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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:リアニメイト、統率者デッキから得た奇跡のカード(レガシー)
『ダスクモーン:戦慄の館』のカード達、そろそろ馴染んできたころだろうか?恐怖がテーマでありながら様々な雰囲気のカードが収録され、今までありそうでなかったカードがこのゲームに新たな刺激をもたらしている。クールなゲーム体験は味わえたかな?というわけで今週もCool Deckのお時間だ。マジックのカードやデッキをクールという観点を第一に分析していくこのコーナー。今回は……新セットが出た時に注目すべき「もう一つのセット」を紹介しよう。
このセットのラスボスはヴァルガヴォス。このエルダー・デーモンをカード化したのが《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》……と、もう一つ《魂の鋤引き、ヴァルガヴォス》がある。この黒赤のバージョンを見慣れない方もいらっしゃるだろう。このクールなもう一つのヴァルガヴォスはメインのセットには収録されていない。なのでスタンダードやパイオニア、モダンでは使用することは出来ない。このカードは『ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキ』のカードである。主に統率者戦での使用を想定してデザインされたカードで、同セットの構築済み統率者デッキや、あるいはコレクター・ブースターから手に入れることができる。なんとこれらのカードは全部で40種類。メインセットとは別にこれだけのカードが、新セットが作られる度にリリースされているのだ。
そして統率者デッキの枠に収録されているカードは、先にあげた構築フォーマットでは使うことは出来ない。が、エターナルは別だ。エターナルは、レガシーとヴィンテージの2つのフォーマットを一括りにした呼称だ。エターナルはマジックのほとんどのカードが使用可能で、本流のセットではない統率者デッキのカードも使ってデッキを構築することができる。そのため、多くの人が存在を知らなかった謎のカードが、突如として活躍するというクールな事態がしばしば起こっている。今回もそんなクールな新顔を搭載したデッキを紹介しよう。エターナル環境に飛び込み、未知のカードと出会おう。
4 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《Underground Sea》 1 《地底街の下水道》 3 《不毛の大地》 1 《島》 1 《沼》 -土地(16)- 4 《超能力蛙》 1 《厚かましい借り手》 4 《カザド=ドゥームのトロール》 3 《変化の狂信者》 1 《残虐の執政官》 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《意志の力》 2 《思考囲い》 2 《致命的な一押し》 4 《納墓》 4 《再活性》 2 《動く死体》 -呪文(30)- |
3 《バロウゴイフ》 3 《記憶への放逐》 2 《フェアリーの忌み者》 1 《未認可霊柩車》 2 《致命的な一押し》 2 《海の先駆け》 2 《オークの弓使い》 -サイドボード(15)- |
そんなわけで今回のデッキはエターナルよりレガシーの「ディミーア・リアニメイト」だ。リアニメイトとはアーキタイプ名であり、アクションの通称であり、カード名でもある……マジックをプレイし続けていれば必ずや耳にするフレーズだ。《再活性》の英名であり、これや《動く死体》といったクリーチャーを墓地から戦場に出す呪文を用いて、高コストのクリーチャーを釣り上げる。本来ならあり得ないタイミングでの強力クリーチャーの降臨で、対戦相手を圧殺する人気と実力を兼ね備えた、歴史あるコンボデッキだ。《残虐の執政官》《偉大なる統一者、アトラクサ》を《納墓》で埋める、あるいは《カザド=ドゥームのトロール》をサイクリングすることで墓地に大型クリーチャーを送り込み、これをリアニメイトする。
原稿のレガシーにおけるリアニメイトでは青黒の2色が主流だ。青を使う理由は《意志の力》《目くらまし》などの打ち消しでコンボを後押しできるから、そして《超能力蛙》が使えるからだ。この蛙は攻撃を通せばカードが引ける、お手軽なアドバンテージ供給源であり、また手札を捨てられるので墓地を肥やす要員も兼ねている。蛙だけでも殴り勝てるレベルの強さで、この蛙で打ち消しや除去を釣ってコンボ、或いはその逆と動いて対戦相手をクールに踏み潰す!
このリアニメイトが統率者デッキの枠から手に入れたのが《変化の狂信者》だ。このクリーチャーが戦場に出ると、墓地からクリーチャー1体を戦場に戻す。その際に絆魂カウンターを乗せるというオマケ付きだ。これでどんなクリーチャーも攻撃すればそれだけライフ差が拡がり、ダメージレースを破壊する攻防一体の存在に早変わり。この狂信者は6マナと、その気になれば何とか払えるコストではあるがそれでも重めなので、これもまたリアニメイトすれば良い。1枚で4/4絆魂と同じく絆魂持ちのデカい何かが得られればかなりお得でクールだ。そしてこの狂信者は奇跡呪文でもある。奇跡という能力は、そのカードを引いた時に公開することで本来よりも格安のコストで唱えられる。トップデッキという奇跡を成し遂げたことを讃えてのクールなボーナスというわけだ。奇跡コストであれば狂信者はたったの2マナに!《動く死体》と同コストになれば何の問題もなく唱えられるというものだ。
この奇跡に関して、レガシーならではの解決方法がある。ライブラリー操作でトップに仕込むのだ。《思案》はライブラリートップより3枚を見て並べ替える。これで狂信者が見つかれば、それを2枚目に仕込んで次のターンに引いて奇跡達成!《渦まく知識》であれば手札にある狂信者をライブラリーに戻して、次のドローを狂信者とすることまで可能だ。或いはトップにそれがあるのがわかっていれば、このインスタントで引き込んで相手のターンにリアニメイトするという変則的なクールムーブまでかませる。《虚空の力線》などで墓地対策されても、奇跡で唱えた狂信者と《超能力蛙》らで殴り勝つなんてゲームもあるだろうな。なんだったらデカいクリーチャー釣らずとも蛙を戻して絆魂つけるだけでもめちゃ強じゃないか。こりゃあつくづくクールなカードが出てきたもんだなぁ……。
各セットの統率者デッキのために用意されたカードは、エターナル環境に大きく影響を与えることがある。その影響が及ぼされた直後には、それまでになかったクールなゲーム体験が味わえる旬の時期。それが一過性のブームなのか、それとも環境の常識として定着するのか?どのような道筋を辿っていくか……そのクールな物語を見届けるのもまたエターナルの醍醐味なのだ。
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Dive into eternal!!
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