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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
むかつきストーム:勝利のための怪しい助言(レガシー)
人生において、どんな人からでも学ぶことはある。誰もが人生の師だ。年齢や国などに関わらず、自分以外の人はみな自分の知らない世界を知っているのだ。そんな人たちから何かを教えてもらったり、助言をいただいた時には素直に受け止めて学びにする……そんな謙虚さを心がけたいものだ。
しかしまあ、本当にこの人の言うことを信じていいのか?と疑いたくなることもあるよね。明らかに怪しいアドバイス……そんな時に従うべきか、疑うべきか。マジックでも怪しすぎる存在からの教えを受ける、そんな呪文があったりする。主に黒にね。
《悪魔的助言》はその名の通り、悪魔からのアドバイス。悪魔、即ちデーモン。このソーサリーはライブラリーからデーモンを1枚手札に加えられる。デーモンが直々にその教えを囁きに手札にやってくる……ただ、墓地に4種類以上カードがあれば話は別だ。その状況下、昂揚と呼ばれる条件を達成すると、このソーサリーで持ってこれるカードはなんでもOKになる。2マナでこれは破格の性能だ。歴代でも最強のサーチカードである《悪魔の教示者》と同等になるわけだ。
スタンダードなどではデーモンを採用しているデッキでこの《悪魔的助言》を用いることがある。しかしこのカードを開き直って、昂揚していなければ何も持ってこられない!昂揚していれば重要なパーツを引き当てられる!そんな限定的な使い方を狙うデッキも存在しているぞ。フォーマットはレガシー、この環境であれば昂揚達成は狙いやすい。では、悪魔の助言に耳を傾けてそのリストを確認しよう。
4 《汚染された三角州》 4 《霧深い雨林》 1 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 1 《Bayou》 1 《Tropical Island》 1 《地底街の下水道》 1 《冠雪の島》 1 《冠雪の沼》 -土地(15)- |
4 《水蓮の花びら》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《暗黒の儀式》 4 《陰謀団の儀式》 4 《思考囲い》 2 《強迫》 2 《苛立たしいガラクタ》 2 《夏の帳》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《冥府の教示者》 4 《悪魔的助言》 1 《むかつき》 1 《炎の中の過去》 1 《苦悶の触手》 -呪文(45)- |
2 《突然の衰微》 3 《残響する真実》 2 《激しい叱責》 1 《狼狽の嵐》 3 《外科的摘出》 1 《根絶》 1 《死せざる者への債務》 1 《巣穴からの総出》 1 《深淵への覗き込み》 -サイドボード(15)- |
レガシーの伝統的なコンボデッキ、「むかつきストーム」。その名の通り《むかつき》を備えたストーム呪文で勝つことを狙っている。《むかつき》は5マナと比較的重いが、運が良ければ20枚以上手札を増やせるとんでもないアドバンテージ源だ。ライフの損失と相談になるが、レガシーであれば0~1マナのカードで固めたデッキ構築が可能なため、とりあえずむかつきまでこぎつければなんとかなる。《水蓮の花びら》や《暗黒の儀式》などでマナ加速、むかついた後は手に入ったそれらマナ加速と《渦まく知識》《思案》などでアクションを重ね……そのターンに唱えられた呪文の数だけコピーされるストーム能力を持つ《苦悶の触手》でライフを吸い尽くす。《むかつき》登場時から長きにわたってレガシーで愛される、やり込みがいのあるコンボデッキの一派閥である。
さて、このデッキにおいてサーチがいかに有効か、もう皆も勘づいていることだろう。《むかつき》も《苦悶の触手》もコンボ成立に重要なカード、墓地の呪文を使いまわせる《炎の中の過去》も勝利に繋がる1枚。でもこれらのマナ総量は……重い!複数枚ずつ採用すると、《むかつき》からうっかり複数枚捲ってしまってライフが0、という事態に陥ってしまう。これをなんとかするために、《悪魔的助言》によるサーチを駆使しようというわけだ。《汚染された三角州》《水蓮の花びら》《思考囲い》《暗黒の儀式》と動けば、これだけでもう昂揚が達成できる。悪魔の本気を引き出すのも意外と簡単だ。これで《むかつき》だったりその場その場で必要なものを手に入れてコンボを仕掛ける。
このリストではサーチの新顔と共に、昔から変わらない強力なサーチのパッケージも併用。それが《冥府の教示者》だ……怪しい人ばっかりから学んでるな……この教示者は手札のカードを1枚公開し、それと同名のカードをサーチする。《暗黒の儀式》《陰謀団の儀式》などのマナ加速をこれでかき集めるのも良いが、その本領は手札にカードが1枚もない時に発揮される。手札にカードがなければ何も持ってこれない……の逆!そうなると何を持ってきても構わない、万能サーチに早変わり。
ただ手札が空の状態って、実は昂揚よりも達成が難しいかも?意外と難度の高いこの条件を簡単に満たしてくれるのが《ライオンの瞳のダイアモンド》。これは手札をすべて捨てて任意のマナ3つを加えるアーティファクトだ。《冥府の教示者》を唱えてそれを解決する前にこのダイアモンドを起動すると、手札が空になってマナが増え、教示者で何でも持ってこれるように。ダイアモンドで得たマナで《むかつき》でも《炎の中の過去》でも、ストームが十分なら《苦悶の触手》でも唱えてフィニッシュへ。この教示者ダイアモンドのパッケージと、《悪魔的助言》とでサーチ8枚体制!コンボパーツが見つからないなんて事態は、これでもう起こらない!
悪魔も冥府も、勝利のためならどんな怪しい存在からでも教えを請い、助言を得る。マジックプレイヤーとしては理想の姿勢だ。しかしまあ、現実世界では……なんでも鵜呑みにしないようにしたいね!何が正しいか見定める能力も、いろいろ学んで鍛え上げたいものだ。
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