READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジャパンオープン優勝は、トークンを世話する新型ボロス!(スタンダード)

岩SHOW


 デイリー・デッキもお盆休みが明けて、連載再開。充電期間中に開催された真夏のビッグなイベントと言えば……「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2024」!MTGアリーナを用いた、日本独自のトーナメントだ。優勝賞金50万円、上位陣にも豪華賞品、それでいて参加費無料!今年もこの大会が無事に開催されたことを、一ライターとしても嬉しく思うね。僕個人としてはタイミングが合わず今回も参加は見送りになってしまったのだが、現行スタンダードにハマって毎日デッキ調整をして、出るならこのデッキだなというとことまで調整はできていたのだが……また次の機会が巡ってくるのを待つとしよう。

 2024年のジャパンオープンは参加者数が462名、お盆休みのど真ん中に皆で熱いプレイヤーが快適な室内から参加して熱戦を繰り広げた。この大会の注目すべきポイントは……予選ラウンドを勝ち上がり、トップ8に進出したデッキが8つとも異なるアーキタイプだった点。ドメインや青白コントロールなど、前環境から引き続き存在する老舗アーキタイプから、トカゲを主役にしたアグロデッキなどなど、期待の新アーキタイプまでバリエーション豊かな顔ぶれとなった。このラインナップを見ているだけで、『ブルームバロウ』環境のスタンダードが面白いということが伝わるのではないだろうか。この日本の大会を経て、スタンダードはより加速度的にデッキが進歩・進化していくことは疑いようがない。

 では早速、記念すべき大会の優勝デッキを拝ませていただこう!

卯月 祐至 - 「ボロス・トークン」
マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン 2024 優勝 / スタンダード (2024年8月10~11日)[MO] [ARENA]
4《平地
1《
2《優雅な談話室
4《沈んだ城塞
4《感動的な眺望所
3《戦場の鍛冶場
1《眠らずの露営
4《噴水港
2《解体爆破場
1《ミレックス
-土地(26)-
 
-クリーチャー(0)-
4《塔の点火
4《稲妻のらせん
3《失せろ
4《太陽降下
4《世話人の才能
2《一時的封鎖
3《忠義の徳目
4《人参ケーキ
4《ウラブラスクの溶鉱炉
2《大天使エルズペス
-呪文(34)-
2《第三の道のロラン
2《跳ねる春、ベーザ
2《セラの模範
2《削剥
2《邪悪を打ち砕く
2《安らかなる眠り
1《骨集めのドラコサウルス
1《兄弟仲の終焉
1《一時的封鎖
-サイドボード(15)-
 

 優勝の栄光を勝ち取ったのは白赤2色、ボロス・カラーのこちらのデッキ!なんとクリーチャー・カードは0枚!代わりにトークンに関するカードがたっぷりと詰め込まれ、それらで戦場を作って戦う「ボロス・トークン」デッキだ。スタンダードのトークン生成カードの中でも最強格は《ウラブラスクの溶鉱炉》。毎ターン自動的に速攻とトランプルを持ったトークンを射出する、固定砲台のようなアーティファクトだ。これを軸としてクリーチャーなどのパーマネント除去で盤面をコントロールしつつ攻める、これぞミッドレンジといった戦い方をするリストになっている。《塔の点火》は各種トークンと相性がよく、効率の良い除去として良い働きを見せてくれる。どうせ溶鉱炉から出てきたトークンはターン終了時には生け贄になるので、これを投げつけて3点ダメージ飛ばせたら僥倖だね。

 

 赤い要素は上記のような既存カードで、対して白は『ブルームバロウ』の新カードを取り入れているのも特徴だ。《人参ケーキ》はトークンを出しつつ、占術やライフ回復もできる。先述の《塔の点火》との相性も◎!

 これらのカードが噛み合って盤面を作りつつ相手の攻め手は排除……そんな動きを続けるには手札を補充するものが何か必要だ。《世話人の才能》はまさしくそのアンサーであり、このデッキの顔となる。トークンが戦場に出ることで1枚ドローできるので、これを毎ターン誘発させて常にアドバンテージ面で優位に立つのがデッキの狙いだ。これをレベル2に上げるとトークンを1つコピーできるので、兎や騎士や兵士といったトークンをコピーしてカードを引き込もう。レベル3になればトークンがすべて2段階上のサイズに強化される。《ミレックス》のダニも3/3になるのがえげつない。この領域までもっていければ、もう勝利は目前だ。

 

 このデッキの強さを支えているのは《噴水港》だ。この土地は2種類のトークンを生成できる。魚と宝物、状況に合わせて必要なトークンを確保。そしてそれらのトークンを生け贄に捧げてドローすることもできる。これは《ウラブラスクの溶鉱炉》と合わさった時に地獄を作りだすことになる。またそんなイケイケの盤面でなく、なんとかトークンで相手の攻撃をブロックして耐えている……そんな状況下でも、ブロックしたトークンを生け贄にドローして、《太陽降下》のような逆転の一手をなんとか手繰り寄せるという粘りを見せてくれる1枚。一人でも多くのプレイヤーに、スタンダーを通じてこの土地の秘めたるパワーを体感してほしいね!

 『ブルームバロウ』環境のスタンダード、夏の大規模イベントは終わったが、むしろここからが本番!このトークン型のボロスデッキのように、色んなデッキが注目を浴び、次のステップへと進んでいくことになる。ジャパンオープンの結果をチェックして、気になるデッキがあったら……さあ今日からスタン漬けの日々の始まりだ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索