READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

マネドリで何を真似る?アゾリウス(白青)象形(スタンダード)

岩SHOW
 

 『ブルームバロウ』のレアに《マネドリ》というカードがある。英名は「Mockingbird」で、これは実在する鳥のこと。和名はマネシツグミで、アメリカ全土で広く一般に見られる鳥だ。マネシ=真似し、ということでこの鳥は色んな他の鳥の鳴き声を聴き、それらの歌声を覚えて模倣する。なわばりを主張したり異性にアピールする際に歌い、合間にどれだけ鳴きまねを挟んで独自の音色を生みさせるかが魅力に繋がっているようだ。

 そんな実在する鳥がモデルの《マネドリ》。これは鳴き声だけでなく姿かたちも真似ることができる。戦場に出る際にクリーチャーのコピーとなって出てくることを選べる。自身のものでも対戦相手のものでも、コピーになるのはなんでもOK。そしてコピーとなっても鳥タイプと飛行は保持している……これ、何気に凄いことが書いてあるよな。この手のコピー能力というのは能力だけ真似ても地力が……ってのでオリジナルに敗北するのが常だが、《マネドリ》は本来飛んでいないクリーチャーを航空戦力にして、オリジナル越えを果たすことができてしまう。

 《マネドリ》を唱える際に支払ったマナ以下のマナ総量を持つクリーチャーのコピーになれる……ということだが、うっかり勘違いしそうだが1マナのクリーチャーに化けるならXの支払いは0で構わない。1マナで1マナ生物に化けられるので、最序盤にテンポ良く自分のクリーチャーを増産し、マナが伸びたところで相手が大物を出して来たらそれをそっくりコピーする……そんな器用な運用法ができそうだ。ちょうどスタンダードで、この《マネドリ》を採用したリストが出回り始めたので、それを紹介させていただこう。

Hamuda - 「アゾリウス象形」
Magic Online Standard Challenge 11位 / スタンダード (2024年8月17日)[MO] [ARENA]
4 《金属海の沿岸
4 《アダーカー荒原
3 《不穏な投錨地
2 《ミレックス
5 《平地
5 《
-土地(23)-

4 《マネドリ
4 《内なる空の管理人
4 《ひよっこ捜査員
4 《遠眼鏡のセイレーン
4 《威厳あるバニコーン
4 《鋼の熾天使
-クリーチャー(24)-
1 《泥棒隼の事件
3 《門道急行の事件
2 《バネ仕掛けの鋸刃
3 《地底のスクーナー船
4 《生命ある象形
-呪文(13)-
2 《人狐のボディガード
2 《邪悪を打ち砕く
2 《失せろ
2 《第三の道のロラン
2 《否認
2 《軽蔑的な一撃
3 《ティシャーナの潮縛り
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードの白青2色のアグロデッキ。《マネドリ》含めて1マナクリーチャー16枚という構成から、その前のめりっぷりが伝わるはず。《ひよっこ捜査員》や《遠眼鏡のセイレーン》と、コピーすることでアドバンテージにも繋がる面々が揃っている。そしてこれらのアーティファクトを生成するクリーチャーらと組み合わせて強いのが《内なる空の管理人》。トークンも絡めてパーマネント3つをタップし、管理人を強化しつつ占術で後続にもしっかり繋げる。このあたりの動きは召集系のデッキでもお馴染みだね。

 

 クリーチャーとアーティファクトが並び、序盤からパーマネントを展開していけるので《威厳あるバニコーン》を採用。2マナで高打点を弾き出すこの兎、《マネドリ》でコピーしちゃっても良いね。飛んでるバニコーンはあっという間にライフを溶かしてくれるだろう。

 またバニコーンと相性が良いため、クリーチャー除去には《門道急行の事件》や《バネ仕掛けの鋸刃》など、戦場に残るタイプのカードが用いられている。このうち鋸刃だったり、手掛かりや地図といったトークンも並ぶので、《生命ある象形》もメインの攻め手として採用されている。これが張られたアーティファクトは5/4のクリーチャーになる。またこのオーラ自身が墓地に置かれると、発見3を行える。3マナ以下の呪文がランダムで唱えられるので……象形を貼ったアーティファクトが除去されても、2枚目の象形が捲れれば戦場を立て直せる。他のクリーチャーや《地底のスクーナー船》が出るだけでも十分だ。ただ《マネドリ》を捲った場合、マナを支払っていないので《ミレックス》のダニくらいしかコピーできないので注意だ。

 

 アーティファクトを主とした白青のアグロデッキ。これのサイドボードにもちょっとした工夫が。クリーチャーなどのパーマネントに対処する手段として《人狐のボディガード》《第三の道のロラン》が採用されている。これも《マネドリ》を意識してのチョイスだろう。この手のクリーチャーをコピーすることで、相手のパーマネントを何枚もしっかり対処しようという狙いだ。ボディガードはポテンシャルの高さを期待されるも、前環境では使われる機会の少なかった1枚。《マネドリ》でコピーして連打する動きはかなり強そうなので、今後の活躍にも期待できるね。コピーして強そうなクリーチャー、どんどん探してみよう。これまでの評価が覆るかも?

 というわけで《マネドリ》を利用したスタンダードのデッキの一例を紹介させていただいた。なんともう1ヶ月もすると、スタンダードには新セットが追加される。次期環境は目の前だったりするのだ。だったらこの期間……ガッツリ遊ぶっきゃないね!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索