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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!ゴルガリ・ランプと『ファウンデーションズ』の注目カード(スタンダード)
スタンダードの時間がキタキタキタァ!……はぁ
元気を出していこうとしたが、ふとため息が出てしまうのは秋のせいか?朝夕も冷え込む日もあり、なんだかアンニュイな気分になりがちなこの季節。正直に白状すると、今現在、絶賛「対戦ゲームノイローゼ」中なのだ。まあそんな深刻なものではないとは思うが…誰にだってあるだろう、勝ち負けが楽しめない……負ければ負の感情が募り、勝ってもそれが払拭されない、そんなスパイラルに陥ることが。長く付き合ってきたマジック、スタンダード。こんな経験は一度や二度じゃない。
こんな時にはどうするか……いったん離れる。これに限るね!一歩引くことで、物事が落ち着いて観られるようになり、そのうちまた対戦したいというモチベが上がってくるものだ。ここ数日はマジックも対戦を全くしていないのだけども、そうするとフラストレーションから解放されたのか、『ファウンデーションズ』の新カードについて皆であれこれ議論したり、《巨大化》のアートはどのバージョンが良いかという話題を純粋に楽しめたり……マジックってすごいね。対戦しなくてもこれだけ楽しめるのだから。
というわけで、『ファウンデーションズ』リリース後のスタンダードという道を駆け抜けるため、今は足を貯めている。そんな岩SHOWでございます、どうぞ今週もお付き合いヨロシク。スタンダー道、皆で駆け上がっていこうぜ。
とことん!ホーントウッ道!
2 《地底の遺体安置所》 4 《花盛りの湿地》 2 《解体爆破場》 4 《沼》 4 《森》 2 《噴水港》 3 《ラノワールの荒原》 4 《眠らずの小屋》 1 《沈んだ城塞》 -土地(26)- 1 《苦難の収穫者》 4 《ホーントウッドの大主》 2 《黙示録、シェオルドレッド》 3 《グリッサ・サンスレイヤー》 -クリーチャー(10)- |
2 《執念の徳目》 1 《ギックスの命令》 2 《死人に口無し》 1 《泥沼の略奪》 3 《強迫》 1 《極悪非道の盗人》 2 《羅利骨灰》 3 《喉首狙い》 3 《苦痛ある選定》 2 《切り崩し》 4 《豆の木をのぼれ》 -呪文(24)- |
1 《向上した精霊信者、ニッサ》 2 《最深の裏切り、アクロゾズ》 1 《温厚な襞背》 1 《大洞窟のコウモリ》 1 《多元宇宙の突破》 1 《残虐爪の強奪》 1 《強迫》 1 《一巻の終わり》 1 《覆い隠し》 1 《極悪非道の盗人》 1 《羅利骨灰》 2 《切り崩し》 1 《除霊用掃除機》 -サイドボード(15)- |
2024年度世界選手権トップ8 入賞、セス・マンフィールド/Seth Manfieldの「ゴルガリ(黒緑)ランプ」だ。マンフィールドは今年度、プロツアーでも優勝しており勢いに乗っていたプレイヤーの一人。彼の所属するChannel Fireballのチームデッキが2024年シーズンは大成功をおさめた印象が強いね。このリストもあまり他に類似するものが少ない、Channel謹製の逸品だ。《ホーントウッドの大主》が主役であり、これで《遍在地》を生成してマナ加速。そこから5マナ以上のパワーカードに繋げるというランプデッキの王道を征く構成だ。
しかしホーントウッドといえば、4色や5色デッキのイメージがあるね。《遍在地》がすべての基本土地タイプを持つ5色土地なので、《力線の束縛》や《偉大なる統一者、アトラクサ》などで戦うデッキが組まれることが主流だ。しかしこのリストは2色にまとめてある。緑のマナ加速と、黒のクリーチャー除去……《死人に口無し》などが組み合わさり、そして《羅利骨灰》など万能パーマネント除去が連なれば、デッキとしてそれで十分。そんな判断から、リスクになりがちな3色以上という選択肢を捨て去り、2色にまとめ上げてある。《ホーントウッドの大主》から漂う「5色デッキを組みなよ」という誘惑を振り切って、2色でも十分に強いカードなんだぞという姿勢を貫いたのはさすが歴戦のチーム。
