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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!難解パズルなカワウソ・コンボ(スタンダード)

岩SHOW

『ファウンデーションズ』、基盤のセットがキタキタキタァ!

 スタンダードをアツく語り、皆でスタンダードという道を極めるためのコラム。とことん!スタンダー道!いやぁ、遂に『ファウンデーションズ』がリリースを迎えた。一体スタンダードはどうなっていくのか?この道を歩み続けていれば答えは見えるはず、日々鍛錬!

 というわけで当コラムでは『ファウンデーションズ』導入前の環境のデッキリストを紹介するのをこれで最後としよう。次回から完全に新環境にシフトしていく前に、『ダスクモーン:戦慄の館』環境下の名デッキを紹介して閉幕、そんな形にしたいなと。実はもう少し早く紹介したかったけども、ある事情で紹介しきれていなかったデッキがまだあったのだよ……つべこべ言わずにリストを見てもらうとしようか。

とことん!カワウソ道!
cftsoc3 - 「カワウソ・コンボ」
Magic Online Standard Challenge 32 優勝 / スタンダード (2024年11月9日)[MO] [ARENA]
2 《ヤヴィマヤの沿岸
1 《カープルーザンの森
4 《植物の聖域
4 《銅線の地溝
2 《寓話の小道
1 《破滅の眺望
2 《
1 《
2 《
-土地(19)-

2 《探索するドルイド
4 《稲妻罠の教練者
3 《渓間の洪水呼び
4 《永劫の活力
-クリーチャー(13)-
4 《花粉の分析
3 《薮打ち
4 《塔の点火
1 《脚当ての陣形
4 《この町は狭すぎる
2 《トーテンタンズの歌
2 《苦々しい再会
2 《豆の木をのぼれ
4 《嵐追いの才能
2 《咆哮する焼炉 // 蒸気サウナ
-呪文(28)-
2 《火山の悪意
1 《洪水の大口へ
1 《フラッドピットの溺れさせ
2 《除霊用掃除機
2 《否認
2 《脚当ての陣形
1 《咆哮する焼炉 // 蒸気サウナ
1 《叫ぶ宿敵
2 《解剖道具
1 《豆の木をのぼれ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 こちらは……何と言ったらいいのか。一つはっきりしているのはカワウソが主役のデッキということ。《稲妻罠の教練者》に《渓間の洪水呼び》、そして《嵐追いの才能》とカワウソに関するカードが並んでいる。《渓間の洪水呼び》は非クリーチャー呪文を唱えた際にカワウソをすべて+1/+1修正を与えつつアンタップする。この能力を大量の非クリーチャー呪文で誘発させていくデッキ……というのはなんとなくでもわかることだろう。

 

 このデッキの重要なカードは《永劫の活力》。これが戦場に居ると、すべてのクリーチャーがタップして好きな色マナを加えられる、所謂マナクリーチャーになる。マナクリーチャーになったカワウソを洪水呼びでアンタップ→タップして得たマナで非クリーチャー呪文→洪水呼びでアンタップ……とグルグルとループを形成することが可能になる。そしてこのループを行う際に用いられるのが《この町は狭すぎる》だ。パーマネント2枚を手札に戻すこのインスタント、自身のパーマネントを1つでも対象にするならばそのコストは2マナになる。このデッキではそれを最大限に利用する。以下にまとめよう。

 2マナで対戦相手のパーマネントを戻しつつ、自身は《嵐追いの才能》を戻す。これにより洪水呼びが誘発、カワウソを全部タップしてマナを加えてからアンタップ。アンタップしたカワウソからまたマナを加えつつ《嵐追いの才能》を唱える。カワウソアンタップ、そしてこの才能をレベル2に上げる。才能の能力が誘発して《この町は狭すぎる》を墓地から手札に戻す。そして冒頭の狭すぎるのくだりへと戻り……

 

 召喚酔いの解けているカワウソが4体以上いれば、上記のループを延々と続けることが可能になる。これにより対戦相手のクリーチャーをすべて戦場からどかして、サイズアップしたカワウソらで攻撃してフィニッシュ、というコンボを狙っている。カワウソ4体というハードルは高そうにも見えるが、これが案外なんとかなったりするから面白い。《苦々しい再会》や《トーテンタンズの歌》はクリーチャーに速攻を与える。これにより、《嵐追いの才能》を戻して出し直すことで出てきたカワウソ・トークンに速攻を与えることで、マナクリーチャーとして働けるようにする。序盤の相手の攻撃をしのぐ際にも《この町は狭すぎる》を用いて時間を稼ぎ、その時に才能を戻してカワウソを増やすという動きを心がけよう。《苦々しい再会》や《豆の木をのぼれ》でドローしてパーツを集め、最後に必要なものは証拠収集した《花粉の分析》で調達……そうやってコンボの土俵を整えると、意外なことにすんなりループが始まって勝負アリ。

 一見、かなり難解なデッキであり、実際にプレイしてみても自分が一体何が出来る状態なのか?それを把握するのも難しく、チャンスを逃していることに後から気付くことが多々あった。しかしデッキが目指していることを理解し、各呪文の役割を身をもって学べば……簡単ではないが、むちゃくちゃ楽しいししかも勝てる!実力も本物のデッキということが判明した。細かいテクニックなどはここに書ききれないので、皆も実際にこれを組んで回すことで自ら学ぶことをオススメしたい。

 こういうパズル的な要素を持ったデッキがいる、バリエーション豊富な環境である現スタンダード。『ファウンデーションズ』で各デッキがどのような進化を遂げるのか?まだまだ楽しみがいっぱいで素晴らしい。さあ、今日もスタンで遊ぼうぜ!

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