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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

悪魔と強欲、あげます。怪しい申し出にご用心(スタンダード)

岩SHOW

 どうも、こんにちは。今日は陽は照っていますけども、風が冷たいですなぁ。さっきからどうしたんです?なぁに何か悩まれているように見えたもので……マジックで勝ちたい?なるほど、何かカードをお探しなんですな……あなたに力を授ける、パワフルで魔力に満ち溢れた……そんなエンチャントなんかあれば良いですなぁ。そうだ、こうして声をかけたのも何かの縁。よろしければもらってくださいな、私のオススメの1枚……

 
James Spinelli - 「ラクドス・パクト」
K RCQ - Standard - SCG CON Columbus 7-2 / スタンダード (2024年11月16日)[MO] [ARENA]
4 《黒割れの崖
4 《ブレイズマイアの境界
4 《大音声の劇場
4 《不穏な火道
4 《
3 《
-土地(23)-

 
-クリーチャー(0)-
4 《塔の点火
2 《切り崩し
4 《喉首狙い
1 《溶鉄の崩壊
1 《兄弟仲の終焉
1 《ランクルのいたずら
4 《強迫
4 《謎の骸骨の事件
4 《鏡に願いを
4 《無害な申し出
4 《悪魔の契約
4 《強欲の計略
-呪文(37)-
4 《残虐爪の強奪
4 《石術の連射
1 《紅蓮地獄
1 《シェオルドレッドの勅令
1 《一巻の終わり
1 《真紅の鼓動の事件
2 《虚空の力線
1 《戦慄衆の将軍、リリアナ
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 なんて某セールスマンみたいに声をかけてくる怪しいイベントは起きないとは思うが、ことマジックのゲーム中において対戦相手がこちらに得をすることをしてくれる、なんてことは起こらない。何せ対戦ゲームだからね、相手はあの手この手で勝とうとしてくる。こちらを有利にしようと、好意を示してくるなんてことはあり得ない。だからどんなことをしてきても、疑ってかかった方が良い。《無害な申し出》というカード名であっても、それは有害に違いないのだ。

 このソーサリーは自身のパーマネントのコントロールが対戦相手にうつる、要するにプレゼントができる。イラストではかわいい猫ちゃんを譲っているが、よく見ずとも違和感が。尻尾の先端がね……というわけで、危険で有害なものをあげましょうというカードなわけだ。これが『ファウンデーションズ』のStarter Collectionで再録された。赤と言えばこの手の混沌としたカードだよな、というイメージを初心者にわかってもらうためにも、良いチョイスだと思う。さて、そんな申し出とコンボを形成するカードもあわせて再録されている。

 

 《悪魔の契約》だ。毎アップキープに何らかのメリットを提供してくれる。カードを2枚引き、相手に2枚捨てさせるので、お互いのアドバンテージ差が大きく開く、さらに4点ダメージでクリーチャーやプレインズウォーカーを除去したり相手のライフを詰めながらこちらはライフ回復……これは強い。しかしそれらの能力を使い切ると、最後に待っているモードは「ゲームに敗北する」というデメリットを越えたデメリットが。

 さて、もうおわかりいただけたことかと。この敗北モードが訪れる前に、《無害な申し出》で契約のコントロールを対戦相手位に譲る。そうすることで、相手はロクな恩恵も受けられず確実にやってくる敗北を受け止めなければならない……実にマジックらしいコンボであり、このゲームの醍醐味が詰まっている。デメリットを勝利に変換する、こういうコンボが楽しいんだよなぁ。

 

 そんなコンボがスタンダードにて実現することに。これまでパイオニアなんかで遊んでいたロマンあふれるコンボが、まさかスタンダードで決められるとは……スタンダードには《悪魔の契約》同様に対戦相手に押し付けると良い気分になれる《強欲の計略》が存在する。瞬間的には手札3枚、ライフ6点、2/1飛行を3体ととてつもないアドバンテージをもたらすカードだが、毎エンドにそれらをひとつずつ失わせてくる。これを対戦相手に《無害な申し出》すれば、美味しい部分だけを享受することができる。毎ターンの誘発を嫌ってこれをなんとか処理しようにも、戦場を離れると全てを根こそぎ奪っていくデメリット能力が誘発してしまう。《悪魔の契約》のように即勝利というカードではないが、ジワジワと真綿で首を締める感覚が、これはこれで気持ち良い。契約コンボへのつなぎとして、狙える時にかましていこう。

 このリストは北米の賞金制トーナメントで7勝2敗、惜しくも上位8名入賞を逃す9位と大健闘したものだ。ネタに走ったコンボと見るか、それとも……その辺はあなた自身で判断してくださいな。さあ、このデッキを手に取るのです!使うのです!悪魔の強欲に身をゆだねるのです、ドーーーーーンッッ!!

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