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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

師走のサプライズ!物あさり復活、今こそホロウワン(モダン)

岩SHOW


 モダン環境、大変革!12月16日の禁止制限カードの改定により、特にモダンは大きな影響を受けることになった。禁止カードもさることながら、注目すべきはやはり禁止が解除された解禁カードたち。今回解き放たれたカードは実に4種類!思い切った枚数だが、これでモダンは刺激的でより注目度の高いフォーマットになったことは間違いない。

 他のカードを使うという選択肢をなくしてしまうほど強いカードや、暴れ回ったデッキのパーツが禁止カードに指定される。この度禁を解かれたものたちは、時代の流れと共にそろそろ戻ってきても問題ないと判断されたのだろう。『モダンホライゾン3』など最近のセットでカードパワーも大きく底上げされてるしね。というわけで今回はモダンにて解禁されたカードの中からこの1枚をピックアップ。

 

 《信仰無き物あさり》!いやぁ懐かしい。このソーサリーが禁止になったのはもう5年も前だ。最近モダンを始めたプレイヤーはこのカードがプレイされているところを見たことない人も多いだろうね。カードを2枚引いて2枚捨てる、手札入れ替えを行う呪文だ。手札の枚数が増えるわけではなく、むしろ減ってしまうが、1マナで2枚のカードをドローできるカードというのはそうそうない。フラッシュバックコストを支払えば墓地から唱えられ、これにより手札枚数の損がなく入れ替えを行える。

 このカードが何故禁止になったのか?それはカードを捨てることをメリットにするカードたちがいるからだ。

 

 手札を捨てること、それは墓地にカードを送るということ。《弧光のフェニックス》《復讐蔦》《恐血鬼》のように、墓地から戦場に戻ってくるクリーチャーだったり、大型クリーチャーを捨てて《御霊の復讐》でリアニメイトするという動き。この準備を物あさりはたった1マナで行える。キーカードを引き込みながら墓地に落ちると得するカードを捨てる。デッキの潤滑油として物あさりは最高の働きを見せてくれる。

 そして《臭い草のインプ》のような発掘能力を持ったカードとの相性はまさしく抜群。発掘を持ったカードを捨てる手段であり、かつ2枚ドローを発掘に置き換えてライブラリーを切削することでゴリゴリと墓地を増やしていける。そうやってたんまり墓地を貯めたら美味しく利用しようってわけだ。

 様々な墓地利用デッキを世に輩出したことで、環境に大きな影響を与えてしまっているとして《信仰無き物あさり》は禁止となった。しかし5年の間にモダンの後継も様変わりし、今現在のデッキたちとかつての物あさり系デッキ達とで戦えば、どのような結果になるのか?この解禁によりモダンに新しい流れをもたらそうという気概を感じるね。

ShadowTitan1 - 「ホロウワン」
Magic Online Modern League 5-0 / モダン (2024年12月17日)[MO] [ARENA]
4 《血染めのぬかるみ
3 《樹木茂る山麓
3 《血の墓所
2 《黒割れの崖
1 《大音声の劇場
2 《栄光の闘技場
2 《
-土地(17)-

4 《ネザーゴイフ
3 《ドラゴンの怒りの媒介者
4 《探偵のフェニックス
4 《オークの弓使い
2 《逸失への恐怖
4 《虚ろな者
4 《通りの悪霊
-クリーチャー(25)-
4 《稲妻
1 《タール火
1 《暴力的衝動
4 《ミシュラのガラクタ
4 《信仰無き物あさり
4 《燃え立つ調査
-呪文(18)-
4 《虚空の力線
1 《魔道士封じのトカゲ
3 《溶融
2 《溶鉄の崩壊
2 《紅蓮地獄
1 《ラクドスの魔除け
2 《思考囲い
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 そんな衝撃の解禁日、半日経たずしてMagic Online上でのリーグ戦の全勝デッキリストが公開された。早い!このスピード感、環境が動いている感じがたまらないね。そこに掲載されていたリストの中から今回はこちらの「ホロウワン」をご紹介!ホロウワンとは《虚ろな者》の英名が由来のアーキタイプで、主役は勿論このアーティファクト・クリーチャー。こいつはそのターンに自分が捨てたカード1枚につきコストが{2}軽減される。2枚捨てれば{1}で唱えられるようになるため、《信仰無き物あさり》を唱えればこれ1枚で1マナに!2ターン目に手札を入れ替えながら4/4を出せるので、序盤から対戦相手にプレッシャーをかけることが可能だ。

 物あさりと共にホロウワンを加速させる要素として《燃え立つ調査》を使うのがこのアーキタイプの特徴。3枚引いて3枚無作為に捨てるという、ランダム要素が非常に強い《燃え立つ調査》、これの恐ろしいところは対戦相手にも同じ動きを強要するところ。1ターン目に唱えたりすると、対戦相手のキープ基準となったカードを捨てさせてプランをグズグズに崩壊させるなんてことも起こり得る。クセの強いこの調査で、運良くホロウワンが手札に残ったなら、コスト{0}で叩きつける!それこそ5年も前のモダンでは1ターン目にホロウワンを複数体並べるなど、狂気じみたゲームを目にすることがあった。《信仰無き物あさり》のカムバックで、ホロウワンも眠りから目覚める!《通りの悪霊》や《逸失への恐怖》などで手札を捨てて、虚ろにさまようゴーレムを降臨させよう。

 

 物あさりが居なかった5年の間もモダンの時は進み続けていた。その頃にはいなかった強力なカード達が、今ここに物あさりと組み合わさる!《ドラゴンの怒りの媒介者》など相性は抜群。カードを引いて捨てて墓地を肥やして、墓地利用カードの真価を発揮させる。1ターン目に出した《ネザーゴイフ》が2ターン目に物あさりや《ミシュラのガラクタ》《血染めのぬかるみ》などと組み合わさればパワー5になって攻撃!なんてのも夢じゃない。また《探偵のフェニックス》はホロウワンやゴイフに授与して飛行と速攻を与えることで、思わぬ大ダメージを生み出してくれる。これらのまだ若いルーキー的なカード達は物あさりがなくてもグッドカードだったが、思わぬベテラン選手の復帰を受けてさらに輝きを増すことだろう。

 個人的にも大好きなカードである《信仰無き物あさり》。これが再びモダンでプレイできる日が来るとは、感激だ。禁止になった時にそっと封をして眠らせていたデッキがある人は、今こそそれらを引っ張り出して再びプレイしてあげる時だ。新カードとの組み合わせで、思いもよらない動きも可能になっているはず!

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