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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!喰らい尽くせオルゾフ・バイパー(スタンダード)

岩SHOW


 俺たちは今どこにいる?それは……

スタンダードのど真ん中だって!

 さあこの真夏についに始動した新スタンダード環境。表現するなら2024-2025、新たなる世界、来夏のローテーションまでの長いようで短い旅が始まった。このタイミングのスタンダードは、新カードはもちろんのこと既存のカードらの評価もまだまだ定まらず、そもそもデッキアーキタイプの分布図もこれから形成されるという、つまりなんでもアリのど真ん中。

 というわけでスタンダードを愛する者から、興味のあるデビュー前の人まで、皆でスタンダードのデッキを眺めてあれこれ吸収していく「とことん!スタンダー道!」。今回は『ブルームバロウ』環境初期に誕生した新アーキタイプを追いかける!

とことん!バイパー道!
 

 新セットが出たら、なんだかんだで気になるのが神話レア。『ブルームバロウ』の神話レアをチェックすると……クリーチャーの中にはこのセットの主要部族から外れた熊や猫といった面々が見える。それらはエレメンタルやドラゴンなどのタイプも併せ持っており、この次元の小さな住人らにとっての脅威として描かれている。

 そんな神話生物の中でも……気になる1枚は《腐敗口のバイパー》。6マナ5/5、まあよく見るスペックというところだが……唱えるに際して土地以外のパーマネントを好きなだけ生け贄に捧げられる。こうして生け贄にしたもの1つにつきバイパーのコストは軽減されるので、最大で1マナ6/6!そこまでやらなくても、3マナくらいになってくれれば十分にコスパ◎。そして戦場に出るか攻撃すれば荒廃カウンターを得る。その数分だけ手札を捨てるか、パーマネントを生け贄にするか、あるいはそれらができなければ4点のライフを失うか……対戦相手にかなりの損失をもたらす、まさに荒廃カウンターの名に相応しい災厄を引き起こす。

 このバイパーを強く使えるスタンのデッキ、組みたいよな……というところで、こんな素敵なリストを発見。

FreeRice - 「オルゾフ・バイパー」
スタンダード (2024年7月30日)[MO] [ARENA]
4 《コイロスの洞窟
4 《秘密の中庭
6 《平地
10 《
-土地(24)-

4 《ひよっこ捜査員
4 《甦りし悪夢、ブレイズ
4 《腐敗口のバイパー
-クリーチャー(12)-
2 《喉首狙い
3 《熱狂的な献上
2 《チビボネの加入
4 《望み無き悪夢
4 《希望ある祈祷
4 《人参ケーキ
3 《毒気の薬
2 《税血の刃
-呪文(24)-
3 《切り崩し
3 《ぎらつく氾濫
4 《強迫
2 《安らかなる眠り
3 《ヴェールのリリアナ
-サイドボード(15)-
AetherHub より引用)

 

 

 さあご覧あれ「オルゾフ(白黒)バイパー」。まずは……デッキの色合いとアーキタイプ名がなんだかカッコイイ。このイカしたリストのコンセプトは「生け贄に捧げても痛くもかゆくもないパーマネントを並べて、バイパーを低マナで展開しよう」というもの。これを促すカードというのは既存のカードの中でも色々と見られる。たとえば戦場に出た時点でもうカード1枚分の仕事を果たしている者……《チビボネの加入》や《税血の刃》などは相手の手札やクリーチャーなどを1枚奪うものであり、その能力を解決できればもうあとはそれ自身が生け贄になっても損をしていない。《望み無き悪夢》や《希望ある祈祷》は生け贄となって墓地に落ちることで占術が行えるので、むしろ生け贄にした方が美味しい。

 そして《毒気の薬》に関してはこれはもうサクッて(生け贄にして)ナンボ、戦場に出た時と墓地に置かれた時の両方で誘発して1点ライフを1枚ドローと交換する。つまりこれを出してバイパーの餌にすることで手札が1枚増える!積極的に出してサクッて、盤面だけでなく手札や次のドローでも勝っていこうというのがこのバイパーデッキの狙いだ。

 

 そして1枚で複数のサクリ用パーマネントを用意してくれるカードというものも重要だ。2マナ分軽減してくれるものはお馴染み1マナ圏の《ひよっこ捜査員》、そして新カード《人参ケーキ》!このケーキは戦場に出ると兎をおびき出す。2枚のパーマネントが並ぶので、兎とケーキをバイパーが両方ペロリといただくってなわけだ。そしてこのケーキは食べ終わった後にも兎がやってくる。そのため1枚目のバイパーがやられても2体目のバイパーに繋げやすく、まさしくセットで使ってくれと言わんばかりのデザインになっているのだ。

 

 バイパーだけではサクるカードが少ないので、そこは《甦りし悪夢、ブレイズ》を用いる。彼女はサクったものと同じタイプのパーマネントをサクることを要求、これに応えられなかった対戦相手は2点のライフを失い、こちらはカードを1枚引ける。ちょっとバイパーの荒廃カウンターに近いことを引き起こしてくれる、これまたハマればゲームを決める強くて面白いカードだ。なのでうまく使って楽しい生け贄ライフを満喫してほしいものだね。

 《腐敗口のバイパー》、かなりの可能性を感じる1枚の登場で、デッキビルダー達の心に火が付いたはずだ。他にも神話レア、レア、色々と楽しいデッキが組めそうなカードが満ちている『ブルームバロウ』。そのど真ん中に立って、このセットの魅力、ひいてはスタンダードを味わい尽くしてちょうだい!それじゃあ先にデュエルスペースで準備しとくぜ!

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