
4 《致命的な一押し
1 《無情な行動
4 《思考囲い
1 《漆月魁渡
4 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(14)-
3 《苦痛ある選定
2 《鋼と油の夢
2 《呪文貫き
2 《軽蔑的な一撃
2 《永劫の好奇心
4 《虚空の力線
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 パイオニアの「ディミーア(青黒)忍者」!採用されている忍術持ちは《月回路のハッカー》《千の顔の影》、そして《悪夢滅ぼし、魁渡》という構成。ハッカーも魁渡も、忍術からドロンと出てきて対戦相手にダメージを与えることでドローに繋がる。そしてこれらの忍術の使い手と組み合わせることで輝くのが《潜入者、悟》!悟は唱えられずにクリーチャーを戦場に出すことでドローをもたらすので、これらの忍者が出入りすることで手札が全く切れずに攻め続けられるという寸法だ。

 

 そしてこれらの忍者を強く使うためには、とにかく軽くてそして回避能力を持ったクリーチャーが必要だ。《フェアリーの悪党》は1マナ1/1飛行と攻撃を通しやすく、そして戦場に出た時に同名のクリーチャーが他に戦場に居れば、これまたドロー。運よく複数枚を引くことが出来れば、それらを忍術で出し入れして……そこまでいくともうターン終了時に手札が8枚以上になっているかもしれない、そんなレベルだ。

 そして軽い飛行持ちと言えば《羽ばたき飛行機械》、皆大好きソプター!なにせそのコストは{0}、それで飛んでいるのだから最高だ。パワーも0?そんなことは忍術のタネになるのだから気にならない。むしろタフネスが2あるので、相手のパワー1飛行相手にブロック役になってくれるかもしれない。そして……コストが{0}ってことは唱える際にマナを支払わないということ。これは悟のもう一つの誘発条件を満たすので、忍術が手札に居ない場合は悟とセットで戦場に出すようにしよう。そこから忍者なり、ゲームに重要なものを引き込んで優位に立とう。こうして書くとこのデッキ、とにかくなんらかの方法でドローしているな。

 

 最近各フォーマットで人気を博している1枚と言えば《フラッドピットの溺れさせ》!このマーフォーク、マジでやり手。この手の相手のクリーチャーをタップする系の生物が2マナと軽く、しかも瞬速付きという異常さ。相手を寝かせるクセに自身は警戒持ちで殴りつつブロックに回れる器用さ。そして麻痺カウンターが乗っているクリーチャーを巻き添えにライブラリーに押し込む除去能力……この溺れさせは忍術と組み合わせると本当にすごい。溺れさせで攻撃宣言→ブロックされない→溺れさせの能力起動→能力解決前に忍術で溺れさせを手札に戻す……と動けば、相手のクリーチャーだけライブラリーに押し込まれて溺れさせは手札に戻って再利用可能。これをされるとその理不尽さに「なんかおかしくないか?」とさえ思える。この魚もまた忍びなのだな。魁渡で麻痺させて、それを溺れさせで戻すというテクもあり、とにかく小技で畳みかけたいプレイヤーからの高いシェアを集めている。今最も旬なカードの一つである。

 

 忍者って最高だ。本物の忍びは忍術使ったり手裏剣投げたりしなかった?そんなことはどうでもいい、俺たちは忍術を駆使するコテコテの忍者が好きなんだ。暗闇から音もたてずに現れる影の住人、忍者たち。《悪夢滅ぼし、魁渡》で忍者を束ねて、忍者デッキを楽しもう!僕はこのリストを真似ようとして、一部持っていなかったカードがあったので《狡猾な侵入者、魁渡》を代わりに採用してみたが……このカードも面白い!テクニカルなものに仕上がっているのでこちらもオススメしておこう。

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