他色ランプといえば《豆の木をのぼれ》。5マナ以上の呪文を唱えて1枚ドロー、《力線の束縛》のお供として各フォーマットでこの1年間暴れ回った1枚だ。これも黒緑の2色で十分に機能する、との判断から4枚搭載されている。なかなか今までに目にしなかったアプローチで、灯台下暗しというやつだなぁ。《死人に口無し》《ギックスの命令》《苦難の収穫者》といった除去にドローが付いてくるのはそれだけで拍手もの。《執念の徳目》のように別のコストで軽く使えて、手札のお荷物にならないカードとの組み合わせも文句なし。
そしてやはり、ホーントウッドとの組み合わせがこのデッキの肝だ。3マナの兆候コストで唱えようとも、ホーントウッドのマナ総量自体は5である。そのため軽く唱えて豆の木ドローが狙える。引いてきたカードを唱えるためのマナは《遍在地》で賄う。理にかないまくりなコンビネーションが、世界選手権という最高峰の部隊で炸裂したのだ。
さて、ではスタンダードを変える巨大セット『ファウンデーションズ』のカードからこのデッキに取り込めるものはあるか?考えてみよう。何せ種類が多い、プレイブースターから出てくるものとは別に、スターターコレクションなるカードが多数封入された商品からのみ手に入れられるカードもかなりの種類があるからね。
黒と緑についてつぶさにチェックしていくと……お、《起源の波》!もう10年以上前、『ミラディンの傷跡』環境のスタンダードで、一部の緑ユーザーの心を射止めていた1枚だ。Xマナを支払って、ライブラリーの上からX枚を公開。マナ総量X以下のパーマネントを戦場に出すという、豪快なビッグアクションだ。土地がアンタップ状態で戦場に出せるというのも強くて、波から次の呪文へ繋げることができればかなり気分が良くなる。当時はエルフデッキのゴールに設定されていたっけなぁ……現在のスタンダードでも《苦難の収穫者》や《逃げ場なし》のようなパーマネントのクリーチャー除去と組み合わせて盤面を掃除しつつ、《黙示録、シェオルドレッド》などの強力パーマネントを並べられれば劣勢をひっくり返せる。また《起源の波》に夢を見ることができるのか……新スタン、良いじゃないかぁ。
完全新規カードからは《溌剌とした探検家、おたから》をピックアップ。1ターンに出せる土地の数を1枚追加してくれる、マナ加速でありタフネス4で壁役もこなす。このおたからは土地の枚数を参照し、ライブラリーの上から6枚の中にその数以下のマナ総量を持つクリーチャーが居ればそれを戦場に出せる。《ホーントウッドの大主》や《起源の波》で土地を増やして、おたからでどんどんと怪獣たちを展開していく……これもまたランプデッキの理想的な姿ではないかな。
Starter Collectionのカードにも目を向けよう。ゴルガリ的には《大渦の脈動》は外せない!土地でないパーマネントを破壊する万能さ、そして対象にしたものと同名のパーマネントを根こそぎ一網打尽にする!これもかつてのスタンダードで活躍した名カードで、今後のスタンダードでも目にする機会は多くなるはずだ。遂にスタンにこのカードが帰ってくるとは……わからないものだ。
完成度の高いデッキリストを眺め、新セットのカードがもたらす影響を考える……ゲームをプレイしていなくても、これだけマジックは楽しめる。それになんかこうしていると……徐々にアンニュイな気持ちが和らいで、カードをプレイしたくなってきたな。皆もスタンダー道、苦しい時には足を止めても構わない。無理やりやらされるものじゃないんだ。この道を歩みたいと再び思った時、デッキや仲間達はそこにいるぞ。というわけで、のんびり休憩も推奨だ。時に全力、時にまったり。緩急こそがスタンダードを長く楽しむ秘訣だ!
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