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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)
昔から赤と言えば……戦隊ものとかで主人公やリーダー格に与えられるカラーだ。最近ではそうでもなくなってきているようだが、昔は主役は赤、一番人気は赤、とにかく赤!という中心に存在するカラーだった。ではマジックではどうか?赤という色は……その時代によりカードデザインが異なり、スタンダードにおいて主役となったりそうでなかったりを繰り返している色、という印象を受ける。カードデザイン、具体的に言うとダメージ呪文の強さだね。
大昔はそれこそ《稲妻》を使えた。クリーチャー除去として優秀、何より対戦相手に直接ダメージを与えられるのが大きい。この《稲妻》が基本セットの定番だった時代もあったのだが、これでは軽い赤のダメージ呪文をふんだんに採用したアグロやバーンなどのデッキが強くなりすぎる!ということで《火葬》や《ショック》に代替わりし、ダメージ呪文のパワーは徐々にダウンしていくことに。5・6マナ、あるいはそれ以上のマナ総量のカードを活躍させるための方針だったのだと思うが、しかしそれはそれで赤いデッキが活躍しなくなってしまう事態が起こったりもする。なので《稲妻》が再録されたりしてまた赤くて軽いデッキが隆盛し、ちょっとやりすぎかなとなるとまたダメージ呪文がパワーダウンして……を繰り返している。
そして2020年前後ではプレイヤーを対象に取れない、クリーチャーやプレインズウォーカーしか焼けない呪文が主流になり、少し寂しい時代が続いたが……近年は重いカードも強い!それを使わせないためのダメージ呪文も選択肢に!という方針になったのだろうか、《稲妻の一撃》以降、プレイヤーを対象に取れるダメージ呪文がまた復権している。
赤いデッキへのプッシュを如実に表しているのが『ファウンデーションズ』での《噴出の稲妻》再録だ。1マナ2点と標準的なインスタントの性能だが、キッカーコストを支払えば与えるダメージは倍になる。マナ総量は5マナと決して軽くはなく、積極的に5マナで4点与えたいものなのか?と思う人もいることかと。このカードの強みはその柔軟性だ。《ショック》をゲーム終盤に引いてきても、相手のクリーチャーを除去するにもプレイヤーのライフを削り切るのにも火力不足。でもそれが4点だったら大きく話は変わってくる。序盤であればさっさと2点ダメージの除去として投げてしまって、呪文の連打を求められるときも1マナで唱えれば良い。ゲームが長引いてマナの使い道がない……って時に舞い降りた《噴出の稲妻》は赤好きの五臓六腑に染みわたるものだ。
というわけで現スタンダードでは背中を押されている赤くて速いアグレッシブなデッキ。MTGアリーナの世界一を決める戦いでも、日本の佐藤啓輔選手が赤単に緑を足したグルールで見事に優勝!
4 《カープルーザンの森》 4 《銅線の地溝》 4 《ソーンスパイアの境界》 1 《不穏な尾根》 3 《岩面村》 6 《山》 -土地(22)- 2 《僧院の速槍》 4 《雇われ爪》 4 《心火の英雄》 4 《熾火心の挑戦者》 4 《多様な鼠》 3 《探索するドルイド》 2 《叫ぶ宿敵》 -クリーチャー(23)- |
4 《噴出の稲妻》 2 《ショック》 1 《塔の点火》 1 《抹消する稲妻》 4 《巨怪の怒り》 1 《蛇皮のヴェール》 2 《亭主の才能》 -呪文(15)- |
2 《塔の点火》 2 《石術の連射》 2 《焦熱の射撃》 4 《脚当ての陣形》 3 《ウラブラスクの溶鉱炉》 1 《探索するドルイド》 1 《陽背骨のオオヤマネコ》 -サイドボード(15)- |
《心火の英雄》《熾火心の挑戦者》らを《多様な鼠》で対象にし、二段攻撃やトランプルを与えながらそれぞれの能力を誘発させる、マウス(ハツカネズミ)パッケージ。破壊力良し、赤の苦手なアドバンテージも抜かりなし、コスト軽し。兎に角強いこの3点盛りを備えた赤いデッキは、現スタンダードをプレイする上で無視できない存在だ。人気と実力を兼ね備えているからこそ、マークもしっかりされている。ガードを上げてしっかり対策されながらも、微調整を施してプレイングも極めた赤いアグロが優勝!その強さを再度アピールすることになった。
《噴出の稲妻》もばっちり4枚採用し、除去兼最後の一押しとして、マウスらの攻撃を後押しし、残り僅かなライフを詰める。他に《僧院の速槍》《雇われ爪》《叫ぶ宿敵》などのダメージ効率に優れたクリーチャーらで構成し、そしてこれらのダメージ《巨怪の怒り》で跳ね上げる!トランプルがついて瞬間的にも継続的にもサイズアップ。マウスらの雄姿も誘発させ、最近の赤いアグロでこれを抜きにするのは考えられないレベルの、超定番カード!今後スタンダードをプレイする上で、この怒りは常にケアしなければならない必殺の1枚だ。
4 《戦場の鍛冶場》 4 《感動的な眺望所》 3 《眠らずの露営》 1 《騒々しい移動遊園地》 2 《岩面村》 6 《山》 2 《平地》 -土地(22)- 4 《雇われ爪》 4 《心火の英雄》 4 《熾火心の挑戦者》 4 《多様な鼠》 1 《岩山炎の後継者、メイブル》 2 《叫ぶ宿敵》 -クリーチャー(19)- |
4 《噴出の稲妻》 4 《稲妻のらせん》 2 《ボロスの魔除け》 4 《巨怪の怒り》 3 《破片魔道士の救出》 2 《幽霊による庇護》 -呪文(19)- |
3 《塔の点火》 4 《邪悪を打ち砕く》 1 《悪魔祓い》 1 《幽霊による庇護》 2 《安らかなる眠り》 1 《叫ぶ宿敵》 3 《ウラブラスクの溶鉱炉》 -サイドボード(15)- |
先ほどのリストは《探索するドルイド》や《亭主の才能》で継続戦闘能力をアップさせ、サイドには《脚当ての陣形》を備えて対応力の高いデッキに仕上げている。このグルールに対して、赤白2色のボロスも人気を二分する勢力になっている。
白を採用する理由は……除去でありライフが回復できる《稲妻のらせん》。これで赤いデッキとの同型戦を有利に戦う算段だ。さらに《幽霊による庇護》でもパーマネントを除去しつつ、クリーチャーに絆魂を持たせることでライフの削り合いどんとこい!《破片魔道士の救出》も除去耐性を与えることで《巨怪の怒り》を唱えやすくし、そして……ハツカネズミの親玉《岩山炎の後継者、メイブル》で全体強化と装備で攻める!というわけで最近の大会結果などでは、このボロス型が目立っている。あなたの好みはどっち?マウスと怒りでどちらの強さも折り紙付きだ。
ヒーロー、リーダー、主役の色、赤。現スタンダードでは間違いなく主役であり、世界王者を生み出したデッキは環境のエースだ。ダメージ呪文も強力となっている今こそ、熱血と激情の色で環境を駆け抜けよう!
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