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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アゾリウス違和感:とにかくなんでもエンチャント(スタンダード)
アンコモンを見ればそのセットのテーマが分かる。これは近年のマジックに見られる傾向だ。特に注目するべきは2色(ないし3色)の多色アンコモン。ここ数年、マジックのセットは2色の組み合わせ10通りにそれぞれ、主要メカニズム・得意とするテーマが設定されている。リミテッドではそのテーマに沿ってデッキを組むと強力なものが出来上がるわけで、特にアンコモンはそのテーマを体現したわかりやすいカードが用意されている。というわけで、最新セット『ダスクモーン:戦慄の館』が何をするセットなのかピンとこないのであれば、2色のアンコモンをチェックすべし!そこに書かれたキーワードだったり、特定のタイプだったりがその2色でどんなデッキを組むべきかを教えてくれる。
白青2色、アゾリウスと呼ばれるカラーリングであれば……これはかなりわかりやすい。《知りたがりの光霊》《グレムリンを手懐ける者》とそれぞれに共通するのは、エンチャント。アゾリウスは過去にエンチャントをテーマとしてきたことがあったが、今回はそれが色濃く打ち出されている。そもそもダスクモーンにはクリーチャーでありエンチャントであるカードが登場したのもあって、いつものセットよりエンチャントがてんこ盛り。それらのコストを《知りたがりの光霊》で軽減し、そしてエンチャントが戦場に出れば《グレムリンを手懐ける者》などの違和感能力が誘発する。
というわけでアゾリウスをやるなら、とにかくエンチャントで固めて違和感を誘発させる!同じような役目のカードであればインスタントやソーサリーなど他のタイプよりもエンチャントを優先!これを意識するだけで強いデッキを組むことができるはずだ。それはリミテッドだけでなく、スタンダードでも……
4 《アダーカー荒原》 4 《金属海の沿岸》 4 《フラッドファームの境界》 5 《平地》 5 《島》 -土地(22)- 4 《呑気な物漁り》 4 《グレムリンを手懐ける者》 4 《知りたがりの光霊》 4 《精体の追跡者》 4 《永劫の無垢》 -クリーチャー(20)- |
4 《天上の鎧》 4 《破片魔道士の救出》 4 《フェイの飛行》 4 《幽霊による庇護》 2 《骨化》 -呪文(18)- |
3 《邪悪を打ち砕く》 4 《エルズペスの強打》 2 《骨化》 3 《仔狸寝入り》 3 《否認》 -サイドボード(15)- |
というわけでダスクモーンが加入したスタンダード環境初期に登場した「アゾリウス違和感」デッキをご紹介。手懐ける者でグレムリンを大量に呼び出す、これだけでも盤面を固められて強力だが、それに加えて他にも違和感クリーチャーが2種類。《呑気な物漁り》はエンチャントが戦場に出ることで、クリーチャー1体に+1/+1カウンターを1個置く。シンプルなサイズアップはわかりやすく使い勝手が良い、対象も自他を問わないので、ガンガンエンチャントを展開して強靭なクリーチャーでノックアウトを狙う。
そしてもう1種は《精体の追跡者》、こちらは違和感で1ドロー。これまたシンプルにして強力!手札が尽きないのであれば、矢継ぎ早にエンチャントを連打できる。これらの違和感クリーチャーの強みは、同一ターン内に何度も誘発させられること。この手の能力は最近では1ターンに1回までとブレーキが設定されていたが、ダスクモーンでは好きなだけ狙ってOK。これには誘発条件にエンチャントが戦場に出るのと、新しい要素であるドアを完全に開放するというのも含まれているからだろう。この大盤振る舞い、受け取らないわけにはいかないぞ。
違和感クリーチャーはこのデッキにとって非常に重要。これらに除去を撃たれると一気に苦しくなるが……そこはご安心を。このデッキのエンチャントはそこをしっかりカバーしてくれている。瞬速持ちのオーラでクリーチャーを除去などからしっかり守る。《破片魔道士の救出》《フェイの飛行》、これらはどちらも貼り付けたクリーチャーにターン終了時まで呪禁を与える。これにより対象を取る呪文や能力を弾いて、貴重な違和感要員を生き延びさせる。《破片魔道士の救出》は1マナと軽いのが使い勝手がよく、そして《フェイの飛行》はその名の通り飛行を付与。これらでクリーチャーを強化しつつ違和感を誘発させて殴り切る。相手の妨害をものともしない展開力で勝負だ。
この手のエンチャント系デッキは相手のクリーチャーなどに対処する手段が限られるのが弱点とされてきた。されてきたってことは、これからは過去の話だ。
《幽霊による庇護》!この新カード、書いていることが色々と強すぎる。オーラとして貼り付けているクリーチャーはパワーが上昇し、護法と絆魂を得る。それに加えて、これが戦場に出た時にクリーチャー1体を追放する!この庇護が戦場を離れるとそのクリーチャーは戻ってくるため、完全な除去とは言えず、クリーチャーにつけるオーラなので対処されやすい……という弱点を設定されているからこそのこの高性能っぷり。上手く機能しないこともあるが、追放するのがトークンであれば戻ってこないのでノーリスクだし、護法越しに除去されそうになれば上記のカードで守れば良いわけで。その上絆魂を持ったクリーチャーを、《呑気な物漁り》や《天上の鎧》でバチバチに強化すれば、アグロデッキとの殴り合いで負けることはないッ!恐るべし、最新のオーラの力……。
リミテッド、構築共に白青2色の違和感能力は強めに設定されていると感じる。対処されやすいエンチャント、その弱点をカバーする爆発力を得て……スタンダードのトーナメントでも活躍する姿が期待できそうだね。2色のアンコモンからセットのテーマを見抜く。この方法で他のカードも分析し、色んなデッキ作りに挑戦してみようじゃないか。
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