READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ドメインデッキの進化系、兆候が見えた時にはもう……(スタンダード)

岩SHOW
 

 この秋はホラー映画やゲームの新作が色々と……やっぱりハロウィンが近いこともあって、怖い作品がリリースされるシーズンなんだな。マジックも『ダスクモーン:戦慄の館』というモダンホラーをテーマにしたセットをリリース。このセットの雰囲気……最高だ。

 僕がはじめてマジックに触れたのは今から26年前。当時、マジックのイラストに衝撃を受けたものだ……ホラーすぎる!と。異常な形に歪んだ肉体の怪物たち、人間やその他の生物が尋常ならざる方法で命を奪われる様……他のゲームで観たことのなかったビジュアルにビビッときて、こんな恐怖に満ちたカードで遊びたいとルールを勉強したものだった。そして時を経て、ホラーを題材としたセットが作られたのだから、それはもうたまらない話だ。

 

 個人的にはなんだかよくわからない怪物に襲われる作品が好きなので、今回のセットでも怪異・怪物としか表現できないホラー・クリーチャー達が特にグッとくる。中でも大主サイクルは最高だ。ビジュアルもいかにもモンスター、そしてカードとしてもどれもプレイしてみたくなる性能をしている。エンチャントでありクリーチャーであるこれらのホラーは、いずれも戦場に出るか攻撃すると誘発する能力を持つ。昆虫を2体も生成する《ミストムーアの大主》、《遍在地》なる土地・トークンを生み出してマナ加速する《ホーントウッドの大主》など、アドバンテージを簡単に稼ぐことができる連中は強力そのもの。

 これらの大主はその本来のコストではなく、より軽い代替コストで唱えることもできる。これにより戦場に出た場合は、それはクリーチャーではなくエンチャントでしかない。定められた時間カウンターを乗せて出てきて、毎ターンこれが減っていき0個になるとクリーチャーとなって戦闘に参加したりできるようになる。この能力の名は……“兆候”。まさしくホラーというネーミング、最高じゃないか。

 今回はこの兆候を持った大主が主役のデッキを紹介しよう。スタンダードに現れたそのリストは……兆候を解決し終える前に大主で攻撃するという、掟破りのホラーデッキだ!

LukasDusek2 - 「大主・ズアー・ドメイン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2024年9月27日)[MO] [ARENA]
3 《魂の洞窟
2 《地底街の下水道
3 《草萌ゆる玄関
2 《薄暗い裏通り
4 《地底の遺体安置所
2 《迷路庭園
1 《ミレックス
2 《平地
1 《
2 《
3 《
-土地(25)-

3 《永遠の策謀家、ズアー
1 《ティシャーナの潮縛り
1 《温厚な襞背
2 《怒りの大天使
4 《ホーントウッドの大主
2 《偉大なる統一者、アトラクサ
2 《ミストムーアの大主
-クリーチャー(15)-
2 《花粉の分析
4 《群れの渡り
4 《苦痛ある選定
1 《一巻の終わり
2 《太陽降下
2 《執念の徳目
2 《トルヴァダへの侵攻
1 《完成化した精神、ジェイス
2 《無形の処刑者、ケイヤ
-呪文(20)-
2 《除霊用掃除機
3 《否認
2 《怒りの大天使
2 《太陽降下
1 《一巻の終わり
1 《ランクルのいたずら
2 《ティシャーナの潮縛り
1 《シャンダラーへの侵攻
1 《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このデッキのベースとなっているのは「ドメイン(版図)ランプ」だ。《群れの渡り》など5つの基本土地タイプをコントロールしているとその効果を最大限発揮する版図能力と、基本土地をライブラリーや手札から戦場に出すランプ系マナ加速を組み合わせることで強固な盤面を作り上げるのが狙いとなる。

 このマナ加速の枠を《ホーントウッドの大主》が担う。兆候ならコストは3マナで、4ターン目には5マナへのジャンプアップが可能。これで《太陽降下》等を早く唱えるのは勿論、全ての基本土地タイプを併せ持つ《遍在地》のおかげで《群れの渡り》が安定してフルパワーを発揮できる。マナが伸び、色マナの心配もないとくれば《偉大なる統一者、アトラクサ》のような強靭なフィニッシャーも運用できる。大主たちはエンチャントであるため、他のクリーチャーと共にアトラクサで手札に加えられるのもエライね。

 

 そしてこのデッキの顔とも呼べる1枚が《永遠の策謀家、ズアー》!ズアーはその能力でエンチャントをクリーチャー化させる。つまり……これで兆候状態にある大主を強引にクリーチャー化させ、時間カウンターなど関係なく攻撃させることが可能なのだ。しかもズアーはエンチャントであるクリーチャーに接死と絆魂、さらに呪禁まで与える。これでミストムーアで強襲を仕掛けられただけで勝負アリとなってしまうこともあるだろう。ここしばらく存在感を潜めていたズアーが、戦慄の館で理想のエンチャントと遭遇したのだ。不吉な兆しが見えた時には、もう遅いのだ。

 

 ドメイン・ランプでかつズアー入り……となると《力線の束縛》を使いたくなってしまうね。実際にこのリストに束縛を足してプレイしてみたが、《遍在地》1枚でコストが最大軽減されるのは気分が良いね。ズアーで殴るにも良いサイズなので、検討に値するカードだ。皆もこの「大主・ズアー・ドメイン」を使ってみて、大怪物で対戦相手を恐怖のどん底をへと突き落としてみよう!スタンダードでゲームの支配者気分を味わいたいなら、このアーキタイプがオススメだ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索