READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:イゼット厄介者で機織りの季節を楽しもう(スタンダード)

岩SHOW

 すっかり天候がクールダウン、朝夜は冷え込みに注意だ。身体がコールドになったらクールなものも楽しめない、それはクールな生活じゃないよな。マジックプレイヤーが第一に優先すべきは健康、万全の体調で臨んでこそこのゲームは面白い。風邪なんか引かない、クールなヤツになれ。どの趣味でも言われている当たり前だけど大事なことだな。

 マジックのデッキやカードをクールという観点を第一に解説する今週のCool Deck。今回もかなりクールな逸品を見つけたので、早速ご紹介。

TOPrift - 「イゼット厄介者」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2024年11月5日)[MO] [ARENA]
2 《シヴの浅瀬
4 《尖塔断の運河
4 《轟音の滝
2 《魂の洞窟
3 《寓話の小道
2 《解体爆破場
1 《ミレックス
2 《
5 《
-土地(25)-

4 《気まぐれな厄介者
-クリーチャー(4)-
4 《塔の点火
2 《洪水の大口へ
1 《勝利の炎
3 《間の悪い爆発
2 《三歩先
2 《決定的瞬間
1 《美術家の才能
4 《苦々しい再会
3 《鉄面提督のトンネル掘削機
2 《咆哮する焼炉 // 蒸気サウナ
3 《機織りの季節
1 《轟く機知、ラル
3 《希望の標、チャンドラ
-呪文(31)-
2 《裏切り者の駆け引き
1 《紅蓮地獄
1 《削剥
2 《兄弟仲の終焉
2 《魂標ランタン
1 《除霊用掃除機
2 《否認
2 《ティシャーナの潮縛り
1 《知識の徳目
1 《轟く機知、ラル
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 なかなか捉えどころのない、スタンダードのリストだ。他のアーキタイプと似ている箇所が少なく、一概にこれ!とジャンルを断定するのは難しい。そういう時には何か極端に枚数が多いもの、あるいは少ないものを見れば概要の把握に繋がる。

 このリストだと……クリーチャーが少なく、非クリーチャー呪文がタップリ。つまり非クリーチャー呪文を唱えることが勝利への道となるわけだが、そんなデッキに4枚だけ採用されているクリーチャーというのは、これもそれだけ重要な存在というわけである。《気まぐれな厄介者》!これまたクールなドラゴンが選ばれているじゃないか。墓地の枚数が9枚以上あれば、コストが軽減され赤マナ3つ支払うだけで唱えられる。そしてこれが戦場に出た時にはランダムに墓地のカードが3枚追放され、その中の非クリーチャー呪文1枚を選び、それをマナを支払わずに唱えられる。気まぐれと呼ぶにふさわしく、土地やクリーチャーばかりを追放してなにも唱えられないというケースをもたらすこともあるが、上手くハマれば莫大なアドバンテージをもたらす可能性も秘めている。何せクリーチャー以外はなんでも唱えられるのだから、範囲が広い。生けるロマンと言える、クールすぎるファイレクシアン・ドラゴンなのだ。

 

 さて、厄介者で唱えると嬉しいカードは……これがクールなチョイスだ、《機織りの季節》。言葉の響きだけだと……ちょうど今ぐらいの季節かな。このカードは3つのモードから、肉球マークの獣痕/Pawprintを5つ割り振って選択する。2つ消費でアーティファクトかクリーチャーをコピーすることができ、これで厄介者をコピーする…するとさらに墓地から3枚追放のチャンス到来。この動きが強く、残った3つの獣痕を1つ消費のドローや3つ消費のトークン以外バウンスに割り振ったりして、自分に有利な状況を作りだす……これがこのデッキの狙いだ。コピーはクリーチャー除去を合わせられるリスクもあるため、素直に5枚ドローするってのもシンプルかつ強力でクールだな。

 この季節などのカードを《苦々しい再会》《間の悪い爆発》《鉄面提督のトンネル掘削機》などで捨てたり、諜報などで墓地に落として枚数を増やし、9枚以上になったら厄介者を出撃させて大暴れ!あるいは季節で厄介者をコピーする動きは、コスト軽減がなくても十分6マナに見合う動きなので、勿体ぶらずにチャンスがあれば仕掛けていくべし。《間の悪い爆発》はドローでありながらクリーチャー複数体を除去できて、厄介者からのおかわりで臨機応変に戦える、このデッキの重要パーツだ。

 

 非クリーチャー呪文はインスタントやソーサリーだけじゃない、プレインズウォーカーも唱えられるのだから遠慮せずにめちゃ強なやつを投入するのがクールな流儀!というわけで厄介者デッキには《希望の標、チャンドラ》を添えるべし。6マナのチャンドラ、その最大の魅力は各ターン最初に唱えたインスタントかソーサリーをコピーしてくれる常在型能力。これで《機織りの季節》をコピーした時のことを考えてみよう……うむ、ほぼ勝ちのようなものである。起動型能力もどれも優秀で、たとえば[-X]を全力で忠誠度注いでダメージをばら撒いた後、厄介者で拾う……という動きで一気に残ライフを削りに行くコンボ的な動きも狙える。デッキのどのカードもあまり関わりがないように見えて、実際プレイしてみるとどれもが噛み合っていることがよくわかる。実にクールなリストで、『ファウンデーションズ』加入後も楽しみな存在だ。

 秋の夜長、ついつい夜更かししてしまいがち……マジックにのめり込み過ぎて、睡眠をおろそかにしないように。機織りするわけじゃなくても、片鱗が見えてきた冬に向けてクールな状態を維持できるように。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Enjoy autumn!!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索